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2012.02.09 楽天プロフィール Add to Google XML

メガバンク、国債暴落に備える対策策定、15年には長期国債利回り3.5%の破局か
[ 経済 ]    

kawanobu日記/メガバンク、国債暴落に備える対策策定、15年には長期国債利回り3.5%の破局か;ジャンル=経済 画像1

 日本国債の最大の保有者のメガ銀行が、国債価格の暴落に備える危機管理計画を策定しているという。いささか古いが2月2日の朝日新聞朝刊1面トップで報じられた
 急落シナリオに沿った危機管理計画を策定しているのは、三菱UFJ銀行である。昨年末に、初めて作ったという。

◎三菱UFJ銀行が国債急落に備え
 これまで「狼少年」のように国債暴落の危機が指摘されながら、常に悲観シナリオは外れ、現在も10年物長期国債で利回り0.9%台を保っている。よく言われるように製造業はもとより小売りや飲食業も含めて、国内有力企業は海外脱出していて、資金ニーズはないから、国内金融機関は集まった預金の貸出先に難渋している。
 有力な貸出先が個人である住宅ローンで、最近では巨艦店舗を構えて固定費負担の大きいメガバンクまで、0.8%台の変動金利住宅ローンを売り出し始めているほど貸出先に困っている。貸出需要がないのは、預貸率が60%台に低迷していることからも明らかだ。
 そのため運用先として、安全資産とされる日本国債が買われるのである。昨年末現在の国内銀行の国債保有額は163兆円と、1年間で11%も増加している。
 しかし、それがいつまでも続くはずはない。すでに国際収支では貿易赤字が定着化する傾向が見え始めている。銀行・生保という国内金融機関の国債買いの原資である国内貯蓄は枯れ始めようとしているのだ。
 だから考えてみれば、メガバンクが国債急落対策を立て始めているというのは、遅すぎるくらいだ。

◎15年中に国債急落、と三菱UFJは想定
 三菱UFJ銀行の昨年末にまとめた対策は、経済成長率、経常収支、為替など30の指標をチェックし、国債価格の急落につながる変化があれば、保有国債を売却するというものだ。
 それらの指標でも、同銀行が最重視するのは国際収支の経常収支部分で、今のところ巨額な所得収支で貿易赤字を埋め合わせているが、貿易赤字の拡大と所得収支の目減りで、2016年にも経常収支は赤字に転落する、と同銀行は予測している。
 もう1つ、バラマキスト民主党政権は、15年10月に消費税を10%にする法案を今国会に提出しようとしているが、10%に引き上げてもバラマキ福祉に湯水のように使われてしまうので、財政赤字は減らないと見られる。
 マーケットは常に半年から1年先を先取りして動くので、16年を待たずに15年中にも長期国債金利は3.5%に急騰(国債価格は急落)する、と同銀行は見ているようだ。

◎いざとなれば三菱UFJは長期国債3兆円を売却
 その場合、長期国債をできるだけ売却し、低利回りの期間1年以内の短期国債に買い換えるという。同銀行が売却する長期国債は、3兆円ほどに達する。
 さて、そうなると他行はどうするか。横並び意識がひときわ強いサラリーマン国内機関投資家は、ババをつかむまいといっせいに国債売りに回るだろう。
 ちなみに昨年9月末現在の日本国債(748兆円)保有者の内訳を見ると、銀行など38.0%、生損保や年金基金24.6%、公的年金や自治体9.7%、投資信託・ノンバンク5.6%である。つまり国債の4分の3は、横並びのサラリーマン機関投資家が持っているのだ。国債の需給関係が、恐ろしいほどの底の浅いことが分かる。急落に際して買い向かってくれるだろう個人は、たった3.9%なのだ。

◎マーケットの7割は消費税増税は実現しないと推測
 さて前述したように三菱UFJ銀行は、15年10月にも消費税10%増税を予測しているようだが、この想定は正しいだろうか?
 どうやら機関投資家は、消費税の10%増税も怪しんでいるらしい。それを端的に表しているのが、消費者物価に連動して元本が変わる「物価連動国債」の流通利回りだ。
 消費税増税されると消費者物価に、ある程度増税分が転嫁されるから、物価連動国債に物価見通しが織り込まれるはずだ。16年以降に償還を迎える物価連動国債の値動きで弾き出される物価見通しは、直近3カ月で0.2~0.3%上昇なのに、第1次消費税上げの予定される14年と第2次消費税上げとなる15年はたった0.1%の上昇しか見通していないというのだ。
 第1次消費税増税時期の14年4月には3%増税される「はずだ」。すると15年償還の物価連動国債の物価見通しはもっと上昇してよいはずだ。それが、たった0.1%なのだ。
 つまりマーケットは、野田ドジョウ政権の注力する消費税増税は7割方実現しない、と見ているのだそうだ。

