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テーマ:映画館で観た映画(8581)
カテゴリ:アメリカ映画 2010~
10-70.クロッシング
■原題:Brooklyn's Finest ■製作年・国:2008年、アメリカ ■上映時間:132分 ■字幕:川又勝利 ■鑑賞日:11月14日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷) ■料金:1,000円 □脚本:マイケル・C・マーティン □撮影:パトリック・ムルギア □編集:バーバラ・タリヴァー □衣装:ジュリエット・ポルクサ ◆リチャード・ギア(エディ) ◆ドン・チードル(タンゴ) ◆イーサン・ホーク(サル) ◆ウェスリー・スナイプス(キャズ) ◆ウィル・パットン(ホバーツ副署長) ◆エレン・バーキン(スミス捜査官) ◆シャノン・ケイン(チャンテル) 【この映画について】 「トレーニング デイ」のアントワーン・フークア監督が、リチャード・ギア、イーサン・ホーク、ドン・チードルの3人を主演に迎えて描く緊迫の刑事ドラマ。 ブルックリンの犯罪多発地区で危険と隣り合わせの過酷な日常を送る3人の警官たちの三者三様の苦悩が、リアルかつ緊張感溢れるタッチで綴られてゆく。共演はウェズリー・スナイプス、ウィル・パットン、エレン・バーキン。 (この項、All Cinemaより転載しました) 【ストーリー&感想】(ネタバレあり) ニューヨーク、ブルックリンの低所得者層が暮らす「BK公営団地」。ここで、警官による強盗事件が発生し、罪の無い将来を嘱望されていた黒人青年が被害者になった。 マスコミの非難にさらされたニューヨーク市警では、犯罪の取締り強化でイメージの回復を狙う。そんな中、ベテラン警官のエディは定年退職を1週間後に控えていた。日々を無難にやり過ごすことだけを考えて警官人生を送ってきた彼だったが、最後の任務として犯罪多発地区での新人研修を任されることに。 カトリック教徒で信心深く5人の子だくさんの麻薬捜査官、サル。愛する家族のためにどうしても広い新居が必要になるが、彼の薄給ではとうてい資金の工面などできるわけもなく、カビ臭い安アパートでの生活で妻の体調は悪化の一途を辿っている。麻薬捜査の現場で、大金を目にする度に、警察官としての正義感と自らの生活環境からの脱却との挟間に揺れていた。 長年、BK公営団地を基盤に持つギャングへの潜入捜査を続けているタンゴ。身分を隠す潜入捜査で妻ともまともに会う事が出来ず、もはや結婚生活もボロボロで離婚を突き付けられている。捜査から抜けたいと上司に願い出る。ところが、そんなタンゴに、彼の命の恩人でもあるギャングのボス、キャズに対するおとり捜査というさらなる過酷な任務が課せられる。 キャズ逮捕と引き換えに昇進を約束されたが、上司は黒人であるタンゴでなければキャズ逮捕は難しいと思っていた。 この三人のそれぞれの人生観、警察官としての職務遂行能力は異なる。正義感は薄く退職前の1週間を従来通り無難に過ごすことだけを考え、同僚からは馬鹿にされ続け挙句の果てには研修を施している新人警官にまで蔑まれ担当を外されたエディの唯一の息抜きは、娼婦のチャンテルと過ごす間だけで、そのチャンテルにさえ自分の気持ちを裏切られたエディ、最後は、退職期限切れ直後に「一般市民」となったエディが、誘拐された女性を救出するのは皮肉だ。 正義感が強いのは、子沢山で病気の妻を抱えているからで、警察官の安月給サルも麻薬捜査での現場における大金をどう扱うかに悩むでは到底5人の子供と妻は養えない。アメリカの警官が退職後は年金で手厚く保護されるが、現職警官の下働きは辛いのだろう。そういう生活感がにじみ出ている設定だ。 黒人警官として公営住宅へ潜入捜査官として裏社会のボスの信頼を勝ち得ていたタンゴ。ボスの側近がタンゴは警察官ではないかと疑いの目を向けても、ボスのキャズはタンゴを信頼し続けている。 そんなキャズを上司から昇進と引き換えに逮捕せよとの命を受けて悩むタンゴだったが、キャズは対立する仲間に射殺されタンゴの潜入捜査も終りを告げたのだが、何と、ラストでは同僚警官にギャングと間違われBK公営団地内で射殺される。 この三人の人生、男性なら大いに共感出来るだろうが、タンゴのラストは気の毒だったな~。ドン・チードルもイーサン・ホークも私の好きな俳優で、今回は、特にドン・チードルの役が個人的に一番良かった。しかし、彼の上司である白人女性の上から目線丸出しの態度は、黒人警官であるタンゴを、自分達の思うように使って成果を挙げさせ、昇進をチラつかせながらも、結局はタンゴの昇進は見送り続けられ女性上司だけが良い思いをする。こんな構図の中で、タンゴはよく我慢していたなと思ってしまった。 イーサン・ホーク演じるサルは、結局は金の誘惑には勝てずに、正義感を発揮する前に家族の境遇を考えると、ああいう結末は予想の範囲内でしたね。イーサン・ホークはラヴストーリーも演じられるが、やはりヴァンパイヤよりは今回の様な役が良いですよ。 最後に、一番無難に生きて定年を全う?したエディ。彼の、今後の人生はどうなるのか?家族も失い、同僚も定年で失い、チャンテルとの生活も失い、彼の背中には男の郷愁が漂っていたのですが...。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.04.03 15:30:03
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