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ローズダンサーのHP

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吹奏楽物語 H19年度

第1楽章 入部

多分中学校。ここに、1人の男子が入学してきた。
名前は、本庄拓夢。やや自己中な一年生だ。
入学式当日。本庄は友達の菱川英雄と共に中学校に登校してきた。

本庄「いよいよ入学式かぁ・・・・先輩に目を付けられないようにしよう!!」
菱川「まあ・・・・いじめられるタイプだからな。俺ら・・・」

そんなこんなで中学校へ着いた

学年主任「では、みなさん、紙に書いてあるクラスの所に並んでください」
本庄は自分の名前を探した
本庄「拓夢、拓夢・・・・あった!!」

クラスは1年2組。ちなみに菱川も同じクラスになった
本庄「小学校からずっと同じだな・・・・俺ら。」
菱川「これで一緒に登下校できるな!!」
担任の先生は西沢先生という先生だった
西沢T「では、みなさん教室に入って下さい。」
1年2組は三階。階段の上り下りがきつそうだ・・・・・・
全員席に着くと、後ろの席の村山耕平が話しかけてきた
村山「俺は村山耕平。よろしく。ちなみに村耕って呼ばれてる。」
本庄「俺は本庄拓夢。もやしってあだ名があるよ・・・・・・」
なんとか、友達は出来そうな流れだ・・・・
入学からしばらく経ったある日、一枚のポスターが目に飛び込んできた
「吹奏楽部、部員募集中!!、○月○日の放課後に新入生歓迎コンサートを行います!!是非来て下さい!!」
本庄の家族はほとんどが楽器を吹いていること。入りたい部活が特になかったこと。拓夢は妙に興味を覚え、行ってみることにした。
放課後、菱川と共に体育館に向かった。
一音一音が体に響いてくる!!すごい!!本庄は始めて入りたい部活が見つかった。
早速、その日の放課後、菱川と共に吹奏楽部へ体験しに行った
初めは、クラリネットという楽器を吹いてみた。結構音が出たが、そこから進展せず、そこで断念。
なんて楽器は難しいのだろう。と本庄は思った。と、同時にやってやるぜ!!という気持ちが生まれてきた。
次の日の登校中、菱川が昨日の感想を言ってきた
菱川「俺・・・・難しいから辞めるわ・・・・・・」
本庄「ちょっと待て!!吹奏楽部は男子が1人も居ないんだぞ!!」
菱川「俺・・絵を描きたい・・・美術部に入るよ」
本庄「そうか・・・・やっぱりやりたいことをやればいいよな・・・」
本庄の心にゆれが生じた。男子1人でやっていけるだろうか・・・・・
しかし、心配は要らなかった。その日の放課後、再び月期体験に向かうと・・・・

なんと、男子が居た
本庄「あのー・・・吹奏楽部に入るんですか?」
?「うん。そうだけど?」
本庄「あ、私も入るんです。本庄拓夢って言います。皆からはもやしって呼ばれていますが・・・」
?「俺は知多航大。よろしく。」
本庄「こちらこそ!!」
その後、二人で雑談をする。かなりいい人のようだ。
今日はチューバという楽器をやってみる。と、その時!!本庄は何かを感じた。他の楽器をやったときは感じられなかったなにかを・・・
ちなみに知多はサックスを除く楽器を上手に吹きこなしていた。天才肌かもしれない・・・
そして、4月13日。ついに入部した。

第2楽章 楽器決め

入部してしばらくたったある日、顧問の小村先生から、自分の希望楽器を聞かれた。

本庄
第1希望 チューバ
第2希望 パーカッション
第3希望 サックス
第4希望 トロンボーン

知多
第1希望 サックス
第2希望 パーカッション
第3希望 ユーフォニウム
第4希望 トランペット

そして、本庄と知多は楽器決めテストへ向かうのだった・・・・

本庄の場合
サックス まあまあ吹けた
クラリネット そこそこ吹けた
フルート 音が出ずに断念。
ホルン 同じく出ずに断念。
ユーフォニウム そこそこ出た。
トランペット 音階が出来ず断念。
トロンボーン 嘘みたいに上手く吹けた
チューバ そこそこ吹けた
パーカッション グダグダ・・・・リズム感はゼロ。