◎利回り3.5%は日本のギリシャ化、ポルトガル化
 となると、三菱UFJ銀行の描いたシナリオも絵に描いた餅だ。
 リブパブリは、早ければ再来年の14年にも国債価格の急落が始まる、と見る。仮に現在の0.9%台から3.5%に利回りが上昇すると、財務省は償還に備えて借換債を新規発行しなければならない。それには借換債も、利率を3.5%にしないと買い手がつかない、ということになる。
 この時の利払いに必要な国債費は、今よりも年間で20数兆円も膨らむと計算されている。元本ではなく、利払い費用だけで、これだけの巨額を新たに予算手当てしなければならないのだ。消費税を10%にして、引き上げ額全額を利払いに回しても、とうてい足りない。
 つまり三菱UFJ銀行の想定する国債利回り3.5%というのは、日本のギリシャ化、ポルトガル化に他ならないのだ。
 国債価格の急落、すなわち利回りの急騰がいかに恐ろしいか、分かるだろう。

◎先物市場に上場されているバーチャル債券の利率は6%!!
 そしてさらに言えば、3.5%の利回りは決して非現実的な数字ではない。例えば国債先物市場で、基準になっているバーチャルな10年物債券の利率は6%となっている。これは債券先物市場が創設された時、この利率が当たり前だったからだ。
 したがってこのバーチャル債券の価格は、100円に対して142円近辺になっている。債券バブルと呼ばれる所以だが、逆に言えば長期国債利回りが6%にまで上がってもおかしくない。
 そうなれば、日本の財政は確実に破綻である。
 ちなみにマーケットがパニックになって暴走した時、いかに恐ろしいかは、ヨーロッパの例の他に、わが日本にも過去に例がある。いささか古いが、1987年に起こった「タテホ・ショック」による国債暴落劇である(10年7月23日付日記「財政悪化で債券暴落→IMF管理国家化は杞憂か:タテホ・ショック、債券先物市場」を参照)。

◎ちょっとしたきっかけが市場に雪崩を起こす
 タテホ化学工業(写真)という年売上高わずか200億円程度の中堅企業が、財テクによる債券投資の失敗で、200億円もの損害を出したことが明るみに出たことで、狼狽した機関投資家は債券市場でいっせいに債券売りに走り、数カ月で長期国債利回りが3%前後も急騰したのだ。
 この時、日本経済はバブルに向かう絶好調時で、財政赤字は全く問題にするほどでなかったので、ほどなく国債利回りは通常レベルに戻った。
 しかし国家の借金が220%にもなろうとして、市場が常に国債暴落の懸念を感じている時に、タテホ・ショックのようなパニックに陥れば、もう収拾はつかないだろう。

◎経常収支黒字も直接投資の流出で危うい
 時あたかも、日本国債を長年ファイナンスしてくれていた貿易収支が、ついに昨年、31年ぶりに赤字に転じた。巨額の所得収支の黒字のおかげで、まだ経常収支は9.6兆円の黒字である。
 ところが超円高のせいで製造業のみならず小売業にまで広がった海外投資の積み上げで、直接投資収支は9.3兆円の赤字だ。もうほとんどイーブンである。
 経常収支の膨大な黒字で、国内金融機関は国債を買っていた。これが、間もなく当てにならなくなるのだ。そのせいか、昨年9月末現在の外国人投資家の国債保有割合は8.2%にも増えた。長年、5%近辺に留まっていたから、ギリシャのようには売り込まれない、と見られていたが、今後とも外国人の国債保有割合は増えていくだろうから、こちらも安心できなくなっている。
 つまり1日も早くバラマキスト民主党政権を打倒し、バラマキ廃止はもちろんのこと、社会保障費も含めた厳しい緊縮財政と規制緩和による成長戦略に軸足を移さない限り、消費税増税しても焼け石に水なのである。

