男前経営論


『ピーチ・ジョン』もしくは『ＰＪ』といえば、、、

私と同世代かそれ以下の年位の女性なら「ああ、あの…」と

わかる人が多いのではないでしょうか


そう、女性の下着を販売している通販会社で、

最近では店舗販売も展開してます。



野口美佳さんは、ピーチ・ジョンの社長にして４児の母。


この本は彼女の語り下ろしをまとめたもので、

３年ほど前に出版されたものです。


ピーチ・ジョンがどのような軌跡を辿って今の地位を

築いたのか、そしてその体験を元に一般に社長として

求められる資質について書かれています。


『男前』とは、野口さん自身の性格を現してのことらしいけど、

本を読み終えての感想は、いかにも女性らしい人だなぁ、、、と。


経営者、社長という地位にいる女の人は、とりわけ男勝りで

男性的な思考を持ってして成功している人が多いような

イメージがありますが、扱っているものが女性下着なだけに

やはりそこは女性らしさや女性的な感覚が必要であり、

そのあたりが経営にも反映されているのかな。


だからこそ、成功に結びついた部分も大きいのかもしれません。



だって、、、

以前私がテレビで見た、某大手下着メーカーの新商品プレゼン、

女性用の下着を前にして、男の人がああでもない、こうでもないと、

議論してるんですものー


そんなのあり得ん！


と思った記憶が。。。



やっぱり女性が身につけるものですから、女性にしか

わからない部分ってあるでしょ？？？




今の日本のモノ作りは、まだまだ男性社会をベースにして

男性目線での商品開発が多いのだなぁ、、、と、

つい先日も、テレビで見た某大手電気メーカーの新商品の

プレゼンでも同じことを感じました。


そこで扱ってたのは洗濯機だったのですが、プレゼンする側も

はっきり言って「家で家事してる？」っていう世代のおじ様。


ＯＫを出す側も、そのちょっと上の世代の幹部がズラリ。。。


案の定、殿方が好きな「数字」や「データ」勝負で見たら、

（業界ナンバーワンの○○とかね）

どうのこうの～という話に終始してました。


あのぉ～、その洗濯機、もちろん男性も使うでしょうけど、

たぶんそのスペックだとターゲットはファミリー層、

つまり主に使用するのは主婦である女性ですよね。。。


女性はね、「数字」なんて関係ないのよ。


大事なのは「イメージ」よ「イメージ」


と、思ったのを覚えてます（苦笑）



本書の中でも、『「男はデータ」「女はイメージ」を理解する』という

小見出しがあり、内容もズバリで納得。


さすが、女性の欲しいものを、女性目線で売っている

社長さんだけあります。



全体を通して見ると、女性社長の成功物語としては大変面白いですし、

求められる社長としての資質についてもうなずける部分もありますが、

一般に社長として成功したい人の参考になるかと言われたら

そこは難しいかなぁ。。。というのが正直な感想。



女性がなぜビジネスの世界で大きな成功を収めにくいか、、、

そもそもビジネスの世界は男性メインで作られた歴史があり、

そこで生き抜くには、やはり数字に強いなど男性的な感覚が

必要不可欠ですが、女性ひとりではなかなか難しいもの。


彼女の場合、まずその部分を補う存在（パートナー）があった、

もともとそういう環境で社長人生のスタートを切ったわけで、、、。


ただし、たくさんの荒波にもまれながらも、困難に立ち向かい

投げ出さない姿勢や、諦めなずに続けていくバイタリティ、

そのような生き方そのものにはとても勇気付けられました。


そういう部分をもって「男前」としてるのかもしれない。


けど、、、

今は女性のほうが「生きる力」は強い、そんな時代かも（笑）



と、ここまでは本の純粋な感想。



そしてここからは余談ですが、、、


彼女の１日のタイムスケジュールを見て

ひとつだけ腑に落ちない部分が。


「社長として余裕を失わないための時間管理術」という項目で、

１８時退社後２時間をフリータイムとし、２０時保育園にお迎え、

お迎え後夕飯の支度や子供の世話、２３時子供就寝後、朝４時まで

フリータイム…とあります。


会社でいつトラブルが発生してもいいように、そして子供の急病など

緊急事態に対応できるように、、、と、時間的な余裕を持つのは

わかるのですが、保育園に通うくらいの年齢の子供の生活としては

ちょっと、、、と。


毎晩２０時にお迎え、そこから夕飯の支度ということは、

２１時くらいにようやく夕飯、そして就寝が２３時となるわけで、、、。


子供は毎晩２０時に就寝のわが家では考えられません


って、そういう意味で子供を犠牲にしたくないって考えてしまう

あたり、やっぱり私って甘いのかも。。。



まあワークライフバランスにおいて、何に重きを置くかは、

人それぞれの価値観で決めていくことで（良し悪しではなく）、

あれもこれもが無理な場合、自分自身の「絶対に譲れない」ポイントが

問われるようになるんでしょうね。


その時、自分はどういう決断をするのかな。ちょっと怖い気もする。。。



ともあれ、社長でありながら４児の母彼女は、本当に素晴らしい！

その点、純粋に心から尊敬します