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まいかのあーだこーだ

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2005.09.27
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カテゴリ:ドラマレビュー!
めずらしく映画の話。

あんまり暇だったのでDVDでも借りようと思って、
「なに借りようかな~」って考えてたんですけど、
映画サイトで『パッチギ』っていうのがみんなに褒められてたので、
それを借りてきて、観ました。

よくテレビにも出てくる、
井筒和幸ってオッサンの映画。

わたしは、この人、
なんとなく尊敬できない映画監督だろうなーと思ってたんですけど、
そのわりには、映画批評サイトの、わたしが信用してるレビュワーをふくめて、
いろんな人がこの映画を褒めてたもんだから、
かえって確認してみたくなったのでした。

すでに、
今年の始めごろからたいへんな話題にもなってたらしいんですけど、
最近の映画に興味がないこともあって、
まったく気にも留めてなかったのデシタ。

で、観たんですけど、

いい映画でした。
まずは、「映画」として。

いつもは日本の映画には関心もないので、
「これが本年度の日本映画ベストワン」なんてこと考えもしないんだけど、
これを観たら、「たぶんこれが今年のベストワンだろう」と思った。

他の映画は何ひとつ見てないんですけど。(~~ゞゞ

それでも、そう感じさせる力を充分にもってる映画だし。


内容は、いわゆる「朝鮮人」の話です。
在日朝鮮人と、日本人の葛藤の物語。
したがって、そういう意味でも、当然のごとくに「反響」を呼んでるみたいです。
つまり、右の人たちのほうからは、
在日朝鮮人の口から「過去の問題」が話されるシーンに生理的な拒否反応があって、
他方、「これは政治映画じゃなく、青春映画なんだ!」っていう評価もあるらしい。



で、
わたしが、この映画を観て思ったこと。

この映画が「政治的な作品」じゃないと言えばウソになる。
でも、「政治的」な作品であることを超えて、
何より「映画的」であることの力を爆発させてることによってこそ、
まずもって、この映画は、確実に評価できる作品です。

映画としてきちんと作られてあるし、
この監督ってニセモノじゃないんだなってことは、すくなくとも理解できた。

そのことは、↓ここにも書きました。
http://www.jtnews.jp/cgi-bin/revper.cgi?REVPER_NO=24063

とはいえ、
やっぱり、この映画がこんなふうに「映画的な力」に満ちてるのは、
その根底に、
「政治的」であることをも恐れないような姿勢があったからじゃないかと思う。

いまの日本映画って、
現実を逃避するためのフィクションに徹した商業作品とか、
現代日本人の閉塞した内面性をウジウジと描写した自主作品ばかりで、
(↑これはこれで真摯なことなのかもしれないけど、
 それにこだわることから「映画の力」が生まれてくるとも思えないです・・)

現在の日本人社会が直面してるような、
ヴィヴィッドで、なおかつ触れることの難しい政治的な問題を、
「パカッ」と開けちゃったようなものって、ほとんど無い。

でも、
本来は、
それこそが映画に力をもたらすんじゃないかと思う。

べつにプロパガンダ的なメッセージとか、
政治的な主張やら答えらしきものを何ひとつ提示できなくても、

とりあえずは、全部ぶちまけてしまうこと。

良いんだか悪いんだかも分からないまま、
とりあえず、そこに映画的なエモーションをぶち込んでしまう事。

そこからしか、
現代の日本映画に「力」なんて生まれてこないんだってことを、
この映画はみごとに証明してると思う。

だから観客は、まずはとりあえずそれを“観れば”いい。

したがって、
観ないよりは、断然観たほうがいい映画になってます。

そういう点で、
井筒和幸って人は、
映画監督として非常に正しいことをやってると思いました。







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最終更新日  2005.09.27 17:20:55


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