知多の場合
サックス 上手く吹けていた
クラリネット まったく音が出ず断念
フルート そこそこ吹けた
ホルン 向いていたのか、上手く吹いていた
ユーフォニウム まあまあ吹けた
トランペット 上手く吹いていた。
トロンボーン そこそこ・・・
チューバ 重さに耐えられず断念。
パーカッション リズム感は相当あるみたい・・・・・

だいぶ、知多とも仲良くなり、いつのまにか部活中の話し相手になっていた(まあ、女子ばかりだから無理もない)
そして、いつも通りの放課後、小村先生に呼ばれた。
小村T「拓夢くん。今日、楽器決めをするからちょっと吹いてくれない?」
そして、音楽室に連れてかれた。そこには同じ1年の赤坂桃子がいた。
そして、もう1人の顧問の星野先生と、チューバの尾形彩先輩と、トロンボーンの立石沙紀先輩がいて、どうやら、トロンボーンかチューバかに絞られるようだ。
小村T「桃子ちゃんは音が太いし、拓夢くんは男の子だから肺活量も有ると思うから、どっちがやってもいいんだけど・・・・・」
といい、楽器最終選考テストがスタートした。
まずはチューバ。なかなか上手く吹けた。問題は桃子の方だが・・・
桃子もまけじと吹いていた。しかし、トロンボーンがやけに上手かったので、ほっとした・・・・・
それから、数日後、ついに楽器が決まりました!!
1年生
トランペット
長坂 楓
知多 航大
トロンボーン
赤坂 桃子
白川 冬美
ホルン
安田 志保
熊井 みづほ
ユーフォ
富田 真理
チューバ
本庄 拓夢
フルート
谷口 真亜沙
立川 加奈
サックス
神原 里菜
落合 歩
古山 由紀
クラリネット
石合 里沙
近田 陽菜
三井 美沙
深沢 由紀子
パーカッション
青沼 美里
安藤 宇美
和田 智恵

本庄「やった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!チューバだ!!」
知多「・・・・・・・不本意だな・・・・・・・」
ついに楽器は決まりました。これを期に、二人の関係は更に深まっていくのでした・・・・・

第3楽章 いきなりのコンクール

楽器が決まってから2ヶ月後、いきなりだが、富田真理が辞めた。あっていなかったらしい。一方、本庄はチューバに入ったものの、尾形先輩が泣き出すほど、全然上手くならず、他の1年生に大きく置いてかれる羽目に・・・・
ある日の部活。
小村T「そろそろコンクールメンバーを選出しなければいけません。今年は1年生は12人しか出られません。とりあえず、クラリネット、フルート、サックス、チューバ、ホルン、パーカッション、あと、ピアノを入れようと思っています。人数が複数居るパートは、テストをして上手い人を入れようと思っています。」

この瞬間に、本庄のコンクール出場が決定した。
しかし、その日の部活で・・・・
尾形先輩「拓夢くん。本当は航大くんの方が上手いんだよ。たまたまチューバが人数不足だからコンクールに出られるんだよ。だから、もっと上手く吹けるように練習して!」

当時、まったくコンクールに出られると思っていなかった本庄は驚愕した。また、まだ音階も満足に吹けないような人がコンクールなんかの大舞台に出て良いのか?本庄はそう思った。

