7:母の自殺未遂母の自殺未遂母親の自殺未遂について・・・。 もう5年ほども経ったかなぁ・・・。早いもんで。 灯油をかぶって、自分で火をつけた・・・。 母親が燃えているのを発見したのはわたしでした。 重度の火傷が全身に、正直、もう助かるまいと思った。 ICUに入れられて数ヶ月。皮膚の移植手術などの治療を経て、病室を変わって、計1年以上を火傷の治療に費やしたでしょうか?毎週50キロも離れた病院へ、出かけていってケアをした。 全身火ぶくれで膨れ上がり、火傷の箇所から失われる体液を補うための輸血でパンパンに膨れ上がり、バケモノようになった母親の姿は、きっと一生忘れられない。 現在は、リハビリの成果で、歩けるほどには快復している・・・。でも、嬉しいとは思わない。 こんな風にして文章にできるのは、自分の中である程度は気持ちを消化できているからだと思います。欝を患い、病気がその行為に及ばせたのだとしても、多くの時間と精神的な安定を奪われた恨みは消えません。ただ、彼女を責めてみても失われたものは取り返せないし、こちらの気持ちなどまともに取りあわないのだから、精神的に消耗するだけです。そんなことは望まない。 いつだって“被害者”であり続けたい彼女は、自分の取った行為によって、家族にもたらされたもろもろの迷惑を、絶望を、省みることは決して無い。「地獄を見てきた」と彼女は自慢げに語ります。それが、何?こっちだって望まないのに、地獄を味わわされたよ。あんたのせいだよ? 以前電話で話したときに、「謝ってよ」って言ったんです。でも、「どうやって謝ったらいいかわからない・・・」って。だから言いました。「(怒)ひと言、“申し訳なかったって、言ってよ!」でも、はぐらかすだけで、その言葉は聞くことができませんでした・・・。 今現在も精神科に入院中の彼女からは電話がかかってくることがあります。わたしが出た場合は、ひと言も返さずに黙って受話器を置きます。そうするしかないんです。 自分と家族の境界を曖昧にして、責任の所在をうやむやにしようとする母。何かと言うと子供を自分の不幸に巻き込もうとする母。そこから離れて、自分の思うままに振る舞い、生きようとすると、置いていかれまいと足を引っ張ろうとする母。 これがわたしの母親です。 生きているけど、死んだものだと思ってる。その方が、気が楽だから。もう、会いたくない。会わずにいられるなら、それに越したことはない。そう思っています。 最終校正日 04. 1/07
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