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テーマ:映画館で観た映画(8421)
カテゴリ:アメリカ映画
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【この映画について】 この映画は今年のアカデミー賞で3部門(主演男優、助演女優、オリジナル作曲)にノミネートされた注目作品だ。授賞はロード・オブ・ザ・リングス旋風もあって全て逃したが、元々はベストセラー作品の映画化だけに前から米国では映画化が期待されていたそうだ。 主演男優のベン・キングスレーは「ガンジー」でアカデミーを撮ったが、今回は亡命イラン大佐ベラーニの役を演じている。その妻のナディは助演女優賞の候補になった、イラン出身のショーレ・アグダシュルー。郡当局のミスで家を追われるキャシーはジェニファー・コネリー、そのコネリーに同情するレスター副保安官にはロン・エルダードが演じる。 【ストーリー(ネタバレなし)】 夫と別れて8ヶ月が経ったキャシーは、母から電話がくる度に出張でいないと誤魔化してきたがまた嘘を付く羽目になる。そんな母が近々やって来るとの電話が来たのだ。電話が終わると、郡警察が来ていきなり所得税の滞納で家を差し押さえる通告された。職の無いキャシーは役所に免除願いを出しているので、寝耳に水だったが有無を言わせないで翌日には明け渡すように言い渡された。呆然と立ち尽くすキャシーにその場で弁護士事務所を紹介してくれたのが、後に恋人関係に陥るレスターだった。 家は競売に掛けられ、この家は亡命イラン人一家ベラーニに買い取られた。だがベラーには転売して利益を稼ぐ目的だったので、ここには数ヶ月いる積りだった。 キャシーは弁護士事務所を通じて何とか母が来るまでに家を取り戻したかった。だが幾らあらゆる手を尽くしても戻らないので、キャシーは弁護士の忠告を無視してベラーニと直接交渉するためにかつての自宅へと乗り込む。だがそんなキャシーの願いはけんもほろろに却下されて追い返された。 住む家を失った彼女はモーテルで寝泊りしたが、カードの有効期限が切れてそこも夜逃げ同然に飛び出して車上生活の身に転じた。そんな境遇に同情した副保安官のレスターは、家庭を捨てて彼女と行動を共にする。レスターは家を取り戻すためにあらゆる方策を考えて実施してくれた。そして、少々強引ながらも何とか家を取り戻せる手はずが整った。 ベラーニ大佐とその一人息子のイスマイルの2人で郡当局へと向かい、家を買い戻す為の手続きに行った。だが、そこで待っていたのはチョッとして隙をレスターが見せた際に、息子のイスマイルが銃を奪い父の大佐がレスターを羽交い絞めにした。そのもみ合いの最中に悲劇的な出来事が起きてしまったが、ここから先は映画の核心部分だから映画館かDVDで確認して欲しい。 【鑑賞後の感想】 ベストセラー作品の本を映画化する際には100回を越す申し込みが殺到したそうだが、今回やっとOKがでたそうだ。原作は読んでいないが、この映画の結末はあまりにも悲劇的過ぎる。 この話のそもそもの発端は、郡当局が誤ってキャシーの家を差し押さえて競売にかけたことに始まっている。それ以降に発生する数々のトラブルも、全てがチョッとしたボタンの掛け違いや単純な行き違いが原因だ。そうした少しずつのミスが最後にはこれほどまでの大きな悲劇を呼ぶのだから、人生って何がきっかけで大きく転回するか分からない。 この作品では終始悲劇的な要素ばかりで明るい話題はないのだが、アメリカ国内に横たわる人種差別がここでも取り上げられている。ベラーニは自分はイランから来たのに、他の中東から来た連中と同じ様に扱われていると、不満をぶちまけていた。逆に息子には、アメリカ人は眼の前の快楽にばかりお金を使う傲慢で軽い奴らで我々とは違うと言い放っていた。でもその息子はスケートボードに夢中だというのだが…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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