|
カテゴリ:生物
Break Time(一休み)
ボルダースビーチ(Boulders Beach)紹介がメインのはずが、ペンギン自体に力を入れすぎ南極(Antarctica)もたくさん入れました。 久しぶりの生物ネタ。今回はペンギン三昧で、写真大容量入っています ボルダース・ビーチ(Boulders Beach)は、前回の「アジアと欧州を結ぶ交易路 17 大航海時代の帆船とジェノバの商人」の時に紹介した南アフリカ、ケープ半島の東、フォールス湾(False Bay)に面したサイモンズタウン(Simon's Town)にあります。 人口は7000人もいないけどケープタウンと鉄道で繋がり、かつ南アフリカで最大の海軍基地を持つそこそこの街。 その街の名物がペンギンのコロニー(Colony)で、間近で見られるコロニーとして観光の目玉になっています。 かつて街に住み着いたペンギンが繁殖。彼らを保護するべく保護区が街の中にできてしまった。 彼らの子育てを応援するべく彼らのいる海辺の一角を保護区として隔離し、人間が距離をとって共存している。 だから界隈では犬の散歩でさえ、必ずリードを付ける事が義務づけられている。 また彼らの食事を確保する為に湾内のトロール船も禁止されている。 彼らも人間はペンギンの外敵ではないと解っているので割と自由に生活している。 人からペンギンには近付け無いが、隣接する人間の海水浴場の方に彼らが現れる事もあるらしい。 サイモンズタウンは良い具合に共存が成立している素敵な街なのです。 ところで、サイモンズタウンのある南アフリカに生息するペンギンは俗にケープ・ペンギンと呼ばれるアフリカ・ペンギンのみです。 実は世界にはペンギンが19種存在しているそうです。 ついでにペンギンの種類と生息図などオリジナルで造り、南極(Antarctica)のペンギンコロニーも加えました。 ※ 南極の写真はカメラ時代のフィルムをデシタルに移行させたものです。南極の写真は見やすさの為に若干明るく修正しています。 ペンギン・コロニー(Boulders Beach&Antarctica) 南極にクマはいない アデリーペンギン(Adeliae penguin) ジェンツーペンギン(Gentoo penguin) チンストラップペンギン(Chinstrap Penguin) マジェラニックペンギン(Magellanicus penguin) ペンギンの属種 エンペラーペンギン属 フンボルトペンギン属 マカロニ・ペンギン属 イエローアイドペンギン属 アデリーペンギン属 リトルペンギン属 ペンギンも渡り鳥? 極域のペンギンの種分布 南極環流と海洋深層水 ペンギンが赤道を越えられない理由 南アフリカ ボルダース・ビーチ(Boulders Beach) ボルダース・ビーチ(Boulders Beach)の保護区 ペンギンの換羽(かんう・Moult) 換羽中(Moulting)の絶食 南極にクマはいない ところで、ペンギンは南半球にしか生息していない。 それとは反対にポーラ・ベア(Polar bear)は北極圏にしか生息していない。 つまり、北極にホッキョクグマは生息しているが、南極にナンキョクグマはいないのである。 大陸である南極の方が、北極よりはるかに寒いからだと言われている。 ※ ホッキョクグマは和名。英名がポーラ・ベア(Polar bear)。 南極に行くには南半球が夏の時にしか行けない。これでも夏なのである。 写真は全て南極半島一帯です。 ※ この半島はドレーク海峡を挟んで南米に近いのです。 環境相の資料よれば、 北極圏、シベリア、ロシア・サハ共和国のオイミャコンが記録した最低気温は-71度。 世界で最も寒い定住地。それは北半球の記録でもっとも寒い気温らしい。 一方、南極の最低気温は-89.2度 ロシアの南極観測基地ボストーク(Vostok)の気温である。 ボストーク(Vostok)基地と日本の基地を示しました。※ 南緯78度28分、東経106度52分。標高3488m。 正確さを記す為にベースは日本の基地の図を利用しました。 なぜ南極の方が寒いのか? それは南極は大陸であり、氷だけの北極よりはるかに厚い氷の層に覆われているかららしい。 北極の氷はせいぜい10m。 南極大陸は98%が南極氷床に覆われ、その厚さは平均1.6km。