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フィンとリーフのトラキア博物館

フィンとリーフのトラキア博物館

受け継がれる月光と黒騎士の誇り(1)

最新更新情報:3月26日に第5話をアップして、パート1が完成したよ!!(リーフ館長)


<第1話・2つの選択>

十数年間にも及んだ、グランベル帝国の圧政は、皇帝アルヴィスと皇子ユリウス、すべての元凶であるロプト教団大司教マンフロイの死によって、終わりを告げた。

新たに新生グランベル王国が誕生し、解放軍の盟主であるセリスが民衆からの圧倒的な支持をうけ、グランベル王に即位した。

そして共に戦った仲間たちも、それぞれの故郷へと戻り、祖国への復興に携わっていくことになる。

その中、未だに迷っているものがいた。リーフ軍の剣士として戦ったマリータである。
彼女には、デルムッドという恋人がいるのだが、彼はひとまずレンスターに向かい、妹であるナンナとリーフ王子との結婚を見届けた後、従兄であるアレス王子と恋人リーンとともに、アグストリアへと向かうことになっている。

アグストリアでは帝国の支配による影響は少なかったものの、山賊たちが横行する危険な状況になっているからである。

『もし迷惑でないのなら、俺と一緒にアグストリアに来てくれないか?』

突然のデルムッドの告白に驚いたマリータだったが、とりあえずは少し考えさせて欲しいとデルムッドに言った。

「デルムッドの好意はうれしいけど・・・でも私は、エーヴェル母様のように強い剣士になりたい。力だけではなく・・・精神的にも・・・」

以前マリータは「暗黒の剣」に操られ、義母であるエーヴェルに切りかかったことがあるのだ。心の弱さを痛感したマリータは、その後魔法によって石化されたエーヴェルを救うべく、リーフ軍やセリス軍に従軍していた、強者たちと幾度となく稽古を重ねてきた。

その努力もあって、マリータは無事エーヴェルと再会を果たすことが出来たのである。そのさなか、マリータは一人の騎士に興味を持ちはじめた。

フィンとラケシスの息子であり、親友であるナンナの兄であるデルムッドだった。

最初はフィンの息子ということもあり、遠慮がちにマリータは話しかけていたのだが、デルムッドは気軽に話して欲しいと声をかけられ、以後行動をともにすることが多かった。それからというもののマリータは、デルムッドと一緒に剣の稽古をし、ともに腕を磨いてきた。やがてデルムッドから告白をされたマリータは、彼の優しさに惚れてすぐさま恋人同士となったのである。

同じ戦場で肩を並べて戦うことも多くなり、いつしかお互いにとって欠かせない「相棒(パートナー)」の存在にまでなった。

しかしデルムッドが聖戦終結後に、アグストリアへと向かうことはわかっていた。

「でも、私はデルムッドのことが好きだし、それにできることなら彼の祖国の解放も手伝いたいし・・・どうすればいいんだろう・・・」

そうこう考えている内に、リーフ王子とナンナの結婚式が行われるレンスター城へ到着したマリータ。

実父の故郷であるイザークへと向かい剣士としての修行を続けるのか。それとも恋人と共にアグストリアへ向かい、彼らの祖国解放を手伝うのか。

彼女への選択は刻一刻と迫ってきていた。

第1話・完
第2話へと続く・・・


<第2話・決断>

そして、リーフとナンナの結婚式と、新トラキア王国の即位式の日がやってきた。

レンスターの街は、新しい国王と王妃の姿を見ようと、多くの人たちが集まっていた。その中には「聖戦」で戦った仲間たちも来ていて、リーフたちの登場を待つ。

やがて城のバルコニーから「新トラキア王国」の国王に即位したリーフと、王妃となったナンナが姿を現すと、城内は大きな歓声に包まれた。リーフは大きな歓声に驚いてはいたものの、すぐに表情を引き締めると「新トラキア王国」の建国を高らかに宣誓し、そしてナンナとの結婚も宣言した。

「リーフ国王陛下ばんざ~い、ナンナ王妃陛下ばんざ~い!!」

高まる歓声に、リーフが手をあげると人々の興奮は最高潮に達した。リーフの隣にいるナンナもはにかむような笑顔で、人々の歓声に応ると、やがて2人は仲良く手を繋いでバルコニーから退いていった。

すべての儀式が終わり、2人の結婚を羨ましそうに見ていたマリータは、城内に入ると別室にいるリーフとナンナの元を訪れた。

「おめでとうございます、リーフ様、ナンナ!!」

「マリータ!!来てくれたのね、ありがとう!!」

「ナンナ、ウエディングドレスすごく綺麗だったわ」

「ありがとう、マリータ」

にこやかに笑う2人をみて、リーフは少し複雑な表情を見せる。

「なにを怒っているのですか、リーフ様」

「べ、別になにも怒ってはいないよ」

「顔に出てますよ、リーフ様。ナンナとの過ごす時を邪魔されたって♪」

「なっ・・・!!」

マリータの指摘にリーフの顔はもちろんのこと、一緒にいたナンナも真っ赤に染まる。先に来ていたアレスやデルムッドたちなど、共に戦った仲間たちからも、たちまち笑い声が上がる。

