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『監督失格』
(1/27~2/10:TOHOシネマズファボーレ富山) 公式サイト:http://k-shikkaku.com/ 2005年に34歳で急逝した女優・林由美香さんを題材としたドキュメンタリー。 ドキュメンタリー『由美香』(1997)を手がけ、由美香さんの元恋人でもある平野勝之監督が、 約15年間にわたる記録と、由美香さんの死後に新たに撮影した映像で構成しています。 『由美香』は平野監督と由美香さんが自転車で北海道の礼文島まで行くという、 「監督」と「女優」による伝説の自転車不倫旅行ドキュメント映画です。 2人は不倫の関係によくある(いや、僕は知りませんが・・・)喧嘩をしたのですが、 いつでもテープを回し続けていた平野監督が、その時の映像は撮っていませんでした。 その時、由美香さんは「監督失格だね・・・」と言いました。 旅の帰りにも喧嘩をしました。 そして、監督自身が泣いたところを撮ってなかったときにも言われてしまいました。 「監督失格だね・・・」と。 その言葉がいつまでも心に残ったまま、2人は別れ、そして数年後、運命の日が訪れます。 平野監督は林由美香さんの自室に入り、そこで彼女の死体を最初に発見しました。 そして、その時の記録がテープに残っていました。 このドキュメンタリーは、 平野監督の中で女優・林由美香がいかに大きい存在であったかが分かる作品です。 僕も男として分かる部分があります。 平野監督は由美香さんのことを愛していただけでなく、リスペクトもしていたはずです。 愛し合いたいだけではなく、男としても監督としても林由美香に認められたい・・・。 ゆえに、彼女の言葉は、彼にとって命よりも重くのしかかっていたのではないでしょうか。 ちなみに、林由美香さんは知る人ぞ知る、超人気女優でした。 最終的に200本以上のアダルト・ビデオや成人映画に出演したそうです。 僕は若い頃に彼女が出演したビデオ作品を何本か観ただけですが、 映像から女優としてのプロ意識の強さとかわいらしさが伝わってくる人でした。 生い立ちとしては、いろいろと複雑で苦労も重ねているようです。 で、本作を観て、彼女独特のかわいさは、女優としてだけのものではなく、 一人の女としてのかわいさなんだなということを、改めて感じることが出来ました。 その辺のところが分かってないと入り込めないかもしれませんが、 実はこの映画が描いていることは、誰にでも共感できる要素があるような気もします。 とはいうものの、この映画はお客さんに観て欲しいというよりは、 結局は平野監督が自分自身の為に撮ろうとしていたようなものです。 由美香さんは平野監督と(不倫とはいえ)恋人同士でありながら、 平野監督にプロであり続けることを求めていた、というより、許していたと思うんです。 で、監督自身もそのことを感じていたとは思うのですが・・・。 でも、監督の気持ちもよく分かりました。 と同時に、俺、一人の女のことで、ラストシーンのようになれるかな? と自問自答してしまいました。しかも、答えられない・・・。 由美香さんのお母さんが発した、 「人間は2度死ぬ。本当に死んだ時と・・・」という言葉も印象的でした。 でも、由美香さんの2度目の死はないんじゃないかなぁ・・・。 この映画がロードショーから少し遅れたとはいえ、 富山の映画館で上映され、そして、観ることができて良かったです。
最終更新日
2012年02月04日 21時05分27秒
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