平均標高は2500m。 ※ 地表が露出している土地は全体の2%しかない。 つまり同じ冷凍室でも分厚い氷に覆われた冷凍室の方が冷えると言う事らしい。 とは言え、寒過ぎるから北極クマが生息できない。とは言えないらしい。 実は北極クマは南極でも北極と同じように生息できることが、ワシントン条約締結前の実験によってわかっているそうだ。 それ故、温暖化で北極の氷が減少し、北極の生物に危機が近づいているので北極クマを南極に移送して保護しようなどと言うとんでもない案も出ているのだと言う。 現在に至りクマがいないのは、南極大陸が分裂して広い海に囲まれたからクマが南極に到達できなかったからと考えられている。 ※海を泳ぐには各大陸からの距離がありすぎ。海流もあるし・・。 上陸はゾディアックボート(Zodiac Boat)を使用。 それにしても保護する為に北極から南極へ移住させるなどあり得ないだろう。 明らかに不自然な行為。南極の生態系を壊す事になる。 確実に食物連鎖を破壊するだろう。 かつて地球に生存していた生物は、その環境故に絶滅した種も多い。しかし、それも自然の摂理と思う。 生物は環境の負荷により進化を遂げてきた。進化して別物に生まれ変わってきたのだ。 そうして生物界は種の入れ替わりを遂げてきた。 人間のこざかしい知恵で現存の生物を保護しようなどと言うのは神をまねる猿に同じではないか? と思う。 環境に適応した次の種が必ず生まれてくるのだから、逆にそれを阻止してはいけない。 北極クマだって氷が溶ければ南下して生態を変えて陸地に住めるようになるさ・・と思う。 それにしても滅びるかもしれないのは人間も一緒。 人間が増え過ぎて環境が破壊されるのも地球の歴史の一編。 定数オーバーした人間はいずれ滅ぶかもしれない。地球史を考えるとそれもあらがえない事象と思える。 それにしても滅びを受け入れるか? 受け入れないか? 理解した上で滅んで行けるのは今の所、人間だけだ。 持続可能な社会造りをしてもいつか限界は来る。その時、人は進化できるのか? 私は現状維持よりも進化の方に興味がある。 ペンギンが南半球にしかいない理由は後に載せます。 南極半島のどこか アデリーペンギン(Adeliae penguin) アデリーペンギン属 体長70cm。体重3.7~4.0kg。 南極ではほぼ全域の沿岸に生息している。 スイカ(suica)のキャラに使用されているペンギンです。 スイカのキャラ設定では南極から東京にやってきたことになっているらしい。 アデリーペンギン(Adeliae penguin) のコロニーは少し粗い石山 小石を積み上げて巣を作る。 抱卵はオスの仕事? 1ヶ月以上絶食して抱卵するらしい。その間メスはどこで何をしているのだろう? 奧の山の壁面、全てペンギン。 ジェンツーペンギン(Gentoo penguin) アデリーペンギン属 体長75cm。体重5.0~5.5kg。 南極では主に南極半島に生息 海のジメジメした岩山で子育て? 風雨もあるし、寒いだろうし、卵にも雛にも良い環境とは思えないが・・。 利点はエサ場に近い事くらい? 天敵はアザラシやカモメ。 ズーズーしく巣の中に降り立ち、隙あらば卵を盗ろうとするナンキョクオオトウゾクカモメ? ナンキョクオオトウゾクカモメ(South Polar Skua)の「Skua」だけでトウゾクカモメを意味する。 卵やヒナをエサにする為にペンギンの繁殖期に合わせて南極に渡ってくるらしい。 だから生態がそのまま名前の由来なのね。これも食物連鎖だけどさ・・。 数年前に東京のカモメが上野の不忍池まで進出したと聞いた。しかもカモメとカラスが対立してカラスが負けている・・と言うのでどれだけ獰猛なのか? と思ったものだ。 チンストラップペンギン(Chinstrap Penguin) 和名 ヒゲペンギン アデリーペンギン属 体長71~76cm。体重3.9~4.4kg。 南極では主に南極半島突端から南大西洋上にあるサウスジョージア島とサウスサンドウィッチ諸島に生息。 一羽で走っている写真が多かった。 彼らの巣は結構危険な大きな岩場。海から結構遠い? 一番険しい場所に巣造りするのはなぜだろう? こう言う所、海鳥らしいが・・。 彼らの天敵もチドリやカモメにアザラシ。 体重は確かに軽い方だけど、結構危険地帯を上っている。