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カテゴリ:アメリカ映画
原題:Broken Flowers(アメリカ)公式HP
上映時間:106分 監督・脚本:ジム・ジャームッシュ 出演:ビル・マーレー(ドン・ジョンストン)、ジュリー・デルピー(シェリー)、ジェフリー・ライト(ウィンストン)、シャロン・ストーン(ローラ)、フランセス・コンロイ(ドーラ)、ジェシカ・ラング(カルメン)、ティルダ・スウィントン(ペニー)、マーク・ウェッバー(旅行中の青年) 【この映画について】 「ロスト・イン・トランスレーション」で一気にブレークしたビル・マーレーが、何とも言えない味のある演技をしている。そのマーレーを支えるのは恋人役の女優は「氷の微笑」(続編が公開されるそうだ)での印象が強いシャロン・ストーン、イーサン・ホークとの共演作「ビフォア・サンセット」で話題となったジュリー・デルピー、夫ティム・バートン主演、ヴィム・ヴェンダース監督作「アメリカ、家族のいる風景」での出演作が記憶に新しいジェシカ・ラングなど豪華な顔触れが揃っている。 中年男の過去を探す旅が全面に出ているロード・ムービーの要素も強いが、それだけでは終わらないし自分の知らない過去を何故探ることになったのか?その答えは身近なところにあったかも知れないのだが、答えはスクリーンを注意深く観ていると分かるかな? 【ストーリー(ネタバレなし)】 中年のドンは未だに独身ながら恋人のシェリーと自宅で同棲する仲だ。シェリーは結婚を望んでいるが、ドンはそんなシェリーの気持に応える事が出来ずにいる。そんな或る日、シェリーは煮え切らないドンに愛想を尽かし家を出て行く。 その時、ドンへの郵便物の中に見慣れないピンクの封筒が届けられていた。そんな時に、隣人のウィンストンからドンの専門職であるコンピューターの腕を見込まれて、彼の部屋へ行きウィンストンが窮していたPCの悩みをあっという間に解決する。その時、ドンは届けられた郵便物を無造作に鷲掴みにし隣人の部屋で一通ごとに目を通す。ウィンストンはその中のピンクの封筒に目をやり、ドンに読ませた。その封筒の中身は、差出人不明ながら文面からドンのかつての恋人の一人からと容易に察することが出来た。そこには「ドンと差出人との間に別れた直後に妊娠に気が付き、密かに出産した子供が父親探しの旅に出た」と記してあった。 驚愕の内容の手紙だったが、ドンはさほど関心を示さなかったが野次馬根性丸出しのウィンストン は「父親とはめでたい!」と逆に祝福する有様。そしてお節介なこの隣人は無関心なドンとは正反対に、ドンに過去の恋人のリストを作成させネットでその居場所を探し出す。 ドンは5人の恋人をリストアップし一人は既に亡くなっていたが、4人の居場所を何故か突き止めた隣人は親切にも4人の恋人を巡る旅程表まで作成し飛行機やレンタカーの予約まで済ませた。 ドンは隣人に背中を半ば強引に押される形で、かつての恋人たちを巡る旅へと出発した。予告無くイキナリ現れたドンに対し、かつての恋人たちは様々な反応をしめした。 温かく歓迎しベッドまでともにしたローラ、幸せな結婚をしながらも子供に恵まれないドーラ夫妻とは夕食を自宅で気まずい雰囲気のなかで共にし、カルメンは男気のない生活をし、ペニーは郊外の農場で生活するが突然のドンの訪問に動転し同居の男と一触即発のムードになる。 そんなかつての恋人巡りの旅を通じてまだ見ぬ息子との対面という目的を果たせないドンだったが、盲点はあった...。 さて、ここから先は核心に迫って来るのでポイントだけを書く。 1.ドンの息子探しの旅で得た収穫は? 2.隣人は何故ここまでドンの為に尽くしたのか? 3.ドンの旅の中で偶然にすれ違った若者の正体とは? 4.ドンの下を去ったシェリーとは復縁出来るのか? 等を中心に今後発売されるDVDでご覧下さい。 【鑑賞後の感想】 この映画のテーマとヴィム・ヴェンダース監督作「アメリカ、家族のいる風景」とは基本的にストーリーは同じである。共通点は中年を過ぎた男性がかつての恋人との間にどうやら知らない間に子供がいたらしいとの展開はまったく同じだし、ロード・ムービーの要素を含んでいる点や、両作にジェシカ・ラングが出ている点も同じだ。 この作品でのビル・マーレーは相変わらず「ロスト・イン・トランスレーション」でも発揮していたとぼけた味を遺憾なく発揮している。かつての恋人役には脇役には勿体無い位の主演クラスの女優が名を連ねるのだが、折角こうした女優を配しながらも残念ながらその個性を活かしきれてはいない。 ストーリーの展開も結局は隣人のお節介が講じた形のエンディングは、恋人巡りの旅は意義を問われかねないものであると感じたが詳しく書くとネタバレになるのであとは察して下さい。 ロード・ムービーには欠かせない音楽だが、こちらはマーレーの演技を含めて合格点を与えたい。 【自己採点】(10点満点) 7.2点。ストーリーの題材は良いのだが、編集の粗さやオチに更なる工夫を加えないと高得点は与えられない。 人気blogランキングへ [今日の主なBGM]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1.Soundtrack/Armageddon 2.Christina Aguilera/Stripped お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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