また、鉄道に目覚めたのもこの頃だった。
地理の授業で、担当の武藤先生が、
武藤T「世界で一番標高が低いところにある駅は何処でしょう?」
と聞かれたときに、同じクラスのいままで話したこともない石頭健太と、同時に、
「吉岡海底!!」
と、言ったことがきっかけだった。その日の授業後に、本庄は、
本庄「君、まさか電車好き?」
石頭「うん。君も?」
本庄「小学校では孤立して、すっかり鉄オタであること隠していたんだけどね・・・・・」
石頭「俺もだよ!!今度暇あったら語ろうな!!」
今後、石頭とは暇さえあれば、いつも電車のことで語るようになっていくのであった・・・・

さて、一方部活の方だが、あいかわらず、尾形先輩に毎日怒られる羽目になって、1回は部活が嫌になったりした。
しかし、やってやろう!!という気持ちで、精一杯練習ばかりしまくり、ようやく7月後半になってみんなに追い付いた。
しかし、姉2人の「吹奏楽部に入ったら夏休みはないと思え」の名言通り、毎日8時30分~16時30分までの練習が毎日続き、体と精神にかなり来た。
そして、ついにコンクール当日。前日の夜は寝れず、最悪のコンディションだった・・・

そして、学校で音を合わした後、コンクール会場へ行き、その場で出来る最高の演奏をしようと、心がけ、いままで一番上手く出来たと思う。

運命の賞発表会。全員、金賞を願った。だれもが金賞を狙っていた。
会長「○番、多分中学校。銀賞。」
この言葉に全員力なく崩れ落ちた。きっと自分のせいだ。本庄は自分を責め続けた。
帰りのバスの中。誰もが口をきかず、重々しい雰囲気が続く。あと、3点で金賞だった。もう、本当に悔しくてたまらなかった。すると、隣にいた知多が、
知多「しょうがないだろ!!お前は精一杯頑張ったんだ。元気取り戻さないと叩くぞ!!」
この言葉で少しは元気を回復。つくづく友達の大切さを実感させられた一時だった・・・・

第4楽章 先輩、ついに引退

コンクールも終わったのもつかの間、すぐに学園祭への取り組みとして練習が始まった。
この、学園祭で各部活の3年生は、引退するのである。
だんだん学園祭が近づいてくるにつれ、
尾形先輩「うちが抜けた後、後をよろしくね。」
と同じ事を何回も言うようになった。
さて、毎年恒例の曲の練習。最後は私の姉の代から決まっているある曲で3年生は引退するのだ・・・・・
しかも、ある問題がある。チューバパートは、3年生が抜けると、本庄1人だけになってしまうのである。他にはこういうパートは無い。1人でやっていく自信が本庄には無かった。
しかし、時間という物は待ってはくれない。どんどん学園祭が近づき、ついに学園祭前日となった。
その日の部活終了後、尾形先輩が手紙をくれた。

Takumuくんへ
最近どう?上手くやっているかな?
うちが拓夢くんと過ごした時間はとても少なかったよね。
だけど、コンクールとか一緒に出れてよかったよ★毎日の練習はきつくて大変だったと思います。
うちは本当に頼りなかったし・・・・
めちゃめちゃダメな先輩でした。
ごめんね。うちはちゃんと先輩として役に立てたかな?
これから先、まだまだ長いし、もっともっと拓夢くんなら上手くなれます。
拓夢くんは努力家ということを、部活中発見したのです!!
だから大丈夫!!うちが1年の頃はもっとひどかったです。
2年になっても吹けないことも多かったです。
困った事とか、わからない所とかは、ちゃんと先輩に聞くんだよ。
でさっ、金賞取ってきてください。応援しているよ。
こんなダメなうちに付いてきてくれてありがとう。感謝しています。
そして、どんなときもやさしくしてくれてありがとう。
これから先、いろいろ有ると思います。
がんばって乗り越えていこうね!!うちも頑張るから。
男の子2人で寂しいと思うけど、気にせずにね!!
今までありがとうございました。