アザラシは来ないだろうけどトウゾクカモメは防げない。 マジェラニックペンギン(Magellanicus penguin) 別名 パタビニアペンギン フンボルトペンギン属 体長71cm。体重4.0kg 主な生息地は南米であるが、長距離を移動する渡り鳥らしい。 ※ 3300kmも移動した記録があるらしい。 フンボルトペンギン属にガラパゴスペンギンがいる。寒流に乗って赤道近くまで到達した種である。 ボルダース・ビーチ(Boulders Beach)のアフリカペンギンもフンボルトペンギン属。非常によく似ている。コロニーを造る大陸がわかれているが元は同種のペンギンだろう。 ペンギン以外の渡り鳥も多い。 高台にいるのは鳥だけど下の方はアザラシなど鰭脚類(ききゃくるい)も多い。 下は南米のウシュアイア近くかもしれない。 ペンギンの属種 属ごとにペンギンをまとめてみました。これに関しては、写真は全てウィキメディアの写真を利用させてもらいました。 かつてもっと種が多かったらしいが、現在6属18種?があげられている。 英名を優先させました。和名は解るもののみ。この和名のせいで名前が解りにくくなっています。本によって違うのです。 ペンギン目6属 エンペラーペンギン属 2種 フンボルトペンギン属 4種 マカロニ・ペンギン属 7種 イエローアイドペンギン属 1種 アデリーペンギン属 3種 リトルペンギン属 1種 エンペラーペンギン属 左 エンペラーペンギン(Emperor penguin) 和名 コウテイペンギン 平均120cm 右 キングペンギン(King penguin) 和名 オウサマペンギン 平均89cm 共にコロニーは造るが巣は作らない。エンペラーペンギンはオスだけが抱卵(65日)。巣立ちまで150日もかかる。 キングペンギンは抱卵66日だけど巣立ちまで1年弱とペンギンの中で最も長い。 大きいから威厳もあるけど、元が鳥だったとは思えない姿ですね。 フンボルトペンギン属 上段左 フンボルトペンギン(Humboldt penguin) 別名 ペルーペンギン(Peruvian penguin) 平均67cm 上段右 マジェラニックペンギン(Magellanicus penguin) 別名 パタゴニアペンギン 平均71cm 下段左 ガラパゴスペンギン(Galápagos penguin) 平均55cm 下段右 アフリカペンギン(African penguin) 和名 ケープペンギン 平均71cm 南半球にしかいないペンギンだけど、唯一ガラパゴスペンギンは赤道を越えているものがいる。 フンボルトペンギン属は同じ種が生息地で変化したと思える。 1巣2卵だけど、産卵が年2回。1年に最大4羽の子を育てる。 抱卵はだいたい40日程度で巣立ちは3ヶ月以内。 マカロニ・ペンギン属 左 サザンロックホッパーペンギン(Southern Rockhopper Penguin) 和名 ミナミイワトビペンギン 右 ノーザンロックホッパーペンギン(Northern Rockhopper Penguin) 和名 キタイワトビペンギン ※ イワトビペンギンの平均53cm 左 フィヨルドランドペンギン(Fiordland crested penguin) 和名 キマユペンギン 平均58cm 右 スネアーズペンギン(Snares penguin) 和名 ハシブトペンギン 平均58cm 左 マカロニペンギン(Macaroni Penguin) 平均71cm 右 エレクトクレステッドペンギン(Erect-crested Penguin) 別名 シュレーターペンギン(Eudyptes sclateri) 平均64cm ロイヤルペンギン(Royal Penguin) 平均72cm マカロニ・ペンギン属は、オレンジの飾り羽から一際目を引く派手なペンギン。 写真の並びは、近似のものを敢えて並べました。並べると似ているけど異なるのが解りやすいので。その見た目から「マカロニ(Macaroni)」と、名が付いた。 そもそも「マカロニ(Macaroni)」とは、18世紀のイギリスでイタリアの伊達男に対して呼称された語彙だったらしい。 つまりマカロニペンギンはイタリアの派手なかっこつけの男と同類なんですね。 また彼らは1年で1巣2卵しか産卵しないので1年に育てるヒナの数は1羽。だから絶滅危惧度も高い? のかも。 