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2006.02.26
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カテゴリ:ヨーロッパ映画
原題:Oliver Twist(フランス・イギリス・チェコ)公式HP
上映時間:130分
監督:ロマン・ポランスキー
出演:ベン・キングスレー(フェイギン)、バーニー・クラーク(オリバー)、ジェイミー・フォアマン(ビル・サイクス)、ハリー・イーデン(アートフル・ドジャー)、リアン・ロウ(ナンシー)、エドワード・ハードウィック(MR.ブラウンロー)、ジェレミー・スウィフト(MR.ハンブル)、マイケル・ヒース(サワベリー)

【この映画について】
「戦場のピアニスト」の監督であるロマン・ポランスキーが、19世紀の英国の文豪チャールズ・ディケンズ作「オリバー・ツイスト」を映画化したことで注目を浴びている。
過去にも映画化された本作では名監督ポランスキーがどのように描くか注目された。そんな中で配役は重要だが「ガンジー」での演技で有名なサー・ベン・キングスレーが盗人の親方を個性タップリに演じる。
主役のオリバーを演じるバーニー・クラークや、子供ながら「芸術的早業(アートフル・ドジャー)」の異名を持つハリー・イーデン演じる子供の盗人の役にも注目したい。
ポランスキー監督が19世紀の英国を、CGに頼らず如何にして再現したかにも注目した観ていただきたい。
【ストーリー(ネタバレなし)】
19世紀の英国、孤児として養育院で育ったオリバーは教区吏のバンブルに連れられて生まれた救貧院へ戻される。9歳になったオリバーはここの工場で麻屑作りに他の孤児たちと一緒に励む。
救貧院での食事は粗末なおかゆだけで、育ち盛りのオリバーは空腹に耐えかねてお代わりをせがむ。だがこの行為が院の委員たちの怒りを買い追放処分となる。
オリバーの受け入れ先の家族は葬儀屋を営むサワベリーで、彼は恐妻家の妻と先輩格の少年と商売をする。サワベリー氏はオリバーを哀れむが、妻や少年と折り合いが悪く少年と喧嘩をしたのをきっかけに早朝に家を出てしまった。
行く宛ても無く田舎道を一人で彷徨うオリバー。すれ違う馬車も無視して通り過ぎるだけで寂しさと空腹が募る。途中の農家では物乞いと間違えられてにべも無く追い返されるが、通りすがりの一人暮らしの老婦に声を掛けられ久し振りに食事にありついて納屋に泊めてもらう。
70マイルを一人で歩いてロンドンに辿り着いた頃には、既に空腹でうずくまっていた。そこを通りかかった少年に声を掛けられて着いて行く。少年は自称「アートフル・ドジャー(芸術的早業)」と名乗る盗みの天才だった。ドジャーはオリバーを路地裏の狭いアパートメントへ連れて行った。そこにはドジャーと同じ様な少年たちに混じって、フェイギンという腰の曲がった老人が暮らしていた。
オリバーはこの一団が何をしているのか想像が着かなかったが、兎に角ここで泊まることにした。やがてこの集団の少年は盗人で、フェイギンはその戦利品を売って生計をたてていることが分かった。
オリバーとドジャーらが初めて一緒に通りに出かけてみたのは、ドジャーらが立ち読みをしていた紳士のポケットからハンカチを盗んだところだった。本屋の主人に見つかり急いで立ち去るオリバーとドジャーらだったが、オリバーだけは力尽きて捕まる。早速裁判所に連行されるが、店主らの証言でオリバーは犯人でないことが証明される。そのオリバーを不憫に思った、ハンカチを盗まれたブラウンロー氏がオリバーを郊外の家に引き取った。
オリバーはそのブラウンロー氏の立派な屋敷に足を踏み入れて、今まで味わったことの無い上流の生活に驚いた。そしてブラウンロー氏はオリバーにとても優しく接してくれるのだった。
さて、ここから先はポイントだけを書きます。ブラウンロー氏はオリバーを信用して町までお遣いを頼むが、彼の親友は不安に感じるが何故?オリバーが捕まったことで焦るフェイギン一味だが、オリバーを奪回出来るか?安住の地を得たオリバーの将来はどうなるか?などまだまだポイントは多いけど、是非、ここから先は映画館で観てください。
【鑑賞後の感想】
英文科卒業の私だが、残念ながらディケンズは大学の授業にも無かったし個人的にも書物を読んでいないので原作との比較はここではしない。
私がこの映画をみて感心した点は、オープニングからの映像であり。オープニングで19世紀当時の風景画(スケッチ風)を見せながら、徐々にそして何時の間にか映像に切り替わるという手法には驚いた。何が驚いたかは、画と映像の区別が一瞬つかないことにある。こうした魅せかたもあるのだなと、この冒頭のシーンで作品のこれからの展開に期待感を持たせてくれた。
19世紀の英国を現在のロケ地に求めるのは無理だったのか、チェコに大規模なオープン・セットを組んだそうだが実によく再現できていた。
孤児のオリバーが、人間の温かみを知らないまま9年間生きてきたなかでブラウンロー氏という理解者が現れ、氏の期待に応えようとする様子が丁寧の描かれていた。
純真な気持ちを忘れないオリバーが、この後、どういう大人になっていくのか想像しながらジ・エンドとなる。そこから先のオリバーは?私は、このブラウンロー氏の愛情を受けながら、素直な大人になってもらいたいという思いを抱きながら映画館を後にした。
【自己採点】(10点満点)
8.8点オリバー少年は孤児ながら、とても素直に力強く生きている。そういう様子を子役のバーニー・クラーク君がとても上手に演じていた。19世紀の英国を再現したオープン・セットの映像も良かった。
ベン・キングスレーは相変わらず上手いな~。流石、「Sir」だ。

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Last updated  2006.02.26 23:36:43
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