                  尾形 彩

本庄はすべてを読み終え、自然に涙が出てきた。
止めようとしても、たくさん出てくる。それはもう、止まらなかった。
本庄「俺なんて何もしていないのに・・・・・ただ、先輩が居るだけで心強かったのに・・・・・」
その内、知多が異変に気付き、話しかけてきた
知多「おい、もやし!!なに泣いて居るんだよ。みんな片付けているだろ!」
本庄「いや、ただの花粉症さ・・・・」
本庄は必死で涙を隠そうとした
知多「そ、そうか・・・・」

知多もそれ以上は詮索しなかった
そして、学園祭当日。本当に先輩が居なくなるなんて想像できなかった。
吹奏楽部は一番最初に発表する。最初にコンクール曲をやり、じょじょに曲を消化。ついに最後の毎年恒例の曲へ・・・・
もう、何を考えて吹いていたか覚えていない。ただ、先輩が居なくなる現実から逃げようとしていただけだった。
ついに吹き終えた。先輩も泣いていた。ついに先輩が部活から姿を消すときが来た。
学園祭の翌日、部活に来ると3年生の上履きのスペースだけ空いていた。なんか切ない気分になっていた。
知多「・・・・ついに3年生がいなくなったな・・・・・」
本庄「あまりにも偉大すぎた。居なくなってからわかるなんて酷だよ・・・・」
しばらく、2人は立ちつくすのみだった・・・

第5楽章 いなくなってからわかる先輩の偉大さ

学園祭の翌日、2年生はやけに張り切っていたが、知多と本庄を初め、1年生は誰もが落ち込んでいた
特に本庄は絶望感を抱くほど。1人では何も出来ないことにようやく気付いたのだ。他のパートをしばらく転々としていたが、ユーフォパートに腰を下ろすことで落ち着いた。
この頃、吹奏楽部に英語部から来た加藤 梓が入部した。当然楽器は富田真理が抜けたユーフォパート。遅れた分、ハンデは大きいが、一生懸命やっていた。
本庄は一生懸命練習していたが、だんだん飽きてくる時期もあり、憂鬱に吹いていた。また、先輩も本庄が自分のパートの1年生ではないので、やはりなんだか扱いが違うような印象を受けた。
しかし、どうする事も出来ず、本庄はただ、吹いているだけだった。そんな日が何日も続いた。ちなみにこのユーフォパートと一緒に吹いた期間は4月まで続く。
本庄は、尾形先輩の頃が懐かしくなっていくのであった。

また、2年生の薬袋 砂夏先輩を初めとする2年生軍団がだんだん、部活の中でサボったりするようになり、だんだん部活内の雰囲気が険悪になっていきます・・・・
パート練習ではただ憂鬱に吹いているだけ、合奏では先輩がいろいろと言ったりする・・・・・本庄は本当に部活がすごく嫌になった。
知多も同様だった。トランペットパート内のでのいじめというか、からかいというかが激しく、特に知多はやり玉に挙げられていたのだった。
本庄はある日、村山耕平に相談してみた
本庄「あのさ・・・最近部活で先輩が威張ってきて、すごく部活がつまんないんだけど・・・・・」
村山「まあ、そういう事もあるさ・・・バレー部だって、俺の場合、先輩と同級生にいじめられているからな・・・お前はましな方だ・・」
すると、菱川も話に入ってきて、
菱川「お前が決めた部活だろ?俺だって頑張って居るんだ・・・もっと頑張ってからそういうことを言ったらどうだい?」
本庄「うん・・・・ありがとう。頑張ってみるよ!」
とは言った物の、なにも張り合いがない部活ははっきりいってつまんなかった。
バンドフェスタ、アンサンブルコンテストなどたくさん行事があったが、余り覚えていない・・・・むしろ、パート練習の方がはっきりと覚えている。
なぜ、もっとあの頃にたくさん吸収しておかなかったのか・・・・本庄は悔やんだ。
そして、ついに新入生の入学となるのだった・・・・・








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