北方領土対策根室地域本部北方領土対策室からのお知らせです。
平成27年度における最初の墓参事業となる北方墓参(第1班)が7月17日(金)から20日(月)の日程で行われました。
【北方墓参とは】
人道的観点から旅券、査証(ビザ)なしで簡易な身分証明書によって、北方領土の墓地等に埋葬、納骨されている物故者の親族の方々が四島で墓参をするものです。
今回の北方墓参第1班は、団員31名、同行者14名の計45名が四島交流等使用船舶「えとぴりか」を利用して国後島を訪問しました。
当初は、ブニ、オタトミ、古丹消(こたんけし)、ハッチャスの4箇所の墓地で墓参を行う予定でしたが、台風が近づいていたため、日程を短縮し、オタトミと古丹消の2箇所の墓地で墓参を行うことになりました。
ブニ、オタトミ、古丹消、ハッチャスの位置
7月17日(金)
根室港で行われた出発式を終えた墓参団は、午前9時に出港し、国後島古釜布(ふるかまっぷ)沖に移動し、入域手続を行いました。
手続終了後、最初の上陸地であるオタトミ沖へ移動し、その日は船内泊を行い、翌日の上陸に備えました。
出発式での集合写真
7月18日(土)
午前7時に小型船舶「えとぴりか2」に乗り換え、オタトミ浜に向けて出発した団員達は、上陸後目的地であるオタトミ墓地を目指し、海岸沿いを10分ほど歩きました。
オタトミ墓地は、急勾配の坂を登った高台に位置しており、団員全員が登ることは難しかったので、高台前の砂浜で、今回訪問できなかったブニ墓地との合同慰霊祭を行いました。
慰霊祭が終わった後、約20名の団員はオタトミ墓地に向け急斜面を登り、オタトミ墓地で墓参を行いました。
合同慰霊祭の様子 オタトミ浜での集合写真
その後墓参団は、一旦帰船し、次の墓参地である古丹消へ向かいました。
古丹消浜上陸後は、海岸沿いを約20分ほど歩き、膝丈ほどの草の生い茂る丘を登り、目的地である古丹消墓地に到着しました。
墓標周辺の草刈りを団員で協力して行い、すぐにハッチャス墓地との合同慰霊祭を行いました。
合同慰霊祭の様子 古丹消墓地での集合写真
7月19日(日)
国後島古釜布沖で出域手続を行った後、根室港に向けて出発、19時45分に根室沖に到着し、船内泊を行いました。
7月20日(月)
午前8時40分、台風の影響もなく晴天の中、全員無事に帰港することができました。
記者会見で団長は、「ロシア側の対応が厳しく、墓地の周り以外の写真撮影が禁止されていました。それでも団員の皆さんは、墓参することができて満足していたように思います。」と感想を述べられていました。
下船の様子
慰霊祭や船の中で昔を懐かしんでおられる様子を見て、1日も早く四島が返還され、自由にお墓参りができる日が来ることを切に願います。
次回の北方墓参第2班は、8月31日(月)から9月2日(水)の日程で、歯舞群島の多楽島を訪問する予定です。