「風力利用貨物船」
《(2008年02月05日)欧州に本拠を置くDHLグローバルフォワーディングは、風力を利用した曳航システム「スカイセールズ」を搭載した世界初の貨物船であるベルーガ・スカイセールズ号を利用した民間輸送に取り組む。このほどドイツ・ブレーメン港を出港し、パーティクルボード(木材小片の成形板)工場の部品をベネズエラに輸送。風力を活用することで、気象条件によるものの、燃料消費を10~35%削減することが可能になるという。全長87mの小型貨物船であれば、年間28万ユーロ(約4,400万円)の燃料費を削減できる。》《「ベルーガ・スカイセールズ号」は、ブレーメンの海運会社ベルーガ・シッピング社が保有している船舶で、「海上では、風力は石油より安価でクリーンな燃料源である」という信条に基づいて設計されている。》 《風の力で船が進む?帆船の時代の話ではありません。なんと、“凧”を上空あげて風の力で燃費を向上させる船「ベル-ガ号」がドイツで誕生したのです。「スカイセールズ」と名づけられたこの曳航システムは、160平方メートルの巨大凧を気流の安定している上空300メートルまで上げます。凧にしたのは上空まであげられることと360度いずれの方向からの風に対応できるからだそうです。風向きや強さによっては10~35%の燃費向上が見込めるそうです。ちなみに、近年も無限に存在する風の力を利用し船燃費をよくする試みは行われてきました。オイルショック時に建築されたコンピューター制御の鉄の帆を装備した「新愛徳丸」などがその例ですが、いずれもコストの高さ、帆の大きさによる積載量の低下、逆風時の抵抗などの問題が発生し、普及には至りませんでした。しかし、今回誕生したベル-ガ号はそのいずれの問題も解決しそうです。》