イエローアイドペンギン属 イエローアイドペンギン(Yellow-eyed penguin) 和名 キンメペンギン 平均74cm 生息はニュージーランド南島と以南の諸島。キャンベル島、オークランド島など。定住型のペンギン。 天敵は人の持ち込んだイタチやネコ、ネズミ。 絶滅危険度(高) EN— Endangered (危機)絶滅危惧IB類 絶滅危惧種に分類されている。 一年で1巣2卵。絶滅危惧の原因はエサの不足によるつがいの繁殖の失敗らしい。定住型なので生息地の気候変動に敏感なのかも。 また、人に慣れず飼育環境に適応できにくい種らしい。 因みに絶滅危惧IA類 近絶滅種のリストにペンギンには入っていない。 絶滅危険度(極めて高い) CR— Critically Endangered(深刻な危機) 絶滅危惧IA類 近絶滅種 アデリーペンギン属 上段 チンストラップペンギン(Chinstrap Penguin) 和名 ヒゲペンギン 平均 74cm 左下 アデリーペンギン(Adeliae penguin) 平均 71cm 右下 ジェンツーペンギン(Gentoo penguin) 平均 81cm チンストラップペンギンのエサはほぼ南極にたくさん生息するナンキョクオキアミ (Antarctic krill) ※ ホンエビ上目 オキアミ目に属する甲殻類。体長3~6cmでエビに似ているがエビではない。 でも写真の中に魚をくわえて走っているのもいた。 アデリーペンギンのエサは営巣地で異なるそうだ。 ジェンツーペンギンは近くで見付けたものは何でもエサにするらしい。 つまり、アデリーペンギン属は割と何でもいけるのかもしれない。 リトルペンギン属 リトルペンギン(Little Penguin) 和名 コガタペンギン 平均 41cm ペンギンの中では最も小さい種。前傾姿勢で歩く姿など鳥に近い。 オーストラリア南岸やニュージーランドに生息。かつてはフェアリーペンギンと呼称された事も。 ペンギンの食性は肉食で、魚類・甲殻類・頭足類などを海中で捕食。 天敵はシャチ・ヒョウアザラシ・サメと言われるが、海岸近くの民家にも巣作りするリトルペンギンの天敵はイヌ、ネコ、キツネに交通事故らしい。 ペンギンも渡り鳥? ペンギン目と姉妹のハイイロミズナギドリはその羽根を使って長距離を移動する事で知られる渡り鳥である。 ペンギンとは違う? いや、ペンギンも定住性の強いペンギンはいるが、南極に住むアデレーペンギンは繁殖コロニーから南極大陸のロス海まで平均13000㎞を歩いて移動し、越冬するそうだ。 それはもはや渡り鳥と言って良い。 南極も広い。冬に太陽光の少ない南部でエサの捕獲は難しいかららしい。 極域のペンギンの種分布 上図は南極を中心にした地図にペンギンの生息地を載せました。 南極環流と海洋深層水 南極環流(Antarctic Circumpolar Current)が南極大陸を右廻りに流れている。 南極環流は地球で最大の海流ですが、他にも南半球では以下の環流が地球上の海洋水を循環させています。 南太平洋亜熱帯循環(South Pacific Subtropical Gyre) 南大西洋亜熱帯循環(South Atlantic Subtropical Gyre) インド洋亜熱帯循環(Indian Ocean Subtropical Gyre) 南極環流は、太平洋・大西洋・インド洋の3つの大洋循環に繋がり、それらはまたそれぞれの域の環流に乗って地球上を循環する。 つまり、南極の栄養化の高い深層水はそれら寒流として運ばれ、結果的に地球を循環して行くのである。 海流図にペンギンの生息地を重ねました。 ペンギンの生息地は必ず寒流に沿っている事に気が付く。 つまりペンギンは栄養価の高い寒流にのって、南極環流から各海洋の環流に乗りかえてエサを追い移動しただろう事が解るのだ。 寒流には極地の海から湧き上がった栄耀豊富な海洋深層水が流れているから、それを求めてペンギンのエサとなる頭足類(イカ、タコ)、甲殻類(ナンキョクオキアミなど)、小魚、中型の魚(ニシン、イワシなど)もまた集まるからだ。 ところで海洋では海の深層部には表層から沈降してきた有機物が、バクテリアその他の働きにより分解され、リンや窒素などの無機化合物となり沈殿して大量に蓄積されていく。 