【Horace Silver Trio & Art Blakey + Sabu 】
ホレス・シルヴァー(1928年9/2~2014年6/18)コネチカット州ノーウォーク出身のジャズ・ピアニスト。少年時代から、アルトサックスを演奏していましたが後に、ピアノに興味を持ち変更します。演奏スタイルは、バド・パウエルに強く影響を受け、左手は、頻繁なコードチェンジに対応し、パーカッシヴで巧みにバッキングプレーに徹し、右手で力強いシングルトーンを使い分ける天才的技法が醸し出す特色のあるファンキーなプレイスタイルで知られ、ハード・バップの発展に寄与するジャズピアノの代表的なアーティストです。デビュー前、地元のクラブでスタン・ゲッツと出会い、ゲッツに進られ1950年に活動拠点をニューヨークに移しプロデビューします。その後、1955年に自己のトリオにブレイキー等を加えたセッションを録音します。ブレイキーとの共演は4年間も続き、この間に名トランペッター、クリフォード・ブラウンを含めたカルテットで活動します。また、作曲家としても有能で、ファンキーなジャズ・スタンダードを多数作曲しています。 ジャケットも奇抜なデザインで、シルヴァーが両手を広げポーズを決めている印象的ジャケットですが、同じデザインで色違いの通称「青盤」『Horace Silver & the Jazz Messengers』のジャケットにも使われています。後に、アート・ブレーキは、サックス&トランペットを加えたクインテット編成となる、ジャズ・メッセンジャーズの結成へと向かっていきます。また、1956年にはブレイキーから離れ、シルヴァーもクインテットを結成することで、2大ジャズグループ、が誕生します。
さて、今回紹介するアルバムは、1952/1953年の通称「赤盤」で、3つのセッション曲からコンパイルしています。(1952年の収録分)は、当初は、ルー・ドナルドソン(as)のリーダー・セッションの予定でしたが、ドナルドソンが、スケジュールが合わず休んでしまい。以前より、したためていたオリジナル曲を持ち合わせていたため、シルバァー自身のデビューの時であると決断し急遽、トリオでの録音に変更となりました。これが、通称「赤盤」のリーダー・デビューとなります。このアルバムは、随所にブルージーなフレーズを連発しいて硬質な音色で疾走し、心地よく耳に響きます。ドラムスは、秘技ナイヤガラ・雷ロールで一世を風靡したアート・ブレイキーです。演奏スタイルは、ビバップに対しハード・バップにつながるドラミングを披露し、後にハードバップスタイルに移行する足がかりとなる歴史的な作品となります。ジャズ・メッセンジャーズ結成以前という、ジャズ歴史的に見てもトリオでのセッション音源は意外に少なく貴重な名盤といえます。
ジャズ界に多大なる貢献とジャズピアニストの巨匠として親しまれ、そしてブルーノートレーベルなどに数多くの名盤・名演を残したシルバァーが、ファンに惜しまれながら、昨年6月18日、ニューヨーク州ニューロシェル市の自宅で死去しました。享年85歳。その功績を称えるとともに、心からご冥福をお祈りするとともに追悼の意を捧げます。
【収録曲】
1. Safari サファリ
2. Ecaroh エカロー
3. Prelude To A Kiss プレリュード・トゥ・ア・キス
4. Thou Swell ゾウ・スウェル
5. Quicksilver クイックシルヴァー
6. Horoscope ホロスコープ
7. Yeah ヤー
8. Knowledge Box ナリッジ・ボックス
9. How About You ハウ・アバウト・ユー
10. I Remember You アイ・リメンバー・ユー
11. Silverware シルヴァーウェア
12. Message From Kenya メッセージ・フロム・ケニア
13. Opus De Funk
14. Nothing But The Soul ナッシング・バット・ザ・ソウル
15. Buhaina ブハイナ
16. Day In Day Out デイ・イン・デイ・アウト
【パーソネル / 録音】
Horace Silver (p) ホレス・シルバー
Curly Russell (b) カーリー・ラッセル
Percy Heath(b) パーシー・ヒース
Art Blakey (ds)アート・ブレイキー
Sabu Martinez (conga)サブー・マルティネス
1952年10月9日-20日, 1953年11月23日ニューヨークWORスタジオ録音
【Opus de Funk】オパス・デ・ファンクをYou Tubuで試聴できます。
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