【特集:郷土料理のそば】の第29回目は、
鹿児島県の『薩摩そば』。
意外にも鹿児島県はそばの産地であり、平成25年は収穫量が1,290tで全国第7位(平成3年から平成7年まで北海道に次ぎ全国第2位)だったりする。
ただ、農林水産省選定「
郷土料理百選」にはそば料理は入っていないのだが、結構特徴的なので私のブログでは「郷土料理のそば」として扱うことにする。
『薩摩そば』の特徴は、つなぎに自然薯を使うのが一般的で、昔ながらのものは太めで平たく短い色の黒い田舎そばが多いのだそうで、薩摩揚げが載るようだ。うどんダシのような薄い色のつゆは甘めだという。
あるいは、
こちらのブログから引用させていただくと、
”薩摩そばは、挽きぐるみ(殻ごと挽くこと)で、つなぎには自然薯を使い、打ち方が独特です。まず、自然薯をすりおろし、水を適量加えて(自然薯だけではねばりが強すぎて使いずらい)のばし、そこに蕎麦粉を入れ混ぜていきます。固さは蕎麦粉の量で調整します。自然薯の出来次第でそばのコシも変わってくると言われています。我々がいつもやっている、粉に水を加えていく打ち方とは正反対です。つゆの出汁は当然、鰹節でとります。何と言っても大量の水揚げを誇る枕崎があるのですから。最近は昆布やしいたけなども使い、けっこう甘口の醤油で味を整えています。”
とのこと。
桜島から南へ延びる大隅半島の中ほどの垂水市にあり、鹿児島で一番古いという老舗の店でいただいてみることにした。
【十五郎そば】 鹿児島県垂水市本町7
紹介記事(にっぽん蕎麦紀行)、
紹介ページ、
紹介ブログ
”約300年前【蕎麦切屋 川井田十五郎】として創業。
店名は、当時の垂水島津家4代目藩主の頃「蕎麦切屋川井田十五郎」の名からもらったもので、現在、7代目の店主は、先代から受け継いだ手法で今もそばを打つ。
毎朝、自然薯を1本ずつおろし金で擦り、ダシに使うカツオも手で丁寧に削る。(ダシはカツオ・アジ・サバ・椎茸など)”
とのこと。
ちょうどお昼時、店内はご近所さんや近隣で働くサラリーマン。平日でもあるし、観光客っぽい人は私くらいかw
お品書き。別に変ったものがあるわけでもない。
弘法大師ゆかりの話が載っている。
上記 紹介ページによれば、
” 垂水教育委員会発行の「垂水史料集、民話、伝説」によると弘法大師とそばという話がある。一人の行脚僧が空腹のあまり中町の貧しい農家にたどり着き一杯の飯をいただけないかと頼んだところ作ったばかりのそばを出してくれた。お礼においしいタレの作り方を教えるのでここの名物にしなさいとといい、旅僧の教えたとうりのタレを作ったので非常においしいと評判になった。垂水名物十五郎そばもこのタレを受けついだものという。”
とのこと。
いただいたのは『ざるそば』\700。
平打ち太麺の田舎そばで、持ち上げるとぷつりと切れやすい。つゆにあらかじめ柑橘類が絞られて入っていて甘酸っぱい。なんか独特のあじわいで、確かに好みじゃないと感じる関東人がわりと多いというのもわかる気がする。
でも、私はわりと気に入ってするするいただいたので『かけそば』も追加してみることにした。
その『かけそば』\600。
おお、やはり薩摩揚げが載っている。薬味の刻みネギに、桜島の小蜜柑の皮を乾燥させ刻んだものが入っているようだ。やはり、そばは千切れやすい。そして、この甘めのつゆ、上述したように関東人には好みが分かれそうだが、私はなんか気に入っちゃったよ
ごちそうさまでした~
【関連ブログ:薩摩ゆかりの店でそば】
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2013年05月09日: 遊食豚彩いちにぃさん日比谷店で『黒豚しゃぶかつそばセット』
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2012年10月17日: 薩摩魚鮮UENO3153店@上野で『黒豚せいろ蒸ししゃぶと蕎麦セット』
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2012年01月06日: さつまそば@東京タワーで『とり辛せいろセット』
※ 鹿児島県のおそば屋さん巡りの履歴はこちら。
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