つまり海の表層水より深層水の方がミネラルの比重が高くなる(濃い)。当然生物にとっての栄養化も表層水よりも深層水の方が高いのである。 それが南極の深層水となればなおさらだ。 ※ 一般的な暖流の表層水には植物プランクトンが多い。それは植物プランクトンの成長に必要な無機栄養塩(NO3-硝酸態窒素、PO4-リン酸態リン、Si ケイ素)を消費すると言う事である。 だから植物プランクトンが少ない海洋深層水は、ミネラル分が強く残っているので栄養価もある。 海洋学上の2大深層水が、南極海で形成される南極底層水(南半球)と、北大西洋のグリーンランド沖で形成される北大西洋深層水(北半球)。 寒流だと海水の熱塩循環が起こり深層の栄養水を表層まで運んでくれる。さらにそれらは環流に乗り地球の海洋を広く移動いて行く。 何と、極地の栄養豊富な海洋深層水は南極環流で循環しながらおよそ2000年かけて世界中の海洋を移動しているらしい。だからそれは千年単位の地球の気候にも影響を及ぼすとか・・。 ペンギンが赤道を越えられない理由 逆に暖かい海は生物量は格段に落ちる。 ペンギンは大量のエサを必要とするので寒流でないと生息できないのだ。 ペンギンが赤道を越えられないのはエサが少ないからで、だから赤道に近いガラパゴスに住むガラパゴスペンギンはすごく特殊なペンギンと言う事になる。 最も彼らの平均体長は55cm。体重は2~2.5kgと他のフンボルトペンギン属に比べてサイズも小さいし体重も少ない。 もしかしたらこれは十分なエサが摂れない為に体が小さく、軽く変化して行ったのかもしれない。 ある意味、生態が環境に合わせて進化したとも考えられる。 とは言え、個体数は急激に減少していて絶滅危惧IB類(EN)に分類されている。 ※ IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高い生物。 南アフリカ ボルダース・ビーチ(Boulders Beach) ボルダース・ビーチ(Boulders Beach)の保護区内ビーチ 指定された彼らのビーチに入る事はできないので、これは遠くから撮影しています。 保護区には大岩がありペンギンが日光浴をしている。 下の写真はウィキメディアのサイモンズタウン(Simon's Town)版から借りました。 この角度の写真はビーチに降りないと撮影できない? からです。 1982年のわずか2羽の繁殖ペアがボルダースビーチに住み着き繁殖。保護政策によりフォールス湾での商業的な遠海トロール網の禁止し、ペンギンの餌の一つであるイワシやカタクチイワシの供給を増やすなど遠隔的な保護活動もしてている。 それ故、近年、ペンギンのコロニーは約3000羽にまで成長していると言う。 上とは別日、岩にはペンギンと海鳥が混在している。 正確にはわからないが、ハイイロミズナギドリ(Sooty shearwater)かもしれない。 ミズナギドリ目(Procellariiformes)ミズナギドリ科であるのは間違いない。 彼らミズナギドリ目の種は核DNAの分子系統推定で、ペンギン目の姉妹群という解析結果が出ている。 つまり最もペンギンに近い仲閒なのである。 違和感なく一緒にいるしね・・。 それにしても不思議。飛ぶ鳥と海の中を泳ぐ鳥。DNAで見れば紙一重の所にいるなんて・・。 どこで、何があって生態が別れたのでしょうね。 ボルダース・ビーチ(Boulders Beach)の保護区 ここボルダース・ビーチ(Boulders Beach)はテーブルマウンテン国立公園(Table Mountain National Park)の海洋保護区の一部となっている。 ケープ半島は 地中海性気候。 10月から3月まで続く夏は暑く乾燥し、ほぼ晴れ。 半島は「ケープ・ドクター」と呼ばれる東南の強い風(南大西洋高気圧 によるもの)をしばしば受ける。 5月から9月まで続く冬は長く、涼しく、湿度が高い。大西洋から 寒冷前線が雨と強い北西風をもたらす。また年間を通じて風が強く吹く場所らしい。 1 年を通して気温は 9°Cから 25°Cに変化。それ以下にも以上にもなる事は滅多に無いと言う。 ペンギンの環境としては暖かく、エサさえ捕獲できるなら越冬の為の渡りをする必要は無い。だからアフリカペンギンは定住型のペンギンになったのかも。 