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カテゴリ:奄美の自然
昨日、琉球弧自然フォーラムin奄美が 奄美市名瀬で開催されました。
”島の内外から見た奄美”と題した恵原義之さんの基調講演では、 海外経験も豊富な島ンチュならではの大きな視点で、 豊富な写真とともに、世界と奄美を比較しながら、 亜熱帯照葉樹林が育んだ奄美の文化の独自性をお話ししてくれました。 また、環境省那覇自然環境事務所長の奥田直久さんは、 ”地域になじむ国立公園を目指して~ 奄美地域の自然資源の保全・活用に関する基本的な考え方” と題して、 奄美の貴重な生態系を管理する従来の国立公園に加えて、 何百年も自然と人とが深くかかわり調和してきた環境そのものを扱う 新しい国立公園を、地域の人たちとともに目指すという考え方を わかりやすくお話してくださいました。 ということは、こういう奄美の集落の昔ながらの景観そのものが これから国立公園になる可能性があるということですね。 (写真は、与路島) 続いて、大人たちの感動の涙を誘った? 龍郷町立龍瀬小学校6年生のみなさんの発表 ”奄美の未来予想図~10年後の奄美はこうなる”です。 島民と観光客へのインタビューやインターネットの検索結果などに基づき、 インターネットで、奄美の情報をもっと発信することが必要だが、 観光客の増加などに基づく自然環境の破壊がおこらないように、 人間が動植物や海や山(森)といった風景を支配するといった これまでの関係ではなく、それらとともに生きると”共存”が必要である。 そしてそのために、1便利な生活からシンプルな生活へ ライフスタイルの変革。 2生き物と人間の生活のテリトリーを守る。 3.人と人のつながりを重視した助け合いの精神。 4.自然を尊重してきた伝統・文化を受け継ぐ。 ことが必要であると述べ、 最後に、オリジナルソング ”絆~愛しゃる島で~”を 全員で合唱してくれました。 "~未来を信じて生きよう つながることが未来を創るから~” と歌った子供たち。 奄美の美しい自然と文化を 彼らにつなげていくことができるのか? 大人の責任は重大です。 さて、いよいよ第2部。 奄美、やんばる、西表島3地域で活躍する多彩なパネリストたちと参加者による ”よーりより 話さんばや 島の未来 ~世界自然遺産をきっかけに考える島の未来~” からと題したパネルディスカッションです。 急激な観光客の増加にともない、産業と環境保全の両立に悩むやんばる地域や 観光産業に従事する人の多くが移住者の西表地域が抱える問題、 知識やモラルの欠如故に起こる貴重な動植物の盗掘など、 もうすでに起こりつつある世界自然遺産がもたらすかもしれない負の部分についても 触れられ、島の未来について真剣に考えるためのいいきっかけづくりとなりました。 なかでも、中山清美 奄美博物館館長が話した ”世界自然遺産登録を目指して行動すべきではなく、 自分たちの島の宝を大事にしていれば、 おのずと向こうから世界自然遺産はやって来る。”という発言は、 世界自然遺産登録を考えるうえでとても大事なものだと思います。 ”このフォーラムがあったことを たくさんの島の人たちに 伝えることが大事だ。”といった サーモン&ガーリックのお二人。 若い人たちに影響力のある彼らが今回のパネリストの経験を 今後どのように生かしてくれるかとても楽しみです。 交流会で、 ”山は水おかげ、人は世間おかげ”と歌う二人。 島の人たちが今まで伝承してきた文化の中に 人と自然がうまく暮らすヒントがたくさん隠されています。 いらしていただいた皆さん、 これまで大変な準備をしてくださった関係者の方々 素晴らしい講演や発表、発言をしてくださった皆様 かかわったすべての皆様 どうもありがとうございました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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