そして皆が談笑を楽しんでいるころ、デルムッドがマリータに駆け寄った。

「マリータ、ちょっと2人きりで話さないか?」

「デルムッド?」

「ここじゃ目立つからね。いいだろう?」

「ええ・・・わかったわ、デルムッド」

リーフたちのいる部屋を離れ、2人は別の部屋に入った。

部屋には入ったものの、2人きりということもあってか、なかなか話すきっかけが見つからなかった。
が、やがて意を決したのかマリータの方から語りはじめる。

「私・・・イザークへ行こうと思うの」

「マリータ・・・」

「本当はね、デルムッドと一緒にアグストリアに行きたい。でも、デルムッドやリーフ様たちと一緒に戦って、まだまだ私は剣士として未熟だなってわかったの」

「そんなことは・・・」決してない。と、デルムッドは続けようとしたが、マリータは首をふるふると振る。

「それに、父様と母様の故郷をこの目で見てみたいのもあったから」

「マリータ・・・」

「ごめんね、デルムッド・・・本当はあなたと一緒に、アグストリアにいきたかった。でも、自分自身が許せなかったの。どのような形であれ、エーヴェル母様に剣を向けたことだけは事実。だから強くなりたい・・・剣の腕だけじゃなく、精神面でも・・・心身を強くしてから、デルムッドに会いに行こうと思うの」

マリータの言葉をじっと聞き入っていたデルムッド。やがてマリータにそっと近づくと、優しく彼女を抱き締める。

「デ、デルムッド!?」突然のことにマリータは戸惑いを隠せない。

「君の決意はよくわかった。だから、これだけは言わせてくれ」

「なに?」

「アグストリアに平和が戻ったら、必ず君を迎えに行く。だから、待っててくれ」

「・・・うん・・・あなたに、ヘズルとオードのご加護がありますように・・・」

「マリータ、愛している」

「私もよ、デルムッド・・・」

そう言うとデルムッドはマリータの体を強く抱き締めると、マリータも腕を回してぎゅっと抱き締める。お互いの温もりを確かめあうかのように。

こうしてレンスターの夜はふけていった。

第2話・完
第3話へと続く・・・


<第3話・いざ、イザークへ>

レンスターでデルムッドとマリータがそれぞれの道に別れてから、4年がたった。

アグストリアでは長かった、祖国統一の戦い<アグストリア統一戦争>がようやく終結の時を迎えた。ヘズルの血を濃くひく「魔剣ミストルティン」の正当なる継承者で、「獅子王エルトシャン」の息子アレスが、新しいアグスティ王国の国王に即位し、アレスの恋人であるグランベル王国・エッダ家のリーンを王妃に迎えたのである。

人々は「獅子王」の再来だと、熱狂のもとアレスを暖かく出迎えた。

アレスはアグスティ王国の復興と同時に、彼の生まれ故郷であるノディオン王国の復興をも宣言した。

そしてアレスは、従兄弟であるデルムッドを、ノディオン王国の国王に指名したのである。
デルムッドは戸惑っていたものの、ノディオンの復興は父と叔母でデルムッドとナンナの母であるラケシスの願いなのだから、とアレスに諭されると、デルムッドも了承したのだった。

それから数日後・・・

デルムッドは、アグスティ城にいた。ある決意をアレスに話すためである。

アレス:行くのか、イザークに。

デルムッド:ああ。イザークにいるマリータを迎えにいくよ。

アレス:お前には本当に感謝しているんだ。この4年間、本当ならマリータのもとに行きたかっただろうに、このような戦いに巻き込んでしまって、辛い思いをさせて済まなかった。それとよく俺の片腕として頑張ってくれた、本当に感謝している。

と、アレスが申し訳なさそうに頭を下げる。

デルムッド:仕方ないさ。アグストリアの復興はレンスターにいる父上もだけど、何より母上が望んでいたことだから。それに俺はマリータと約束したんだ。「アグストリアを復興させたら、必ず迎えに行く」ってな。

アレス:イザークといってもけっこう広いんだろう。あてはあるのか?

デルムッド:ああ、この前ソファラ(イザークの北西にある城)にいるスカサハから手紙をもらって、マリータはティルナノグにいるって。

アレス:ティルナノグか・・・お前にとっても懐かしいんじゃないのか?

