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Dec 10, 2004
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カテゴリ:戯れ言
こうやって文章を書いていると誰しもなるであろう状態「ネタを探す」。

普通に生活していて起こった面白い事を書くのではなく、面白くなりそうな「ネタ」をついつい探してしまうのである。

危険な事や、普通なら不快な事も「オイシイ」と感じてしまえる状態まで進行すると立派に病気かもしれない。

この病気は少々やっかいな事に人から「おもしろい」などと言われると進行が随分と進んでしまうのである。

もちろん私も患者である。

最近になると重度で、週刊誌の記者のようにカメラを持ち歩いたりする。もちろん隠し撮りできそうな小さいサイズを。




本日も当然「日常生活」兼「ネタ探し」をしながらクリスマスなムードの町を歩いていた。

突然後ろの方から大声で

「FUCK OFF!!」

と聞こえた。

いや、私の耳には

「オイシイ!!」

とほぼ聞こえていたかもしれない。

この国でも相当オフェンシブな言葉「FUCK OFF」(意;くたばれ)が聞けるという事は当然そこには「オイシイ」事がころがっているはずなのである。

振り返るとインド系の男と白人の男がコンビニの前で揉み合っていある。

二人とも20代後半といった感じで、インド系は同じ様な外見の友人男性を連れており、白人は彼女らしき女性と一緒だった。

二人は揉み合ったが瞬間、殴り合い出した。

火事と喧嘩は倫敦の華という事でさっそく見学に。

格闘技をやっている事もあって、最近路上でいかにた戦うかというのが自分の中で一つのテーマであり、その検証も兼ねる。


二人は格闘技の経験などなさそうな、素人な立ち技を披露していたが、立ち技では白人もいいパンチをヒットさせていた。

インド直ぐ流血。

それに業を煮やしたか体格の良いインド人がタックルからテイクダウン。

そして馬乗りになり上からマウントパンチ!

白ピンチ。

しかし、そのパンチが大ぶりなため、三角絞めが何度も取れそうな局面があり、心の中で「triangle!triangle!」と叫んでいたのだが当然ノゲイラバリのそんな展開になるはずも無く。

白タコ殴りにされる。

溢れ出す鮮血。

ありゃ色が綺麗だったから動脈の方からだな、などとかなり冷静に分析。

依然白ピンチ。

しかし、突然リングサイドから白人の彼女がサッカーボールキックをインド人の延髄にくらわせる。

うーんナイスキック。いい角度入ったね。

すぐさまインド人の連れ合いが、その鬼のような形相の女をブン投げる。

もっと引き手を強く引かないと井上康生ばりの華麗な投げは出来ないな。

助けの無くなった白はまたタコ殴り。
顔面が血で染まり、膨れ上がってタコに見えてきた。


この間数分の出来事なのである。そして時間が早いこともあり、町にはまだ人が大勢いたのである。

が、誰も止めない。

というよりも殆ど誰も立ち止まりすらしない。
怪訝な表情をしながら通り過ぎていく人がほとんど。

周りにいたでかい黒人がポリスに電話していたが、その前に止めないのか?状況からみてお前の役目だろ。

もう勝負は見えていたので、これ以上続けても意味は無く、大事に至りそうな雰囲気も出始めたので、しかたなしに私が止めに入る。

興奮するインド人を他の野次馬と数人で押さえつけ、二人を引き離す。
腕を掴むと見た目よりもずっと筋肉質な男で、これに殴られてたのかと思うと、ちょっと白に同情。

白はたまらず退散していくのだが、逃げ際に中指を両手とも立て「FUCK!!」を連発。

インドまた怒髪天。

彼はコンビニに飛び込み、渡り40センチ程の撲殺できそうな木の棒店主から預かり、勇ましく再出陣。

この店主、殺人幇助だな。

すぐさま私を含め三人ほどで羽交い絞めにして木の棒を奪い取る。

なんとか皆で落ち着かせようとしたのだが、相当インド人は興奮しており、なかなか落ちつかない。

そして、白人もさっさと逃げればいいのに、中指立てながら、のんびり歩いて帰っている。

インド人ダッシュ。

速い。

カレーパワー。

すぐ追いつき、またひと悶着。

白人はレストランの中に逃げ込み、インド人が中にいれろ!とわめいているが、レストランのスタッフがそれを制止。

怒りが収まらないインド人は「ナイフを持ってきて、ぶっ殺してやる!」と言って、先ほどのナイスアシスト店主の所に戻る。


そこでポリスが来て終了。

パトカー2台、ワゴン1台、ポリス15人程いたので結構な騒ぎだった。

発端は白人カップルが催涙スプレーをインド人に吹きかけ、引ったくりを働こうとしたのが原因である。
と、インド人がレストラン前でひと悶着あった時に私に言ったのだが、インド人の前歯が先ほどの乱闘で一本折れており、ヒューヒューいっていた。
それを見た時にタバコを吸うのに便利だな、と思うと笑いがこみ上げてきて、それを抑えるのが大変であまり話を聞けなかった。

ま、それが本当がどうかは知る由もないが。

ポリスも来た事だし、これ以上関わって証人として連れて行かれるのも厄介だと思ったのでその場を離れた。


意味も無く一方的に殴られている状態ならもっと早く止めたが、喧嘩ならお互い言い分もあり、自分でケツを拭くのがスジであるため、なかなか止めなかったが、インド人の興奮具合からみてあのまま続けていたらどちらかが死んでいたかもしれないな、と思うと今日は良い事をしたな、と。

そして路上で人を殴るなど、よっぽどの事が無い限りするべきではなく、また護身以外の目的で武器を使うなど言語道断で、そういう事を守れない人間に対しあえて言わせてもらえば、

オイシイネタをありがとう。

歯医者ちゃんと行けよ。


後ろから聞こえた声が「FUCK OFF!!」でなく「BOOK OFF!!」だったらもっとおいしかったかもしれないが。

「本を売~るならFUCK OFF♪」





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Last updated  Feb 28, 2005 01:34:15 AM
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