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マックの文弊録

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2011.11.15
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カテゴリ:よもやま話
【11月15日(火曜日) 旧十月二十日 甲戌 大安 月齢19.3】

今日は寒い!
北海道では雪だそうだ。予報だと関東北部、甲信越の山沿いでも雪になるらしい。今回の寒気の「底」は今週の木曜だそうだから、この寒気、暫く続くらしい。
考えてみれば、いや考えるまでもなく、もう既に11月の中旬なのだから、これくらい寒くても、北の方から雪の便りがあっても不思議ではない。むしろ当たり前なのだ。
しかし、今年は天候も乱調傾向が続き、ついこの間まで暑かったし、そう思っていたら急に寒くなったり・・・、を繰り返してきた。我々も「季節の流れ」への感覚が変調をきたし、雪の便りを聞くと「え、もう?!」と驚いてしまう。

今年は世界の方々で地震災害が起こっているし、タイでは緩慢なる洪水被害だ。自然のみならず、政治も経済もどうも世界中で乱調気味である。なんだか地球の変調が、その表面にへばりついて暮らす我々人間どもの心理状態にも、影響を及ぼしているような気がしてくる。

「地震の前には、家鼠が逃げ出す。モグラが地上に出てくる。冬眠中のヘビが目覚めて出てくる。鯰が騒ぐ。・・・・」、「低気圧が近付くと、頭が痛くなる。」・・・・など。生き物はその生理や感覚に自然の影響を受けている。
それと同様に、3・11に代表される今年の自然の変調に人間の心理状態が影響されて、中東の幾つもの国では政変が起こり、欧州では財政不安が進行し、為替は歴史的円高になり、ビン・ラーディンもカダフィも殺された。・・・思い過ごしだろうか?

さて、昨日(11月14日)は二の酉だった。方々の「オオトリ」神社の近くでは、熊手を持って歩いている人を見かけた方も多かろうと思う。
ところが、昨日は旧暦では十月十九日、つまり月名は「神無月」だ。神無月の間は全国の神様達は、出雲に集結なさって全国大会を開催していらっしゃる。つまり、津々浦々の「オオトリ」神社には(出雲の国のそれは除いて)神様はいらっしゃらないのだ!
神様ご不在の神社に参詣して熊手を戴いても、果たしてご利益はあるのだろうか?今年の一の酉(11月2日)も、旧暦では神無月だったから同様である。今年は三の酉(11月26日)がやっと旧十一月二日だから、神様はそれぞれの神社にご帰還になっていらっしゃる。
まぁ、神様のことだから、肝心な要事があるときには、出雲の全国大会を抜け出しワープでもなさって、超高速で「日帰りご帰還」をなさっているのかも知れない。折角「酉の日詣り」をなさった方々の為にも、そうであると思いたい。

最近は、日本人の間に一種「懐旧趣味」が流行しているようだ。
東京でも「ヤネセン」などと言って、都心の盛り場ではなく、谷中、根津、千駄ヶ谷といった江戸情緒(?)が残る下町が人気を集めているし、全国的にも「歴女」といって、色々な歴史に因む場所を訪れたり、古美術や和太鼓、能などの古典芸能を趣味にしたりする人が増えている。また、論語の素読をする集まりや、句会などがこういう人たちの人気を集めてもいる。これも、地球の「変調」が人心に影響しているのだろうか?
そう言えば「歴女」とはいうけれど、「歴男」とは聞かない。やはり、男性より女性の方が、自然の営みに、ひいては「変調」にも敏感なのかもしれない。

旧暦ライフの先達「キューレキアン」という言葉を最近耳にした。これは「旧暦アン」、つまり現行の太陽暦(新暦)ではなく、太陰暦による様々な行事やしきたりを再認識して、それらを日常の生活に活かしていこうとする人たちのことを言うそうだ。
「旧暦アン」達は、「干支」や「六輝」に因んだ暦日に基づいて(六輝は太陰暦とは本来無縁であるが)、「庚申待ち」や、以前にこのブログにも書いた「亥の子祭」など、昔ながらのしきたりを復活・実践したりしているそうだ。基本は「月齢を生活のリズムにする」ということらしい。
確かに、農作業は太陽の運行に大きく左右されるものだが、漁業や林業、そして生き物の体調などはむしろ月の影響をより大きく受けているから、月の満ち欠けに従った生き方は、より「自然」かもしれない。旧暦に即した行事などを尊重するということは、「温故知新」の実践だともいえる。
それにしても、そういう生活を「旧暦ライフ」と、正統日本語ではなく、英語との合成語で呼んでいるところは、なんとなく可笑しい。

ところで、11月の旧月名は、「霜月」がよく知られているが、これが唯一というわけではない。他にも約十種類もの別名が有るのだ。思いつくままに並べてみると、先ず「神帰月」という分かり易い名前がある。かと思えば「建子月」、「辜月」、「天正月」、「竜潜月」など、由来を調べてみたくなる名前がある。そして「霜降月」、「雪待月」、「雪見月」という、今の季節らしい名前がある。更には「陽復月」という、12月にある冬至を先取りしたような名前もあるのだ。
これらの名前が、俳句などの世界を始めとして「旧暦アン」によって、徐々に思い出されていくようになれば、特に「旧暦アン」ではない私も嬉しい。それに旧暦で酉の市をやっていれば、神様達に「超高速日帰り帰郷」を強いることも無かったろう。

ところで、この「旧暦ライフ」を、醸造酒の製造に際して採用する醸造家が最近増えているのだそうだ。
醸造酒を造るのには、酵母菌によるアルコール発酵が重要な過程を占めている。日本酒でも、ビール、焼酎、泡盛でも、ワイン(葡萄酒)でも、酵母菌の働きによって美酒を得られる点では同じだ。
酵母菌も、わが生物界の三大分野(動物界、植物界、菌界)の一角を占める生き物であるから、われわれと同様月の影響を大きく受けているに違いない。
だから、ワインの場合だと、「ぶどうの収穫」、「酵素による細胞内発酵」、「酵母によるアルコール発酵」、「ろ過」、「タンク熟成」、「瓶詰め」などの工程の節目々を月齢に従って(つまり旧暦ライフによって)行うのは、自然の摂理に適っているのかもしれないと思う。

17日に解禁明後日(17日)にボージョレ・ヌーボーの解禁日を迎える。この解禁日は、全世界共通に11月の第三木曜日と定められている。
明後日はボージョレの新酒を戴いて、今年のぶどう酵母菌たちが自然の変調を受けたか、或いは何事もなく無事だったか、ご自身の舌で確認されてみるのも一興かもしれない。





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最終更新日  2011.11.15 15:28:21
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