テーマ:ベタが大好き!(585)
カテゴリ:さかなおやじの言いたい放題
じゃあ、逸品堂のメスが最善か?って言うとそんなに世の中は甘くありません(笑)。最近でこそ少しずつ自家繁殖個体を取り扱うようになりましたが、基本的に逸品堂のベタはバンコク産です。したがって、オスメス共にどういった系統でどの程度の固定率かと言う事が正確には判りません。つまり、見た目がそっくりのペアを使って繁殖しても、子供が100%同じ系統で揃うと言う保証がどこにもないのです。 まぁ、個人的にはそっちの方が面白いとは思いますけどね。だって、プロブリーダーじゃない限り、繁殖させた子供が金太郎飴状態で全部同じ表現形ではすぐに飽きが来ちゃうと思います。どうも我が国のアクアリストは純系がお好きなようですが、本来純系とは自分の所で何代も累代飼育して作るべきもので、人様の所から純系のペア貰ってきて繁殖させたものはあくまでも前の所有者の純系だと考えます。まったく私的な暴言をさせていただくならば「まずは自由奔放な組合せでペアリングし、その中から自分の目標を定めて数代かかってその系統を確立する」って言うのが、改良ベタ繁殖の一番の醍醐味だと思います。 ただ、コンテストを最終目標にされる方などは初めからある程度完成されている系統を入手された方が、早く結果を残せるのは確かです。その様な方は、国産の系統を取り扱っている信頼できるベタショップで種親を入手される事をお薦めいたします。逸品堂店主が他店を薦めているんじゃしょうがないんですけどね(苦笑)。それと、おそらくプラカットでは国産の純系と言うのは商業ルートに乗るようなレベルでは確立していないと思います。今回の一連の記事は、あくまでもベタ初心者の方が、お気楽にブリーディングを楽しんじゃおうっ!と言う趣旨で書かれていますので、さらに上を目指す方はサラッと読み流してください(笑) と言うような事で、ベタのメスの選び方に系統や色彩面での制約なんて何もありません。一般にオススメできないと言われている組合せだって、本人が好みであればジャンジャン試しちゃってください(笑)。ただ、奇形を選ばないようにするなどの注意点はオスとまったく同様です。 それと、オスほど明確ではないですがメスにもヒレの形状による区分があります。まぁ、クラウンテールは誰が見たって一目瞭然ですから別として、問題はショーベタとプラカットのメスの区別です。オスならばヒレの長さですぐに判るんですが、メスでは完全な判別は困難です。ちなみに、1枚目の画像がプラカット、2枚目がショーベタのメスです。心もちショーベタのメスの方がヒレが長いのがお判りいただけますでしょうか。実際には、ショーベタ×プラカットと言う交配も頻繁に行われていますので、この両者にははっきりとした境界線はありません。元々は同じ原種ですから、異種間交雑でもありませんしね。 こちらの組み合わせはカラーリングと違い御自由にどうぞって言い切れない部分があります。プラカット♂×ショーベタ♀の組み合わせはまったく問題ありませんが、逆のショーベタ♂×プラカット♀の組合せには少々注意が必要です。と言うのもヒレが極端に小さなバリバリのプラカット♀(笑)を用いると、子供はショーベタと言うにはヒレが短く、そうかと言ってプラカットにしてはヒレの長すぎる中途半端な子供が生まれて来る可能性があるからです。 プロブリーダー達は、このような組合せでプラカットの色彩をショーベタに導入した後、次世代以降でショーベタの系統と戻し交配を行い、最終的にプラカットの色彩を持ったショーベタを作出するのを常套手段としていますが、コレには最低でも数世代の時が必要です。この作業自体は非常に楽しいものですが、保有容器数の少ないアマチュアが気軽に手を出すべき分野ではないと思います。 さらにこの問題を難しくしているのが、バンコクのブリーダー達はショーベタとプラカットのメスをきちんと区別していないって事にあります。ブリーダーのファームでプラカットのメスをタタキ池からチョイスし、次に「ショーベタのメスはどこ?」って尋ねると同じ池を指差された事も何回かありましたからね~(苦笑)。そんな訳で、ショーベタのメスが必要な時は信頼できる国産の系統以外は、明らかにヒレが長く伸長しているメスを選択するようにした方が無難でしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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