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フランス大統領選挙:決戦選挙での… (そのほか)楽天ブログ 【ケータイで見る】 【ログイン】
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neomarsの日記

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2007年04月24日 楽天プロフィール Add to Google XML

 フランス大統領選挙:決戦選挙でのサルコジの当選確実
[ フランス事情 ]    

昨日フランス大統領選挙について触れたが時間がなかったため、中途半端な内容しか書けなかった。今日もあまり時間がないが、もう少しこの件に関して書きたい。

22日の結果で得票率84%だと報じられており、これはかなり高い。フランス国民の大統領選挙に対する意識の高さを覗わせる。誰が大統領になるかによって今後の国政のみならず、社会福祉制度や労働基準など一般市民の生活に密着した細部に至るまで影響が及ぶため、彼らはこぞって自分が支持する候補者に投票する。

いつものことで、フランスの開票システムは麻痺してしまい、結果発表が大幅に遅れてしまった。昔からそうであるが、何かが起きたり、何かが行われると、何かが必ず麻痺するのだ。これがフランスでは当たり前の状態となっている。日本の様に全てが滞りなく進んで、成功裏に終わるなどということはまずない。むしろ日本でのように全てがスムーズに行くほうがミラクルなのである。

しかも融通が利かないことから大統領選挙となれば全てが大統領選挙一式で、他の行政機関が機能不全を起こしているようだ。パートナーと今年の2月初旬から始めた結婚手続きが未だに完了していない。フランス本国に請求しているとある資料が送られてこないからだ。当初は、一ヶ月から3ヶ月かかると言われ、全てがスムーズに行く状態を当たり前としている私にとっては、たかが「紙一枚」ごときに「一ヶ月から3ヶ月」も掛かるということが信じられなかった。

まあ、一ヶ月もしない内に届くよ、と思っていたのが甘かった。もう2ヶ月も経つのにうんともすんとも言ってこない。痺れを切らせて電話してみると、「そんなに急ぎなら、そう書いておいてくべきだったのよ。また結婚のためなら、その旨を明記した手紙でも送ったほうがいいわよ。」などと言われる始末。「ご迷惑をおかけしておりまして・・・」などという神妙さなど微塵もない。まあこれはフランスに限らず各国のお上の職員は皆揃いも揃って愛想というものがないのだが・・。

それにしても世の中急いでいない人なんているのだろうか・・・と考え込んでしまった。このようなことを言われると私が意味なく生き急いで悪いことをしているみたいだ。また、「結婚のため」というのはきちんと明記されているなずなのだが・・・まあ心ここにあらずの状態で仕事をしているのだろうから、小さな欄外に書かれた文字などには目もくれなかったのだろう。

私はフランスに住んでいる最中に怒らなかった日は一度としてなかったと思う。周囲の「とろくて、怠け者で、効率が悪く、やる気のない」フランス人にいつもいらいら、カッカきていたのだ。目の横の血管が切れそうなほど怒ったことも何度かあった。フランスはこの「非効率」を除いては全て地上の楽園を思わせるほど素晴らしいのだが、この一点があるがために、私は永住を考えられないでいる・・フランスに住むなら、お手伝いさんが10人ぐらい常駐してくれていて、いわゆる日常の雑事に関わらない身分にならないと、生活していくのは無理だ。

しかしながら、さずが我がパートナーはフランス人だけあって、信じられないほど忍耐強い。彼は、「まあ、あと一ヶ月ちょっとの辛抱だよ。それに送られてこないわけじゃあないんだからさ。まあ、気長に待とうよ。」とひとこと言い、全く気にしている様子もない。私は呆れてものが言えなかった。そして、彼はどこででも暮らしていくことができる人間だと改めて関心した。私は基本的に日本以外無理なのかもしれない・・・。私にとっては「非効率」とは拷問に等しいのだ。とにかく、「非効率」を指摘して逆切れされ、それに対して「逆、逆切れ」をして「すげー日本人」の異名を売った日本人は私ぐらいだろう。

話はかなりずれたが、本論に戻ろう。

結果はサルコジに31%、ロワイヤルに26%、ベローに19%、ルペンに10%だか(確かではない)が投票されたということだった。誰一人過半数を獲得していないため、上位二者が5月6日の決選投票に進むことになった。サルコジとロワイヤルの対決となるのだ。しかし、結果はもう見えている。サルコジが選出されることは明らかだ。ベローとルペンの票はサルコジに行くことになるだろうから、決選投票では彼の得票率が増える方向に動くと思われる。

フランスのお金持ちは自由主義資本主義経済を信望するサルコジに投票したということだが、その他一般のフランス人もルペン支持でなければサルコジ支持に回っているようだ。やはり、80年代のミッテラン社会主義政権時代にアラブ人が大量に移民してきたことが記憶に新しいらしく、左派からの候補者を大統領として選ぶことは難しいのだろう。日常生活の様々な部分における差異から始まり、フランスのひとつにして不可分の国民というアイデンティティの動揺にいたるまで、アラブ人という「目に見えるマイノリティ集団:visible minority group」は、白人系フランス人にとって目障りな存在となりつつある。

しかしながら、フランスにおけるアラブ人口が増えたのを彼ら移民の責任だけにはできない理由は多々ある。多くの人々は、フランスが現在抱える移民問題をアラブ人のせいにしているが、私個人としては、大体において行政側の誤りによるものだったと考えている。政府の政策が現在のような「怠け者のアラブ人」を創り出したのだと思う。

