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2006.11.24
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カテゴリ:カテゴリ未分類
前回からの続きの抜粋です。
CELL_EB.jpg

これがPS3に搭載されているCELLブロードバンドエンジンというデバイスです。

圧縮音声やDSDの話をしたので、これがDSPだと思う方もいらっしゃるでしょう。確かに中にはシャークそっくりなSIMD命令と演算方式をもつDSPが7個も入っています。

でもCELLはDSPではありません。そのDSPを束ねているのが、PCなどで使われるペンティアムやアスロンの仲間の「CPU」だからです。つまりCALLはCPUとDSPの両方の演算を高速にこなすデバイスなのです。

演算語長は基本が32ビット浮動小数点。倍精度演算をすると64ビット浮動小数点演算ができます。これが音質のよい第一の理由となります。

なにしろ演算速度が数年前のスーパーコンピュータ並で、オーディオ信号の倍精度処理なんて朝飯前。1080Pの映像信号の演算処理も同時に実行してしまいます (映像出力はグラフィックエンジンが別にオンボードされています)。速度はPentium4の3~4倍 (一説には10倍とも)。IBMが次世代のPCを作るために採用を決定している次世代PCのキーデバイスでもあります。

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PCのCPUというとマザーボードを思い浮かべる方も多いと思います。今回は画像を公開しませんが、実はPS3はたった一枚のマザーボードだけでできています。USBのリモコンも、HDMIも、グラフィックアウトもHDDもLANも、電源もBDドライブも、全部オンボードのコネクタにマウントされます。

そしてマザボをアルミのケースで上下から挟んで、その上に電源とBDドライブを乗せ、下に冷却ファンをおき、操作ボタン基板、ブルートゥース基板、メモリーカード基板もマザボと接続。そしてポリカの外装で包めば出来上がり。実にシンプル。BDドライブとHDDは一番遠いところにおいてありますが、これは音質を意識したとしか思えません。このシンプルでよく考えられている構造も高音質の可能性を提供しています。

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次にすごいのが、そのBDドライブの中のモーターと光学系です。

大きなトルクと高速アクセスは急加速、急減速、頻繁な読み出し位置の変更を行うゲーム機には絶対に必用なスペックです。そのため大型のBSL (ブラシアンドスロットレス) モーターが、ものすごく肉厚の金属ベースにガッチリと載っています。

高速アクセスが可能な光学系もBDの精度を持っていますので、DVD精度 (つまりBDよりはかなりの低精度) で十分なSACD用としては、かつてないほど異例に高級なドライブが使われているということになります。

そもそもBSLモーターというのは、ダイレクトドライブのアナログターンテーブルのために開発されたもので、そもそも最も高級なモーターのひとつです。かないまるもCDP-R3を設計したときにBSLモータを設計したことがありますが、小さい直径でもものすごいハイトルクが出て、なおかつ静かで音質がいいので、自分で作ったのにその性能にたまげました。

今後こういう高級モータはブルーレイディスクの再生のために復活してくるでしょうが、かつてCDでも、発売開始からCDP-X5000のころまでは普通に使われました。しかしその後マグネットモーター(模型用のモータと同じタイプ)の性能が上がったため、BSLモータは今はあまり使われていません。

強力なトルクをもち、芯ブレがなく、コギングもないBSLモータは、良質なオーディオ再生にはどうしても欲しいもので、ここにもPS3が高音質になる理由があります。

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ところで、スロットインのメカ。どうしてもカーステみたいでいやだという方に、とっておきのお話しをしましょう。

私がCDプレーヤを設計していたころ、音質的にみて一番むずかしいと思ったのはローディングトレイ (ローディングテーブル) です。ディスクと光学系の間に入るので、トレイが振動しやすく結構悪さをします。

トレイはスピーカの音圧の影響でガタガタと揺れるので、プレーヤの音質設計で最初に手を加えるのは、私の場合は実はトレイ周りでした。ローディング完了後にトレイを機械的にレバーでシャーシに押さえつけるというメカまで作りました。CDP-R3とCDP-R1a用ですね。「ステイブルロックメカ」なんて名前をつけました。

その後私が設計したCDP-R10やCDP-X5000では、トレイそのものを使いませんでした。いわゆるトップローディング。すでにこのころかないまるは、自分のモデルではトレイを使わないと決めたのです。

ところがスロットローディングは、入り口にある4個のローラーと、奥にある2個のローラーでディスクをセンターに持って行き、ローディング完了後はローラーが隅に離れてしまいます。つまりテーブルローディングと違い、不要振動を発生する要素がひとつ完全に除外されているのです。

PS3の中を開けてみて、実はこれをみて「ガーン」と思いました。そうか、スロットローディングは音がいいんだ…。これは気付きませんでした。

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というわけで、PS3は、どんな高級 (=高額) なプレーヤにも負けない数々の高音質になる理由を持っています。なのでかないまるは、だいたいの構成を聞いた段階で多分音がいいだろうなあと思っていました。

で、9月に、TA-DA3200ESのHDMIの検証のために、久夛良木社長に「ください」とお願いしたら、「いいよ」と2台用意してくださいました。持ってきたくれたのはSACD部分を作り込んだSCEの石塚さんをはじめ、SCE関係者約10名。

一緒に聴きましたが、いやー、たまげました。まだまだチューニングのいる音だとは思いましたが、とにかく今まで聴いたことがないよい音が出る。特に低音がいい。もちろんポリカの筐体なので少し狭い帯域バランスでしたが、それでも低音のが普段より1オクターブくらい低いところまで延びているのがわかりました。

そこで、TA-DA3200ESの最終の評論家導入用に使うことにして、内部はいじらずに、外側からきる限りの補強 (チューニング) をしました

また、導入をするということはきわめてシビアに音を聴かれますので、今まで発見されていない演算上の問題もかなりみつかりました。もちろん開始前にかないまるが発見したバグも沢山あります。

実は導入前日に巨大なバグが見つかり、責任者の石塚さんはなんと徹夜になりました。ご苦労さまでした。

そのほかTA-DA3200ESの最終仕上げと期を一にしていろいろと見つかった問題点も、SCEメンバーの信じがたいほどのモチベーションによりどんどん修正されました。そういうわけでPS3は、TA-DA3200ESと一緒に、何十人もの人間に鍛えられて仕上がったと言えます。

最終的にPS3+TA-DA3200ESの音は、聴く人に「いままで聴いたことも無いようなストレスのない自然でよい音。空間も異例に広い」といわしめるほどになりました。
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最後に。

このプレーヤをかないまるの職場で作ったらいくらになるでしょうね。なにしろ販売台数が3~4桁違いますからね。オーディオ機器として作ったら税込み20万円かな。足りないかな…。

もちろん音質を考慮しないで作ったらPS3は単なるゲーム機ですが、PS3は、久夛良木社長の執念と、SCEメンバーのモチベーションと、かないまるのお手伝いと、大勢の外部の方に鍛えられ、音質的にみて画期的といえるオーディオ機器になっているところがすごいんです。

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次回は、今回のお話しで出てきた「内部はいじらずに、外側からできる限り行ったチューニング」の全容を、惜しげもなく公開してしまいます。ただし耳で判断するチューニングもありますので、覚悟しておいてくださいね。

まあかないまるがどんなところで耳を使うかがわかって面白いと思いますが。
logo.jpg
ということでPS3はナカナカ凄いですね。ソニー贔屓を差し引いてもこれは買いですね。まもるくんもお金貯めて買うぞーースマイル








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最終更新日  2006.11.24 12:31:23



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