カテゴリ:心筋梗塞 腹部大動脈瘤手術
年齢と共に、少しずつ加齢性白内障の症状が出てきました。 加齢性白内障は少しずつ進行する目の病気なので、数年前自己判断で両眼の手術をしました。 年齢を重ねるに従って水晶体が濁っていく病気で、加齢性白内障は白内障の90%を占めます。 加齢性白内障の症状 正常な水晶体は透明で、光をよく通します。しかし、加齢などが原因で水晶体の中身のたんぱく質 が変性し、濁ってくることがあります。これが「白内障」です。水晶体が濁ると、光がうまく通過 できずに乱反射し、網膜に鮮明な像が結べなくなり、視力が低下します。 目の中のレンズが濁ることにより、以下のような症状がでます。かすんで見える。明るいところへ 出ると眩しく見にくいどんなに調整しても眼鏡があわない。ぼやけて二重・三重に見える。晴れた 天気の良い日でも、天気はくもりにしか見えない。曇りガラスの外を見ているような状態です。 白内障手術とは 白内障手術とは、混濁した水晶体を除去して障害された視機能の向上を得るために行う手術で、正 式には、「水晶体再建術」と呼びます。現在の白内障手術は、手術手技の確立とともに完成度が非 常に高く安全な手術となっていることから、以前と比べて手術の適応は相当に拡大され、運転免許 更新出来ないなど、ここの患者さんの仕事や生活のニーズに合わせて手術を勧められるようになっ ています。現在国内では、1年間で約130万件の手術が行われています。白内障学会ガイドライン によれば進行した水晶体混濁は70歳代であれば60%にあり、平成26年高齢社会白書によれば65歳 以上の高齢者率が25.1%で世界1の高齢化率であるため、今後も白内障手術が必要な患者は増加の 一途であると予想されます。(JSCRS 日本白内障屈折矯正手術学会ホームページから) 白内障手術について 白内障とは 白内障手術について 乱視矯正眼内レンズ 多焦点眼内レンズ(遠近両用眼内レンズ) JSCRS 日本白内障屈折矯正手術学会ホームページで詳しくご覧いただけます 「屈折矯正手術について」で詳しくご覧いただけます 手術は何時受ければ良いか 世界の失明原因の第一は依然、白内障で、失明全体の40%です。また視力低下や失明による社会へ の負担は少なくありません。また白内障は、高齢者のほとんどに発症するため、高齢化の進んだ国 では患者数も多く、日本も世界的にみて高齢化が進んでいることから、眼科医の行っている手術の 85%が白内障手術です。ではいつ手術を受けるべきかですが、受ける人の社会的な因子、つまり生 活に支障をきたすかどうかが一番の問題となります。たとえば白内障初期で、自覚症状の乏しい場 合は良いですが、白内障が進行して、眼鏡が役に立たなくなったり、車の運転や日常生活に不便を 感じることが多くなったら、早めに手術を受けた方が良いでしょう。いつ手術を受けるかは「自分 が不便だと思った時が、手術を受ける時期」と考えて良いでしょう。50代で免許のために受ける人 や、90歳まで生活に不自由を感じていなかったので受けなかったケースもあります。ただし、場合 によっては早めに手術を受けるべきケースもあります。たとえば進行した白内障は、放置すると他 の眼の病気(緑内障、ぶどう膜炎)を引き起こすこともあります。その様な場合は医師の判断を仰 いだ方がいいでしょう。現在日本で行われている白内障手術は精度、安全性、必要な時間において も非常に完成度が高いものです。それを裏付けるものとして、その質と費用に関して色々な角度か ら諸外国と比較研究された報告書がありますが、日本の白内障手術は、高いquality of life(QOL)を 得られる割に、費用は非常に安く、欧米の半分程度と言われています1-3)。ですので、安心して 受けられる手術のひとつと言えます。(JSCRS 日本白内障屈折矯正手術学会ホームページから) 手術以外に治療はあるか 現在白内障に対して、点眼薬や内服薬がありますが、どれも進行を遅らせる程度の効果で、濁った 水晶体である白内障を、透明な水晶体に戻す効果は得られないとされています。ですから、濁った 水晶体を取り出す手術のみが根本的な治療です。 費用はどれくらい 現在の健康保険適応の白内障手術費用はおおよそ決まっています。