昨年の今日の日記:「冬の珍味のフグ、さてなぜシラコのみ食用なのか」



Last updated  2012.02.10 04:39:59


ハエのような世界最小の超小型カエル、パプアニューギニアの熱帯雨林で発見、なぜ?
[ 生物学 ]    

kawanobu日記/ハエのような世界最小の超小型カエル、パプアニューギニアの熱帯雨林で発見、なぜ?;ジャンル=進化生物学、生態学 画像1

 

kawanobu日記/ハエのような世界最小の超小型カエル、パプアニューギニアの熱帯雨林で発見、なぜ?;ジャンル=進化生物学、生態学 画像2


 熱帯雨林は未発見の生物の宝庫、と言われている。1本の大木を隅から隅まで探すと、たいてい新種の昆虫が大量に見つかる。どれだけ生物種がいるのか、誰にも分からない。

◎体長わずか7.7ミリ、10セント硬貨に楽に載る小ささ
 そのため地球上の生物の種数も、はっきりしない。数百万種と言われているのは、名前を付けられたものだけで、最大限に見積もる人は1億種とも指摘する。
 熱帯雨林の農地化と工業化で多数の生物が絶滅しているが、地球上はまだまだ多様性に満ちている。今回、その中に加わった両生類新種は、「世界最小の脊椎動物」の栄冠を受けた。
 その世界最小のカエルは、今年1月11日付のオンライン科学誌『PLoS ONE』誌に、アメリカ、ルイジアナ州立大学などの研究チームが発表した。発見地は、パプアニューギニア南部の熱帯雨林の中である。
 その新種カエル(Paedophryne amauensis、ペドフリネ・アマエンシス)は、実際、驚くほど小さい。体長わずか7.7ミリ(写真上=小さな10セント硬貨の上に載る新種)だ。

◎「最小脊椎動物は水棲」説を覆す発見
 報告者の1人の同大のクリストファー・オースティン准教授によると、ハエのように小さいそのカエルは、皮膚の模様も土のような色をしているため、肉眼でとらえることも難しかったという。現地スタッフとともに、堆く積もった雨林内の木の葉に顔をくっつけるようにして探し、ようやく見つけた個体は素手で採取した。
 カエルを撮影するのも難しく、同准教授が撮影しようとカメラを目の前に構えた時、被写体がすでに逃げてしまった後ということも再三だった。小さくて軽いからなのか、ジャンプ力は驚くべきもので、自分の体長の30倍の距離を跳べる。となると、接写しようと近づけばあっという間に視界から外れてしまうということになる。よくぞ対照物の10セントコインの上に載せられたものだ。
 ちなみにこれまでに確認されていた最小の脊椎生物は、成体メスの体長が7.9ミリの東南アジアに生息する魚類(Paedocypris progenetica、ペドシプリス・プロゲネティカ)だった。以前から、脊椎生物の最小種は、世界最大種(シロナガスクジラ)ととも水棲だとの説が示唆されていたが、今回の発見でその説は覆されたわけだ。最小種が水棲だと信じられていた理由は、後述する。

◎熱帯雨林にはミニ脊椎動物のニッチェあり
 こんなハエのように小さいカエルがなぜ熱帯雨林に生息していたのだろうか?
 いや、むしろ熱帯雨林だから生息できたと考えるべきだろう。小さいので、雨林に堆積した湿った木の葉の下という絶好の隠れ場がある。これがサバンナだったら、あっという間に干物になり、また捕食者に喰われてしまう。自然淘汰の前に、1世代で種の寿命は終わりだろう。
 しかも食物にも事欠かない。大型の捕食者に見過ごされるダニなどの小型の無脊椎動物は熱帯雨林に豊富だからだ。
 熱帯雨林の木の葉の中というニッチェがあるので、小型化への淘汰圧が働き、限度いっぱい小型化したことになる。そのためか単純な骨格を持ち、孵化した時からオタマジャクシではなくカエルの姿をしているという。湿気はあっても水がないから、オタマジャクシ段階を失うように進化したわけだ。

