カテゴリ:虫歯の電気化学説
実効性のある虫歯予防をしようと思えば、
科学的根拠に基づいた処置をしないと始まらないわけですが、 今までの歯科の常識「虫歯は虫歯菌が出した酸で溶けたもの」というのは誤りで、 その科学的根拠は単なる推測にしか過ぎませんでした。 しかも、その科学的な理由がはっきりしていない根拠に基づいて、 歯磨とか、フッ素塗布とか、虫歯菌の除去とか、 的外れなことをおおまじめにやっているのが現状です。 虫歯の電気化学説に気が付くと、 虫歯の発症原因が科学的に解明できるようになり、 おのずから対処法も解ってくるのです。 前回は歯牙は弱酸では溶けないこと、 歯牙には電導性があり、マイナスの電圧をかけると容易に溶けるという実証実験をしました。 今回は歯牙にマイナスの電圧をかける、すなわち歯牙から電子を奪うと溶けるのならば、 歯牙は金属と同様にあつかうことができるのではないか。 それならば、イオン化傾向を測定することも可能ではないかと考え、実験してみました。 すると、確かにイオン化傾向を測る事ができて、 しかもそれは従来の歯科医学の常識を覆すことになってしまったのです。 このようにエナメル質を除去して象牙質と対象になる金属を電圧計でつないで、 pH3の塩酸に浸けて、電圧計を読むだけの簡単な実験です。 実験上の注意点は歯牙は電導性があると言っても、通常の金属に比べると桁違いに小さいので、 クリップと歯牙の間には電導性のジェルを塗布することと、 クリップの部分が塩酸水溶液にかからないようにすることです。 その結果がこれです。 亜鉛:-0.35V 象牙質:0V エナメル質:+0.002V アルミニウム:+0.015V 鉄:+0.05V 鉛:+0.18V 高銅型アマルガム:+0.25V 歯科用71%銀合金:+0.5V 歯科12%金銀パラジウム合金:+0.68V 歯科用70%金合金、銅:+0.7V 象牙質を0V つまり基準にして、マイナスが電子を出す方なので溶けます。 マイナスになるのは亜鉛だけ、後は全部プラス、つまり象牙質の方が溶けるのです。 しかも、金合金がもっとも電圧が高い、つまり歯が溶ける。 この事実は容易に予想されるとは言え、歯科業界人にとってはショックでした。 金は錆びないので歯には良いと単純に考え、患者に薦めていたからです。 しかし、考えてみれば当然のことです。 錆びないということは、電気的に繋がると歯の方が溶けるということでした。 金より銀の方が虫歯になり難い、銀よりアマルガムの方がもっと虫歯になり難い。 アマルガムは銀と水銀の合金ということで、排除されてしまいましたが、 虫歯になり難いことは歯科業界では常識でした。 電気化学説にしたがえば理論的に解明できますが、 もっと見直されても良いのではなかったでしょうか? 昔はあった亜鉛添加型のアマルガムは耐虫歯性能はもっと優れていたのではないでしょうか? 亜鉛は全ての金属に対してイオン化傾向が大きく、 他の金属の身代わりに溶けてくれるので、 亜鉛メッキのように耐食性にすぐれた材料として工業的には使われています。 しかも亜鉛はフッ素と違い、生体にとっては毒性がないどころか必須微量元素で、 不足すると味覚障害を引き起こします。 亜鉛は耐うしょく性能にすぐれた生体材料としてもっと研究される必要があります。 歯科業界では亜鉛が含まれている材料が多くありましたが、 現在では歯質接着性ばかりに気を取られ、研究開発がおろそかにされています。 考えてみれば、なぜだか解らないが虫歯になり難い材料ではなかったでしょうか? 例えば「リン酸亜鉛セメント」「カルボキシレートセメント」「亜鉛華ユージノールセメント」など。 電気化学説的に考えれば、虫歯になり難い材料だということは容易に解ります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011/12/03 10:25:06 PM
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