盲腸妊婦の日記3 ~盲腸でした。手術です。~
盲腸妊婦の日記3 ~盲腸でした。手術です。~一夜明けて、朝になり、血液検査を再び受ける事に。結果は、やはり昨日より数値が上がっていました。外科の先生が来て、やはり盲腸でしょうね・・・。と説明してくれました。家族と私と先生とで手術の話をしました。内容は、麻酔は首から下の局部麻酔をかける事、お腹が大きくなってきているので、盲腸が子宮に押し上げられて通常の場所にないから、痛みの強いところを切って盲腸を摘出する事。←勘?いきあたりばったり??子宮をよけて腸を出すので、子宮を触る事になり、もしかしたらその刺激で流産や早産の可能性もある事。そんな事を丁寧に説明してもらいました。そして、手術の同意書を書き、お昼から手術でした。不安なのは、私よりも実家の母や夫だったと思います。私は、こうなってしまったんだから、しょうがない、ここで流産してしまったら、それはそういう運命だったんだ、と覚悟を決めていました。盲腸って、病気でも病気らしいと思われてないイメージがあったけど、まさか自分が妊娠中になるとは思ってもいませんでした・・・。お腹のちびたん(ウルリカ)に、私は、ちびたんとママは一心同体なんだから、ちびたんもがんばるんだよ。と心の中で声をかけ、手術台に上りました。手術室はまさにERの世界。手術台は、予想していたよりずっと幅が狭くって、寝返りうったら落ちちゃいそうな狭さでした。「今から背中に麻酔を打ちます。ダンゴムシみたいに丸まってください。」と、言われ、言われるがままに背中を丸めて麻酔を打たれました。でも、針が神経に触ると、勝手に体がびくっ!と反応し、そのたびに「ごめんねー。頑張って下さいねー。」と押さえつけられ、ちょっと苦しかったです。やがて、麻酔が効いてきて、足のつま先からだんだん下半身も胸の辺りも感覚がなくなってきました。意識はあるのに、体の感覚が全くない、こんな経験は始めてで、何だか気持ちが悪くなりました。「吐きそうです・・・。」そう告げると、顔の横にステンレスの器が置かれ、「いつでも吐いて下さい。」と言われ、少し吐きました・・・。でも、胃の中はからっぽなので、何も出てきません。ポロポロ涙が出てきました。「すごく、寒いんです、寒い。」「寒いんですね、麻酔で急激に血圧が下がったせいなんですよ。手を握ってますからね。」そういって、麻酔医の先生が私の手を握ってくれました。とっても暖かくて、その暖かさは今でもはっきり覚えています。しばらくすると、寒さも気持ち悪さも消えました。「もう、大丈夫です。ありがとうございます。」「よかった。」「手術は始まってますか?先生。」私からは見えないところで、外科の執刀医の先生が何やら手を動かしているので聞いてみました。「ええ、始まってますよ。でも、盲腸がねー、まだ見当たらないんですよ。」「そうなんですか?」こうやって、話をしていたほうが現状もわかって落ち着くので、私は色々質問をしながら手術を受けていました。だって、手術を受ける事ってあまりないので、面白かったんです。「あ、ありましたよ!」「先生、やったあ!。」「今、切っている所だからね。」「はい。」そんなやりとりをしながら、しばらくすると・・・。「○○さんは(私の苗字)、お肉より、野菜や魚が好きですか?」と、先生が私に質問してきました。いきなりなんだろう?と思いつつ、まさにそのとおりだったので、「はい、そうですけど、何か・・・。」「やっぱり、そうですか。 いえね、○○さんの盲腸があまりにも長いので、びっくりしたんですよ。草食動物の腸や盲腸って、長いんですね。だから・・・。」「ということは、私は草食動物みたいな腸なんですね?それって、私が肉を食べないから腸が長くなったんでしょうか?それとも元々腸が長いから肉が嫌いなんでしょうか?」「うーん・・・。それはどっちとはちょっとわかりませんが、とにかく、長いです。」・・・草食動物・・・。そうなんだ。私の腸は長いのか・・・。手術しなかったらわからなかった、体の秘密。うう、面白い。「で、先生、盲腸は、盲腸炎だったんでしょうか。」「ええ、そんなにひどく炎症しているわけではなかったんですが、盲腸でしたよ。あと、盲腸が長すぎて、子宮に圧迫されて背中まで回りこんでたんです。それで、背中が痛かったんでしょうね。」・・・そっか。だから背中も痛かったんだ。理由がわかったよ・・・。「それで、最初に傷口が1,2センチくらいになると説明しましたが、3,4センチになってしまいました。」「いいですよ、何センチでも。別に、気にしないので。」そう言うと、先生は、「さすがお母さんになるから、たくましいなあ。」と、笑っていました。いえいえ、先生、元々こういうキャラなんです、私。「で、先生、この後私どのくらい入院しなければいけないんでしょうか?実は、結婚式が24日なんです。」そう、結婚式がまだなんですよ、先生。6ヶ月のお腹ですが。そう伝えると、先生も手術室にいる他のスタッフもざわざわ。「ええ?24日?うーんと、今が10日だから、外科で5日程度術後の経過みさせてもらって、その後1週間産科で流産防止のため様子みさせてもらってだから・・・。早くて退院は22日かな。」「・・・退院2日後に結婚式は無理でしょうね。延期します。」「そうだなあ・・・。そうした方がいいと思いますよ。」そんな話をして、無事に手術は終わりました。術後、一日はナースステーションの横の部屋で見てもらうことになり、その病室で、夫と私の母と祖母と一緒に手術の結果を聞きました。そこで、初めて私は自分の盲腸と対面しました。「いやあ、私も長い間盲腸の手術をしてきましたが、こんなに長いのは初めてですよ。」と、ちょっと嬉しそうに話す先生。でも、通常の盲腸の大きさが私たち一般人にはぴんとこないんですよ。ま、無事に手術が終わったので、ひとまず安心。しばらく、入院生活が続きます☆