デルムッド:物心がついた時には、シャナン様、セリス様、レスター、ラナ、スカサハ、ラクチェとずっと一緒だったからな。あそこにはエーディン様やオイフェ様もいたから、本当になつかしいよ。

アレス:そうか・・・じゃ、約束してくれ。

デルムッド:なんだ?

アレス:必ず、マリータを連れてここへ戻ってこい。ここはお前の家でもあるんだし、俺にとってもお前は大切な家族だ。そのままノディオンに戻るなんてことをしたら、絶対に許さないからな!

デルムッド:ああ、わかってるさ。必ずマリータを連れて、アグスティに戻るから!!

翌日、デルムッドは旅の支度を整えると、アグスティ城を出た。ここからグランベルに渡りフリージ城、バーハラ城、ヴェルトマー城と東へ進み、イード砂漠のフィノーラ城、シレジア領であるリューベック城を経由して、イザークへと向かうルートとなっている。

デルムッド:マリータ・・・待ってろよ。もうすぐ・・・もうすぐだからな!!

デルムッドははやる気持ちを抑えつつ、イザークへと向かう。

この時、デルムッドにとんでもないことが起こっていたことなど、彼はまだ知る由もなかった。

第3話・完
第4話へと続く・・・

<第4話・待つものと待たされるもの>

デルムッドがイザークへ向かっているころ、マリータはイザーク北部にあるティルナノグにいた。
剣の修行を兼ねてこの地へ来ていた彼女であったが、ある事情により、今ではこの町にある孤児院で、戦争で親を亡くした子供たちの面倒を見ていたのである。

ある日、昼食を終えて後かたづけをしていた時、孤児院に来客がやってきた。

ヴェル:マリータお姉ちゃん、お客さんだよ~

マリータ:は~い、ちょっと待ってね。今すぐに行くわ。

片付けを急いで済ませ、マリータがあわてて玄関へ向かうと、そこにいたのはかつてともに「聖戦」を戦い抜いた仲間だった。

ラクチェ:やっほ~、マリータっ!!

マリータ:ラクチェ!!久しぶりね、どうしたの?

ラクチェ:ティルナノグの様子を見にきたついで、こっちにも来る用事があったからね。いいニュースがあるんだから♪

マリータ:立ち話もなんだから中に入って、すぐにお茶を出すから。

ラクチェ:ええ、そうさせてもらうわ。

やがて、ラクチェとマリータは、紅茶を飲みながら聖戦での思い出話に花を咲かせていた。するとラクチェが、話を切り出した。

マリータ:で、なんなの。いいニュースって?

ラクチェ:ふふ、実はね、アグストリアでの解放戦争が無事に終わったの!!

マリータ:・・・っ!!

ドクン・・・

マリータは信じられないといった様子で、ラクチェの顔をみた。するとラクチェはにっこりと微笑んだまま、マリータの肩をぽん、と叩く。

ラクチェ:行くんでしょ、アグストリアに。デルムッドが待ってるもんね♪

マリータ:ちょ、ちょっとラクチェったら・・・

アグストリアにいる恋人の名を出され、かぁっ、と顔を真っ赤にするマリータ。
レンスターでデルムッドとお互いの道を進むために別れてから、もう4年が過ぎていた。今すぐにでも会いたい、と思っているうちに時はあっという間に過ぎていった。

ラクチェ:待たされたからね。早くデルムッドに会いたいんじゃないの?

マリータ:もちろんすぐにでも会いたいわよ。でも・・・私がいなくなったら、この子たちはどうなるの?やっと、懐いてくれたのに、子供たちを裏切るんじゃないかって、心配でならないの・・・

ラクチェ:そのことだけどね。今度イザークに王立の孤児院が出来ることになったの。もちろんここの子供たちも一緒にね。

マリータ:王立の・・・

ラクチェ:だからねマリータ。この子たちのことは心配しなくて大丈夫。それにスカサハとユリアが一緒に面倒みてくれるから、ほら、スカサハって子供に人気があるでしょう。それにユリアも子供たちには懐いてくれてるし・・・ね?

マリータ:ラクチェ・・・っ!!

ラクチェ:ほらほら、子供たちがみている前で泣いちゃだめじゃない。もうすぐデルムッドもやってくるんだし!!

マリータ:え?それ、本当なの!?

ラクチェ:シャナン様から連絡があって、今、リボー城まで来てるっていってたわ。ひょっとしたら明日までには着くんじゃないかしら。

マリータ:ど、ど、どうしよう・・・!!そ、そんなこと急に言われたって、私にも心の準備があるんだし・・・

ラクチェ:慌てたってしょうがないでしょう。せっかく4年ぶりに会えるんだしさ、思いっきり抱き締めちゃえば?(^^)

マリータ:そ、そんな恥ずかしいこと出来るわけないでしょう!!子供たちが見ている前で、そんなこと・・・

ラクチェ:いや、多分デルムッドの顔を見たら、真っ先に彼の胸に飛び込んで行きそうな気がするな~(^^)

マリータ:ラ~ク~チェ~~~!!