しかし健康保険の制度によりご 本人の本人負担割合(全部の費用の1-3割)、さらに年収による高額療養費制度による上限が定 められており、支払額は異なります。おおまかな自己負担額が表1.2です。また、入院での手術 (病院、有床診療所)や日帰り手術では費用も異なります。手術を受ける医療機関、また保険者又 は市町村の老人保健担当窓口へ問い合わせるのが一番でしょう。 多焦点眼内レンズを使った白内障手術に関しては、下の表は当てはまりません。 私の場合は、70歳未満 3割負担 入院2回 両眼 別日手術 でした 入院施設によって料金が違います 多焦点眼内レンズ(遠近両用眼内レンズ)とは 多焦点眼内レンズは、遠方と近方にピントが合う遠近両用レンズです。2007年に厚生労働省の承 認を受け、2008年7月に先進医療として承認されました。白内障によって濁った水晶体を摘出し、 その代わりに眼内レンズを挿入しますが、今までは単焦点眼内レンズのみの使用が可能でした。眼 内レンズはピントを合わせる調節機能を持っていないので、若い頃のように見たいすべての距離に ピントを合わせることは不可能で、ほとんどの場合、遠くか近くのどちらかに眼鏡が必要となりま す。例えば、遠方が見えるように単焦点眼内レンズを挿入した場合には、車の運転などは眼鏡なし でも可能ですが、新聞や本など近くの字を読みたい時には近用眼鏡(いわゆる老眼鏡)が必要で す。多焦点眼内レンズは、2か所もしくは3か所にピントが合うため、若いころのようにすべての位 置にピントが合うわけではありませんが、遠方と近方が見える事で日常生活は非常に楽になりま す。多焦点眼内レンズにより、眼鏡に依存しないもしくは眼鏡の使用頻度を減らすことが可能とな り、QOL(quality of life)の向上が期待されます。 多焦点眼内レンズの臨床成績 日本では、年間約120万件の白内障手術が行われています。先進医療として承認されている多焦点 眼内レンズは、このうちの1.5~2.0%で使用されていると推計されます。多焦点眼内レンズの臨床 成績については、過去に多数の報告があります。 JSCRS多焦点眼内 レンズ情報「レンズの費用」 「多焦点レンズで片目に追加でかかる金額」 通常の診療費とは別に約23~30万円(選定療養) 選定療養とは:眼内レンズ費用・追加検査費用については自費。 手術技術料・入院費用は健康保険適用。 眼内レンズには下記の種類があります。 単焦点レンズ (保険適用) 多焦点レンズ(※選定療養) 2焦点、焦点延長、3焦点など 医療費の負担割合、レンズ種類、入院時にかかる薬代など、 医療機関や本人によって合計金額が変わります ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 東京女子医科大学 東医療センター眼科 の場合 選定療養とは、患者さんご自身が選択して受ける追加的な医療サービスで、その分の費用は全額自 己負担となります。令和2年4月より、術後の眼鏡装用率の軽減を目的とした多焦点眼内レンズを使 用する白内障手術は、厚生労働省が定める選定療養の対象となりました。東京女子医科大学 東医 療センター眼科では多焦点眼内レンズの白内障手術を行う医療機関として届出をしています。多焦 点眼内レンズの対象となる患者さんには診察時に詳細をご説明いたします。 多焦点眼内レンズを使用する白内障手術の選定療養に関するお知らせ 多焦点眼内レンズの種類 金額 2焦点(焦点延長含む) 約 14 万円 2焦点 乱視用(焦点延長含む) 約 16 万円 3焦点 約 19 万円 3焦点 乱視用 約 21 万円 多焦点眼内レンズに係る費用 白内障手術の費用多焦眼内レンズを使用する白内障手術の費用 選定療養(全額自己負担)医療保険で給付 患者の皆様には、ご理解いただきますよう宜しくお願い申し上げます。 東京女子医科大学 東医療センター眼科 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年01月20日 04時37分21秒
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