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テーマ:ミニ・シアター系映画(152)
カテゴリ:映画/アメリカ、欧州地区以外
原題:Love's Brother(オーストラリア)公式HP
上映時間:103分 監督・脚本:ジャン・サルディ 出演:ジョヴァンニ・リヴィシ(アンジェロ・ドニーニ)、アダム・ガルシア(ジーノ・ドニーニ)、アメリア・ワーナー(ロゼッタ)、シルヴィア・ドゥ・サンティス(コニー)、バリー・オットー(アルフレード神父) 【この映画について】 イタリアからオーストラリアに移住し、そこでのコミュニティで生活をするドニーニ兄弟。兄のアンジェロは内気だが、弟ジーノは活発で女の子にもてる正反対な兄弟だが仲は良い。 故国から遠く離れた異国オーストラリアで生活を共にする仲間・兄弟たちの絆の強さ、故郷への郷愁、同化しようと懸命な人などがとても丁寧にそして力強く描かれている。この映画の主題はそうしたテーマと兄弟間の絆の強さを、ロゼッタという女性との交際を通じて見事に展開するストーリーにも注目してもらいたい。 【ストーリー(ネタバレなし)】 1950年代南イタリアの海辺の人口の少ない村に住むロゼッタは、結婚を前提とした遠く離れたオーストラリアから手紙を受け取った。手紙の主は「アンジェロ」と名乗り写真も同封されており、ロゼッタもすっかり気に入りお互い文通を始めるのだった。 一方アンジェロはオーストラリアのメルボルン郊外のイタリア移民の街リトル・イタリーに弟のジーノと、一緒に移住してきた親戚の4人で地元でカフェを経営している。街には若者は少なくジーノは顔馴染みのコンチェッタ(通称コニー)と付きあっており、結婚話も出ている。活発なジーノに比べて口下手の兄は、結婚を仲介する地元の老婦人を通じて交際をするものの一度も上手く行かずに悩む日々。その老婦人が今度こそはと話しを持ち込むが兄は気乗り薄だったが、何とか手紙を「ロゼッタ」に送るが、そこで一計を案じ自分ではなく自分より見栄えの良い弟の写真を同封した。 文通は順調に進みロゼッタは遂にイタリアで結婚の宣誓式を行ってから、オーストラリアに行くことを承知した。長い航海の末にドニーニ一家が待つ港へ不安な面持ちで到着したロゼッタだが、迎えに来ていた「アンジェロ」は彼女が手紙でみた写真の人物とは全く違う人物だった。 ショックのロゼッタだが、とりあえずドニーニ一家が経営するカフェに到着し、その時、始めて事の真相をしりどん底のショックを受ける。気持の整理の付かないロゼッタ、何とかロゼッタの気持をほぐそうとする兄弟だったが...。 さて、ここから先はポイントだけを書く。ロゼッタへの気持を正直に告げられないアンジェロはどういう行動に出るのか?写真の主であるジーノへ募る思いとは?ジーノと恋人コニーの関係は大丈夫か?兄弟の仲は果たしてこの先どうなる?予定されていた結婚式の扱いは?などを中心に今後発売されるであろうDVDで(単館公開なので今後映画館で観るのは困難?)ご覧下さい。 【鑑賞後の感想】 イタリアからオーストラリアへ渡った移民達が、遠く離れた異国でコミュニティを作り苦楽を共にするそうした内容の映画は少なくない。しかし、ここではそこに両国を結びつける恋愛を絡めることで、親子兄弟間の絆やコミュニティ内の結束の強さを描いている点に注目した。 例え故郷とは遠く離れていても故郷を思う気持には変わりが無いのを証明している。映画内では内気な兄と活発な弟の違いをはっきりと描いていた。その違いも花嫁ロゼッタがやってきてからは、微妙に立場が違い始める。前半から中盤まではひたすらアンジェロのダメ振りが強調されるが、後半ではその兄が今までとは逆に弟に助言をする。一方的に愚兄賢弟を表現していてはメリハリに乏しさを感じるが、兄弟間の心境の変化を丁寧に描いていたので最後まで展開を楽しんでいられた。 ラストは思いがけない行動?でハッピーエンドになる訳だが、果たしてその後の兄弟の人生もばら色になったのであろうか? 最後にロケ映像を主体として映像美、音楽と映像の見事なコラボレーション、ロゼッタ役のイギリス出身のアメリア・ワーナー(元コリン・ファレル夫人であったが4ヶ月で離婚)の美しさもこの映画のポイントであった。 【自己採点】(10点満点) 8.8点。イタリア人にも内気で奥手な若者がいるとは知らなかった。でもその辺の意識のギャップを逆手に取った発想がある意味でこの映画の「楽しさ」に繋がっている。 人気blogランキングへ 満開の桜の写真はこちらでご覧下さい [今日の主なBGM]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1.Aselin Debison/Sweet Is The Melody 2.Electric Light Orchestra/Zoom お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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