ラクチェ:あはは♪それに、デルムッドには見せてあげたいものがあるんでしょう?デルムッドきっと驚くだろうな~

マリータ:ええ、間違いなく驚くと思うわ♪

そう言うとお互い顔を見合わて笑いあった。

そして、デルムッドとマリータの再会の日が、ついにやってきたのである・・・

第4話・完
第5話に続く・・・


<第5話・再会>

デルムッド:それにしても、シャナン様は「ティルナノグでマリータがお前に見せたいものがある」って言っていたけど、どういう意味なんだろう・・・

イザーク王となったシャナンから聞かされた言葉に、首を傾げつつもデルムッドを乗せた馬は、順調にティルナノグに向かって進んでいった。
そして、リボー城を出発してから3日、アグスティ城を出発して3週間後、ついにデルムッドは自分のもう一つの故郷であるティルナノグに到着した。
デルムッドは事前にスカサハからマリータがいるという孤児院を聞き出していたので、すぐに見つけることができた。

緊張するなか孤児院に入ると、そこで待ってたのはティルナノグの時からの友人でスカサハの双子の妹ラクチェ、そして・・・4年間待ちこがれていた恋人・マリータであった。

デルムッド:マリータ、迎えにきたよ。

マリータ:デルムッドっ・・・!!

2人は見つめあったあと、ぎゅっ、と抱き締めあった。会えそうでなかなか会えなかった4年間。お互いの存在を確かめるかのように、強く抱き締める。

ラクチェ:もしも~し、私がいるってこと、すっかり忘れちゃってるんじゃないでしょうね?

ラクチェの言葉にあわてて体を離したデルムッドとマリータ。途端にかあぁっ、と顔がまっ赤になる。

ラクチェ:4年間も会えなかったから、気持ちはわかるけど、もう少し場所を考えなさいよね!!孤児院の子供たちがいるというのに、あなたたちったら見せつけちゃって、いかにデルムッドがマリータのことを想っていたか、よくわかったわ♪

デルムッド:ラクチェ、あのなぁ・・・

マリータ:ラ、ラクチェ・・・(><)

クスクスと笑みを浮かべるラクチェに2人はますます顔を真っ赤にさせる。

デルムッド:そういえば、イザーク城でシャナン様が言っていたけど、マリータが俺に見せてあげたいものがあるって聞いていたけど?

ラクチェ:そうそうマリータ、あの子をデルムッドに見せてあげないと。

デルムッド:「あの子」って?ラクチェ、それってどういう意味だよ?

ラクチェ:見ればわかるわよ。マリータ、早く連れてきてあげてよ。

マリータ:う、うん・・・

マリータは少々戸惑っていたが部屋の奥へと姿を消す。やがてマリータが黒髪の小さな男の子を連れて戻ってきた。

デルムッド:マリータ、この子は?

マリータ:えっと・・・その・・・

マリータは顔を真っ赤にしながらも、そっとデルムッドのそばに近づくと、耳元でささやいた。

マリータ:実はね・・・この子の背中には「オード」の、左腕には「ヘズル」の聖痕が出ているの・・・

デルムッド:ええっ、聖痕!?しかも、オードとヘズルってことは・・・ま、まさか・・・

コクンとマリータは頷く。つまり・・・

デルムッド:お、俺とマリータの・・・子供!!?

信じられないといった表情で、デルムッドはまじまじと自分の息子をみた。髪の色こそ違うが、表情は幼いころのデルムッドにそっくりである。

マリータ:名前は、チュラっていうの。抱いてあげて・・・

デルムッドはマリータから息子を受け取ると、ぎゅっと抱いてみた。ふわりとやわらかな髪の感触に、デルムッドは優しい笑顔を見せる。

デルムッド:チュラっていうのか・・・俺は、その・・・お前の父親だ。よろしくな。

照れながら答えると、チュラの方もはじめはキョトンとしていたものの、やがて嬉しそうにうなずくと、デルムッドの首にきゅっと抱きつく。やがて、安心したかのように眠りにつく。

ラクチェ:くすっ、すっかりチュラ君はお父さんに懐いたみたい。よかったわね、マリータ。

マリータ:ええ、本当に嬉しそうに眠ってるわ・・・

デルムッド:まさか俺が父親になってるなんてなぁ・・・はぁ~~アグスティに帰ったら、アレスやリーンに何て言われるんだろう・・・頭が痛い・・・

息子の寝顔にほっとしながらもデルムッドのぼやきに、ラクチェとマリータはお互いを見回すと、クスクスと笑いあった。


第5話・完
第6話に続く・・・


パート1はここまで!!第6話以降はパート2に続くよ~(リーフ館長)


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