◎超小型種が続々と発見
 そうした生息地が特殊な環境でないことは、パプアニューギニアの熱帯雨林内で、相次いで超小型カエルが見つかっていることからも明らかである。例えば同チームはペドフリネ・アマエンシスの他に、もう1種の極小カエルの新種、ペドシプリス・スウィフトルム(Paedophryne swiftorum)も発見しているからだ。こちらも体長約8.6ミリと、やはり10セント硬貨に載る。
 今回の発見で推定されるのは、地球上には他にも、まだ見つかっていない小型カエルが存在し、落ち葉の上を跳びはねているのだろうという可能性だ。
 実際、ハワイ、ビショップ博物館に所属する脊椎動物学者のフレッド・クラウス博士らのグループも、2011年、パプアニューギニア南東部の別の熱帯雨林で、体長10ミリに満たない超小型カエル2種を見つけている。
 学名をペドシプリス・デコト(Paedophryne dekot写真下)、ペドシプリス・ヴェルルコサ(Paedophryne verrucosa)とそれぞれ命名されたカエルだが、前者の体長はおよそ8.5~9ミリ、後者の体長は平均で8.8~9.3ミリと、やはり超小型だ。ちなみに「デコト」という種小名は、現地語で「とても小さい」という意味だそうだが、ペドシプリス・アマエンシスの発見で、お株を奪われてしまった。

◎脊椎動物のサイズの下限と上限
 さて、それではなぜこんな超小型カエルがパプアニューギニアの熱帯雨林にかくも多数種、生息しているのだろうか。超小型の方が居心地がよいから適応放散した、としか考えられない。
 さらに考察を進める前に、脊椎動物サイズの上限と下限を考えてみよう。
 脊椎動物には、体重を脊椎や脚骨で支えるためにサイズに上限がある(ないのは、重力の影響を受けない海棲のクジラくらいのものだ)。陸上でゴジラのような超大型動物は、支える脚の骨の素材がリン酸カルシウムである限り、どのように強度を高め、また太くしても、支えきれる限界がある。逆に骨を強化しすぎると、その分、関節に負担がかかって、つまりは自重で崩れ落ちてしまうのだ。

◎小型化にも限度があったはずだが
 しかし同時に下限もある。複雑な体制を支える代謝に活発な熱エネルギー産生が必要だが、それには大量の食物が必要だ。
 ただ代謝を抑えて節約するという戦略を採っているのが、両生類や爬虫類などの変温動物だ。それで、周囲の気温が低くなると、休眠したり、ほとんど動かなくなる。夜間の低温時には極端に代謝を落とせる爬虫類などは、同一サイズなら恒温動物である哺乳類の10分の1しか代謝エネルギーを消費しないといわれる。見つかったのが、超小型カエルだったのも、カエルが変温動物だからだ。
 また変温動物、恒温動物にも共通するが、食物の少ない環境では小型化する(ネズミ以上の脊椎動物は逆に大型化することもある)。それも、代謝エネルギーの節約のためだ。
 ただし小型化にも、大型化同様に限度がある。あまり小さくすると、体重に比べて体表面積が極端に大きくなって熱を失いやすいのだ。だから寒い土地には、小型脊椎動物はいない。同一種でも、寒冷地に行けば行くほど、サイズを大型化して、相対的体表面積を小さくしようとしている。生物学で言う「ベルクマンの法則」である。それに反する動物は、淘汰されて生き残れない。

◎さらに未知の超小型カエルの可能性も
 カエルは前記のように変温動物だが、それでも小型化には限度がある。小さくなると、熱を失いやすいから、小型化に歯止めがかかる。温帯にあまり小さなカエルがいないのは、それが理由だ。
 しかし今回のパプアニューギニアのような熱帯雨林の中では、その歯止めは緩和される。
 暑いので、熱を失いにくい。むしろ活動時に過熱し過ぎるのを防ぐには、相対的体表面積はできるだけ大きく、すなわち小型化した方が適応的だ。
 また水棲か準水棲だと、周囲の温度変化がマイルドなので、小型化しても熱を失いにくい。前記のように脊椎動物の世界最小種が水棲だと考えられたのは、そうした理由がある。
 超小型カエルのペドシプリス属がいずれも高湿度の熱帯雨林に暮らしていたのも、うなずけるし、逆に研究者らが予測するように、まだまだ未知の超小型カエルが隠れていると考えられるのである。
 研究者たちによる熱帯雨林の落ち葉の探索は、これからも続く。

昨年の今日の日記:「出版物も超氷河期を裏付けた販売金額・点数減、ローカル言語の日本語を扱う悲劇」

Last updated  2012.02.09 05:42:33

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