近年、製造業出身のコンサルタントの方々を契約して
店舗や本社の業務機能の見直しをしている企業が増えてきました。
(私の周辺では4社もあります)
モノづくりで得たノウハウは他業種でも歓迎されています。
(サービス業はもっと教わるべきです)
ある企業で研修後に
日本とアジアで35年間活躍されたT先生と食事をご一緒する機会がありました。
(先生は作業管理を指導、私は店舗運営を指導)
あまりにも勉強になったので、一部シェアします。
===
T氏は、
日本で20年、韓国で7年、中国と台湾で8年のキャリアです。
お話の中で驚いたのは、
「結局、今の家電業界は日本人vs日本人なんだよ」ということ。
つまり、韓国系、台湾系、中国系、日系メーカーのライバルと言われる企業には
必ず日本人技術者がいて、
かつては「粗悪品」と言われていた製品を日本人も納得するレベルに指導したので、
ある意味では、日本人が日本人と戦っている構図になるということでした。
90年代から始まった日系メーカーのリストラにより
その恩恵を受けたのはアジアの家電メーカーだったわけです。
(人材の流出=技術の流出)
T氏が強調していたのは
「日本のモノづくりがダメになったのではない」
(それは今の韓国、中国、台湾メーカーを見ればわかります)
「それ以外の分野で負けたのだ。
つまり、マーケティングやセールス、企画にデザイン、、、。
だけど、モノづくりの現場を切ったのが日系の敗因だ」と。
仮にiphoneをバラしても、
中に組み込まれている部品を納めているメーカーで
日本人が関わってない所はない、というくらいその技術力は未だに世界一流であると。
だから日系企業が大赤字を出している中でも、
技術者はしっかりアジアで稼いで感謝されている。
今でもかつての同期や、大学時代の仲間に会うと、
ほとんどアジアの主要大手メーカーが揃ってしまう(笑)。
だから「日本人が負けた」というような報道は嘘で、
本当は「日本の本社が負けた」のだ。
別に現場は負けてなかった。
その証拠に、リストラ後にアジアで活躍するのは
圧倒的に日本人技術者で、本社の幹部社員は滅多にいない。
(せいぜい「顧問」くらい)
アジアの各メーカーには日本人がいて、
モノづくり対決をしているとも言える。
===
結局、リストラのやり方を間違えたツケが現在の事態を招いているとも言えます。
欧米式リストラなら工場や現場を切ればよかった。
(短期労働者ばかりで熟練技術者がいなかった)
しかし「日本の場合は逆だった」ということでしょう。
資産は現場にあった。
2000年以降の日系メーカーの経営不振の原因を
円高やEUの経済不況ばかりにスポットを当ててしまうと見えてこない
ハッとさせられるお話でした。
「モノづくり大国」は変わらないけど、
それを活かす周辺の人たちの能力が貧弱で、
それがアジア企業に負けてしまう原因なんですね。
ちなみにT氏は
最近は、欧米の医療メーカーの仕事が増えているそうです。
さらにタイの病院などからも依頼があるとか。
日本のモノづくりはサービス業にもっと活かされるべきですね。