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テーマ:おすすめ映画(4019)
カテゴリ:アメリカ映画
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原題:The Forgotten(アメリカ)92分 【この映画について】 9歳の一人の息子サムを飛行機事故で失ったテリー・パレッタ(ジュリアン・ムーア)の喪失感と、それを妄想だと理解しない夫ジム(アンソニー・エドワーズ)、テリーの主治医で精神科医のマンス(ゲイリー・シニーズ)、同じ飛行機に乗り合わせて子供を失いアル中のアッシュ(ドミニク・ウェスト)などの個性的な役者がそろっている。 前半と中盤以降ではストーリーの展開も内容も一気に変わる。サスペンスと人間心理の双方がテーマになっている作品だ。 【ストーリー(ネタバレなし)】 テリーはサムを飛行機事故で失って既に14ヶ月が経っているが未だに喪失感に苛まれて、息子の死を受け入れられないでいる。仕事も辞めて精神科医のマンスの元を訪れてカウンセリングを受けている。そうした生活の中で徐々に彼女の周囲である異変が静かに進行していたが、それがまさかラストで突拍子も無い結果と結びつくとは思いもしなかったが…。 テリーは何時もの様にマンスの元を訪れる為に車を捜していたが、何故か停めたはずのところに無くうろたえてしまうが、そばにいた男が場所を突き止めてくれた。この何気ない一時も後にある出来事の伏線となっていた。異変の始まりは徐々に進行していて、今度はマンスの事務所でカウンセリングを受けている際に飲んだはずの珈琲カップがなくなっていた。マンスは妄想だと言ってテリーの言うことを受け付けない。そして帰宅して戻ると、今度は見慣れている家族での写真やアルバムからサムが消えていた。テリーはジムが意図的に消したとなじり一方的に家を出て行く。 テリーは近くの夜の公園を徘徊しているときに、ブランコで一人の見覚えの有る男とであった。その男はアッシュと名乗り、テリーは彼が自分と同じ様に子供が同乗していた飛行機で亡くなっているはずだと告げた。だが男は記憶がないとだけ言ってその場を立ち去る。 テリーは自分の記憶違いではないのを証明しようと、隣人や図書館の所蔵する過去の新聞を捜すが該当する記事は見当たらずに焦る。テリーは、今度はアッシュの家に押しかけて娘がいたはずだと迫る。テリーは自分には子供はいないと言って聞かないが、一晩をそこで過ごしたテリーは壁紙から覗いた綻びを発見した。それを引っ張るとそれは明らかに子供が書いた絵だったが、アッシュは知らないと言い張る。遂にアッシュは警察に通報して家宅侵入罪でテリーは連行されてしまう。だがテリーを連行する際に、捜査は何故か警察ではなくて急遽駆けつけた国家安全保障局の男らが捜査を担当すると言う。家宅侵入罪で国家が関与? アッシュはテリーが連行される直前に記憶が蘇り、自分にも子供がいたという。アッシュの身を呈した行動でテリーとアッシュは一緒に逃走するが市警も保証局も必死に追いかける。 ここから先はストーリーの展開は全く今までと変るし、ストーリーを書いて言っても映像を観ないと理解出来ないだろうから書かない。ただし、映画館で最初から最後までしっかりみないと伏線に気が付かないだろう。 【鑑賞後の感想】 前半と後半ではストーリーが全く異なるので、この辺の展開をどう解釈するかでこの映画への評価も個人個人で違ってくる。 ジュリアン・ムーアの演技は母性本能を全面に出し、それが実生活でも二人の子供の母なので説得力がある。ネタバレになるので細かい事は書けないが、ストーリーはサスペンス仕立てながらその根底は母子関係ではないかと思う。そう解釈すればこの映画を理解する上でも役に立つだろう。最新技術で記憶を一時的に消したり無くしたりすることは可能でも、男と違い女として出産した記憶までは消せなかった。この辺りがキーワードになると思うが、これがネタバレにならないギリギリの線での感想である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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