人間の性格や生活態度には生まれながらの要素も影響しているだろうが、同時に育った環境も大きく影響するものだと思う。フランスという働かなくとも生活していける手厚い福祉制度においては、アラブ人でなくともまじめに働こうとはしないのだ当たり前だ。しかも、働こうとすれば差別的な待遇を受けるということが明らかであればなおさらのことだ。

フランスは、第二次大戦後に新たな国際社会の展開が見られる中で、「ひとつにして不可分の国家」を追及する上で誤った政策を採ったのではないかと思われる。第二次大戦後には植民地主義に終焉が訪れ、多くの植民地が独立を果たした。この様な中で、よい暮らしを求めて宗主国へ向かう人の流れが形成され始めたのだ。またヨーロッパの復興と経済成長の時期と重なり、人手が足りないことから移民が奨励されさえもした。

そんな矢先にオイルショックが起き、フランス経済は停滞期に入り、その後はご存知のとおりだ。栄光は過去のもの・・となりつつある。経済停滞期には、安い労働を提供する労働者のニーズはそれほど大きくなることはない。むしろ必要でなくなるというのが常であり、多くの移民労働者が解雇された。この様な状況に対応するべく設立された手厚い福祉政策なのだろうが、これが現在では裏目に出つつある。もちろん移民労働者だけのために設立されたわけではない。エスニシティで差別化しないフランスのことであり、もちろんのこと全てのフランス人を対象として設立され、運営された。しかしこの制度の運営は年々厳しくなっているのが現状だ。

また、それと同時に、フランスが直面しているもうひとつの問題として、頭脳流出がある。お金持ちはオフ・ショアはもちろんのこと、最近ではスイスをはじめとして資産の多くをフランス国外で保持するようになっている。また、能力のある人々はフランスではなくアメリカなど自分の能力を「高く」買ってくれる国へと移住し始めたのだ。また、フランスにいて高額な税金を意味もなく支払い、35時間労働という結果として人間を腑抜けにする制度の下で生活していくことにたいして、考える頭のある人間は疑問を抱いているのだ。そして行動力のある者は、さっさと外国へと移住していく。

しかし、「気高い」世界しか見えていないエリートで牛耳られたフランス政界・財界・経済界においては、理想と現実が常に連動しているわけではないという事実を把握できないでいる。エリートの世界とは理想と現実が常に連動している世界だ。そん中で長く暮らしてきた人間には、一般社会の現状や常識が通用しなくなっているのだろう。35時間労働も、エリートで構成される「気高い」社会では予定されたとおりに機能したことだろう。しかし、へ堕落で無能な人間がほぼ80%を占める一般社会においては、このような規則は悪用されこそすれど、予定されていた「正」の効果など生むはずがない。

35時間労働はほんのひとつの例に過ぎないが、フランスで生活するうちに、形こそ違えど再生産され続ける「同じ」問題に気づくようになった。エリートと一般大衆の間に超えることのできない溝が横たわっているため、フランスはもはや「ひとつにして不可分」などではない。この二つのグループは全く異なる価値観と意識、規範・道徳で形成される社会に生きておおり、相容れない状態なのだ。

しかしながら、最近の大統領選挙で目立つのが、有権者に媚びた態度だ。サルコジのように「強いリーダーシップ」を発揮しているイメージを与えようと努力している男でも、政策やヴィジョンを述べる上で、世論の動きに対して詳細の注意を払いながら見解を形成しているのが見え見えだ。何も独裁に走れなどといってるのではない。そうではなくて、自分の政治信条を明確に持ち、それにしたがいフランスにとって最も良いと考えられる政策を実践せよと言っているのだ。政治家とは大衆を導くためにあるもので、導かれるものではない。

ポピュリズムに陥るぐらい愚なことはないのだ。多くの研究所や古典にも書かれているが、大衆は直情的で一過性の感情に左右されやすく、冷静に長期的なヴィジョンでもって国家の行く末を見通し、政策を立てることなどできない。また、国政を司るには膨大な量の専門知識から始まって高い教養、そして専門とする分野での幅広い経験が必要となるた。このようなことを、一般大衆の気まぐれに任せて決定したり実行したりしていてどうするのか?そう考えると、ミッテランやジスカールデスタン、そしてフランス人が敬愛していやまないドゴールなど強い信念と大局的な物事も見方・判断ができる政治家だったと思われる。

マキャべリが著書の「プリンス」の中で述べているが、「君主たる者、愛されるより、恐れられるべきだ」ということだ。この教訓は時代を超えて今でも真理であり続けると思う。恐れられるということが、すぐさま独裁だとか好戦家であることにはならない。人の上に立つ者は、愚かなる大衆を導く責務がある。それをせずして、ポピュリズムに走るだがために、エリートと大衆の溝も埋められない状態で相互理解は得られず、現状を無視した解釈や実践方法が間違った政策が蔓延しているのだ。

この件はまた後日書くことにするが、いずれにせよ、ムッシュー・サルコジが次期大統領に就任することは確実だ。さて、彼がどのような国政を敷くことができるかお手並み拝見である。我が家としては、ロワイヤルの脅威がなくなり、ほっとしている最中である。


最終更新日  2007年04月24日 20時35分52秒





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