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カテゴリ:ひとりごと
夢うつつの中で何度も余震に反応していたが、そのうちどうでも良くなる。 朝、目が覚めた瞬間はいつもの朝と同じ気がした。 が、1秒後、現実を思い出す。 枕元の時計を見ればもう昼過ぎ。 市からのお知らせメールが山ほど着信している。 避難場所の事、給水場所の事、ガスが停止している地区、下水道制限地区、電車の運行状況、チェーンメールへの注意、等々。 まずは家族で部屋の状況を把握。 何が駄目で何が無事か。 とりあえず割れたガラスのカケラを拾い、足の踏み場を確保し、必要最低限の生活物資を散乱した荷物の山から発掘。 それからライフラインと食料の確認。 電気は生きてる。 ガスも大丈夫らしい。 水道はやはり駄目。 下水道は制限地区じゃないけど調査中らしい。 カップラーメンは2個しかない。 なかなか美味なマジックライスは在庫豊富。 食パン数枚。 あとは冷凍パスタ2つに乾麺のパスタ沢山、乾麺のうどん沢山。 チョコ菓子数個。 ミネラルウォーターの備蓄は10本程度。 これだけあれば何とかなるか…って、いつまで何とかすれば良いんだか分からないけど。 お風呂の残り湯で顔を洗い、ミネラルウォーターを沸かして粉末スープと粉末ミルクティーを溶かし、パンをトーストして簡単に食事。 食器棚の中身は外に飛び出しはしてなかったが、中で砕け散っていて、片付けには少し時間がかかりそうなのでひとまず封印。 戸棚の奥に放り込んであった何かの景品だった食器を引っ張り出して使用。 昨日、朝食で使用した食器を洗わないまま出かけてしまい、洗い場にたまったままなのが悔やまれる。 その上に更に色んなモノが落ちてきてカオス化しているのも、仕方ない、この際放置。 次に、今まで大手スーパー等で使用していたウォーターボトルを手に、人生初の給水に向かう。 市からのお知らせメールによれば全ての小中学校で給水を行っているとの事。 が、最寄りの小学校に行ってみると、もうなくなってしまったので市役所に行けと言われる。 仕方ないので更に15分歩いて高速を越えて市役所へ。 入り口には係員が立っていて、給水は各階の給湯室の蛇口を使え、と言われる。 良く分からないまま中に入ると、何の事はない。 市役所のある元町地区は上下水道は普通に使えるから、困っている市民の皆さんに蛇口を開放してるよ、という事だった。 人気の殆んどない、薄暗い市役所の給湯室は思いのほか空いていて、給水、というより、よそのお宅の水道口からコソコソ水を汲んでいるような気分にだった。 トイレもご自由にどうぞ、と言われたので入っておく。 まだ1日しか経っていないのに、早くも水が使えない不自由さに心細くなってくる。 市役所前にあるコンビニに寄ってみる。 お握りや菓子パンやカップラーメン等の棚は空っぽだった。 が(!) 肉まんケースには数個の肉まんが残っていた。 思わず購入。 そのホカホカの温もりを抱きしめつつ、ボトルを背負って帰宅。 市役所までの道のりの途中、一戸建ての住宅街を通り過ぎる。 その地区では、家の周りで液状化して噴出した泥土を住民総出で掻き出していた。 泥土の量は半端なく、どこの家の前にも山のように土砂が積み上げられていた。 何軒かでは水が吹き出しているのをバケツで汲み上げている。 我が家のマンションの敷地内にも負けないくらいの泥土が噴出していたが、コチラは既に重機が入ってジャンジャン掻き出していた。 バイクや自転車の車輪が半分も埋まるほどの大量の泥土。 建物と地面との間に出来た大きな段差を見ると、これだけ地中から土が出りゃ、そりゃその分沈下するわな、と妙に納得。 自分の思考力がだんだん停止していくのを感じる。 今、ここで私が何か思い悩んだって、誰の何の役にも立たない。 帰宅後は食卓周りを少し片付けて、今の時点で可能な限りの贅沢な夕食を考えた。 秘蔵の冷凍パスタ、とっときの四川の冷凍焼売、マジックライスの五目ご飯、フリーズドライの本格派中華スープ。 それに缶ビールとハーブ酒もサービスしちゃおう。 何をした訳じゃないのに何だかヘトヘトになった、震災後2日目、無事に終了。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.04.23 18:59:26
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