赤い円のところがボルダース・ビーチ(Boulders Beach) 下はビーチ公園の地図 上の図の一番左端のビーチからの撮影 右方面はペンギン保護区となる。 ピクトグラム(pictogram)で禁止事項が表示されている。 ゴミ捨て禁止。飲酒禁止。ペット禁止。たき火禁止。テント禁止。 意味不明が一つ。 日本には無いのがライフル・ピストル・ゴム銃禁止。 下はたぶんペンギン側でない方面のビーチ 海鳥が休むのに調度良い岩は花崗岩と思われる。 ペンギン様ビーチには入る事はできない。 基本自然動物であるペンギンに接触する事はできないが、ボルダース・ビーチの保護区の中では人間がペンギンの進路を妨害しないよう配慮されたレーンを歩いて間近で見学する事ができる。 下はレーンからの撮影 ボルダースビーチのペンギンはフンボルト属のアフリカペンギン(African penguin)です。 ※ 和名 ケープペンギン アフリカペンギンと呼ばれるのは生息地がアフリカ南端とその海域に限られているからです。 野生で平均寿命は10年~12年。最長記録27年。 飼育下での平均寿命は25年。最長39年を記録しているそうです。 危険もなく、エサが食べられれば長生きできると言う事ですね。 先に南極編で紹介したマジェラニックペンギン(Magellanicus penguin)と非常によく似ています。 ただマジェラニックペンギンは渡り鳥で4月から8月までコロニーを離れるので越冬する場所が変わる。 一方、先に紹介した通りアフリカペンギンは渡り無しの定住型。 産卵は一年中行われるようで、ボルダーズ・ビーチはいつでもヒナがいる。 産卵ピークは2~5月、11~12月。 1巣の卵数は2個。抱卵期間は38~41日間。 ヒナの孵化後40日間は警護期で親に守られ、ヒナは孵化70~90日後に巣立つ。 彼らの主食はニシン、イワシ類。 ペンギンの換羽(かんう・Moult) 換羽(かんう)とは、羽根毛が季節によって、また成長に応じて一部または全部が生え替わる事。 羽根も使えば傷むからで、交換が必要なのだそうです。 鳥羽は繁殖期や季節で行われるが鳥の種類や年齢、性別などによって生え替わり方が決まっていると言う。 ※ 季節による2型がある場合、冬の羽衣(冬羽)、夏の羽衣(夏羽)。 ※ 繁殖期の羽衣(生殖羽)、非繁殖期の羽衣(非生殖羽)。 ボルダースビーチのペンギンはフンボルト属のアフリカペンギン(African penguin)なので特徴的な模様があるが、若鳥(Young bird)はそれが無い。 数度の換羽を経て生え替わり本来の模様が出て始めて成鳥(Adult bird)になるらしい。 換羽中(Moulting)の絶食 ペンギンは全身の羽毛が一斉に抜け落ちるので、新しい羽が伸びる2、3週間は水に入れない体に・・。 だから換羽中のペンギンはエサが食べられない。 ペンギンの羽毛には防水性があり、冷たい水から体を守ってくれるが換羽中は防水が無いから海に入れないからだ。 それ故、換羽前のペンギンはたくさんエサを食べて脂肪を蓄えて換羽中の絶食に備えるのだそうです。 動物園でも換羽中はエサをもらいに来ないらしい。 だから自然界では換羽前のペンギンは肥満だが、換羽後はスリムな体に一新される。 上のゴマフアザラシの赤ちゃんのようなペンギン。これは成鳥の換羽(かんう)か? 下はエサを口移しで与えているところ。カップルで抱卵している所なのかはよくわからないが・・。 換羽前のフリッパーに注目。これを見るとペンギンて鳥なんだな・・と改めて思います。 おわり ※ 過去のボルダースビーチは削除します。 今回は「アジアと欧州を結ぶ交易路」を一度リセットするべく他のネタに移りました。 同じの書いていると飽きるので・・。 でも何を書くか決まるでに時間がかかり、書いている最中は季節的な睡魔に襲われ作業が進みませんでした。 「アジアと欧州を結ぶ交易路 18」次回になるか? もう一つ何か挟むかもしれません。 ※ 前回のブログ「アジアと欧州を結ぶ交易路 17 大航海時代の帆船とジェノバの商人」では、喜望峰の写真を紹介しています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022年05月15日 16時09分34秒
コメント(0) | コメントを書く
[生物] カテゴリの最新記事
|