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【2月7日・火曜日】 実は急に娘のV子がトルコにやってくることになって、それは何よりも嬉しいのだが、いろいろと行き違いが生じてもう、てんやわんやである。昨日6日にはひとみさんが来てくれて、イランの児童文学の1篇を荒訳したものを渡す約束だった。 土曜日と日曜日、あんなに苦労して仕上げた仕事である。ひとみさんが持ってきた小型のパソコンにUSBの小さなメモリーチップを使って、翻訳文を移した。 ひとみさんと食べた春巻きと、椎茸と葱とゆずの入った豆腐 で、2人で昼食を食べた後、仕事を始めたのだが、最初は2人とも気付かなかった。その、思わず髪を掻きむしりたくなるような、信じられない出来事を。 最後の方にスクロールしていったひとみさんが 「加瀬さん、ちょっと抜けているところがあるんじゃないでしょうか?」と言った。 「え、まさか・・・」 まさかではなく、本当に、前の日に何度も消えてしまって訳し直してやっと日曜日に完成させたはずの訳文が、また同じところから1ページ分くらい消えてしまっており、間に半ページ分くらいが残っていて、最後の半ページくらいがこれもまた消えてしまっていたのだった。 何度も消えては訳し、訳しては消えてしまったところなので、じきに直せるとは思ったが、先週通院したオグリとマヤを日曜日に連れて行かれなかったので、今日はどうしても診せに行かなくてはならない。 タクシーを呼んでひとみさんとトプハーネ駅で別れ、オズギュル先生に行った。オグリはくしゃみの回数も減り、快方に向かっていたが、マヤは体重も減り、円形脱毛症になった部分は乾いてきたがまた違うところに伝染しているという。 家に帰ると、日本のTV番組製作プロダクションから情報提供の依頼がブログのコメント欄に入っていた。 余り遅くならないうちに、リサーチを始めてコーディネーターとして私が推薦したい人の名を挙げ、ご本人にも了解を得て、メールを送った。 翌朝、つまり本日は朝からやり直しのページの翻訳を終わらせ、グランド・バザールで日本行きのチケットの代金を換金してひとみさんのお宅に行こうとしていたら、チェンベルリタシュ駅への道で花江さんとばったり出会った。 この前手伝って貰ったため、少しお礼をしたいと言ってあったので、ちょうどいい、と2人で近くの食堂に入り、昼を食べた。 「加瀬さん、私はおかげで変わったことが出来たので、お礼なんか要らなかったんです。ご飯もご馳走になったし・・・」 「それはそれ、これはこれ。取っておいてね。ほんとうにありがとう」 花江さんは心の底から嬉しそうに受け取ってくれた。彼女は11月下旬に、2人組のひったくりに襲われてハンドバッグごと奪われ、たまたま持っていたまとまったお金を取られてしまったのだった。 幸い怪我も大したことはなく、そのとき助けてくれた周囲の人々のやさしさに感動し、そんな目に遭いながらもトルコがますます好きになったそうだ。彼女とは駅で別れて私はスルタンアフメット駅までひと駅だけトラムワイに乗った。みぞれが降りだした。 ひとみさんは私のためにお昼を支度して待っていてくれたそうだが、2時近くになってやっと彼女の家にたどり着いた。 自分のメモリーチップ(これも机の引き出しを片付けたので出てきた)に入れ直した訳文を渡し、彼女のパソコンで検査して貰った。 雨が降り出し、外は恐ろしく寒くなった。餅入りのお汁粉をご馳走になって、少しお喋りをして暗くなる前にひとみさんの家を出た。 彼女がタクシー乗り場まで送ってきてくれたが、道の修復工事のため、どこもかしこも掘り返され、惨憺たる有様。 かなり歩いたが、幸い、1台の空車を見つけることが出来、海岸通りの恐ろしい渋滞のせいで1時間以上かかって、料金は倍近くなったが無事チュクルジュマに戻ってきた。道が混んでいなければ10分で着くのに・・・ さあて、掃除をしなくては、と思ったが、メールの中には急ぎのものもあり、連続ドラマをかけながらも、手はキーボードを叩いていた。 なんだか疲れてとうとう何の掃除もしないまま寝てしまった。明日の朝から始めれば夜までには何とかなるさ、見える所だけは、とまだ自分を過信していた。 あああ、後の後悔先に立たず。日ごろが大事、自分の能力以上に動き回るからきっと罰があたったんだわ・・・・ ―――― 次の日、娘が西へ西へと飛んでいる頃、私は後から後から入ってくるいろいろな電話だの、メールで知らせなければいけないことなどに忙殺されることになるのだった。そして恐ろしや、ついに掃除に取り掛かれるぞ、という時に・・・わがチュクルジュマは断水していたのだった。 お知らせ ◎※△ 海泡石(リュレタシュ)がネットで買えます! イスタンブール唯一の海泡石アトリエ、シナン・ウスタの作品がついにネットで購入出来るようになりました。追々品数も増やしていくとのことです。ぜひご覧ください。 ? │<< 前日へ │翌日へ >> │一覧 │ 一番上に戻る │ |