●作品データ
2005年、ギャガGシネマ配給
監督、脚本、脚色:
リュック・ジャケ
製作:
イヴ・ダロンドー
クリストフ・リウド
エメニュエル・プリウ
脚色:
ミッシェル・フェスラー
撮影:
ローラン・シャレー
ジェローム・メゾン
キャスト(CV):
夫>シャルル・ベルリング
妻>ロマーヌ・ボーランジェ
息子>ジュール・シトリュック
●感想ほか
とあるペンギンのつがいを中心に、彼らの視点から皇帝ペンギンの繁殖と子育てを、物語チックに追うドキュメンタリー。
動物を擬人化して台詞を喋らせる、あざと臭いファミリー映画や動物バラエティーの如き趣向だが、それらにありがちなイタさは全く感じない。吹き替えも悪くないが、できれば字幕でフランス声優陣の絶妙な演技を御一聴いただきたい。
内容に関しては、厳寒の南極を舞台に過酷な子育てを繰り広げるペンギンたちの姿が、抑制の効いた演出と、これまた抑制の効いた声優陣のモノローグによって淡々と描かれる。抑制が効きすぎて、人によっては視聴中に眠くなってしまうかも知れないので要注意。とはいえ、ドキュメンタリーに過剰演出は不要と考える自分の如き人間には、お涙頂戴一切なしの、このストイックな美意識は好感度大だった。
圧巻なのはやはり、驚くほどカラフルな「白」の世界と、繁殖地に向かうペンギンの大行進。広大な氷雪の地を延々と突き進む黒の群れは、それだけでも一見に値する。
そして一般に広くは知られざる、外敵を避けるためにこの種が選んだ、人間の目にはあまりに厳しくシビアな子育ての風景もまた、突き放した映像の中、却って胸に迫る。
「泣ける」感動動物映画をお探しの方、ペンギンの姿にひたすら「かわいーvvv」と萌え転がりたい向きには、正直オススメできない。しかし個人的に、これは紛れもなく最高のドキュメンタリーであり、また種の存続を描く良質のドラマだ。また今まであまり流れなかった、彼らの生態についてのレアな映像もあり、興味のある人には資料的価値も高い。
ひとつだけ苦言を提させて貰えるなら、主役のつがいの繁殖シーン、そこだけエロくもといえらく演出がフランス映画なんですが!(滝汗)。夫婦の情愛はいいが、ぶっちゃけそのシーンのお陰でこの映画、「ご家族でどうぞ」とは激しく言いづらい(^_^;)。
蛇足ながら個人的に最も感動したのは、ラストで語られるとある事実。皇帝ペンギンは心から敬愛に値する生物だ、いやマジで。
◇新品DVD◇02P25Jun09 皇帝ペンギン プレミアム・エディション 【送料無料】
【新品】洋画DVD 皇帝ペンギン プレミアムエディション(2枚組)