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いま、香港から広州へ、直通電車で移動しているところです。
ほぼ東京~静岡間に匹敵する、約180kmを走るこの鉄道は、私にとって、大変思い出深いものがあります。 今から22年前、忘れもしない、1988年3月6日。当時19歳の私は、最初の海外旅行先に中国を選びました。まず香港入りして、そこで中国の観光ビザを取り、まず、香港の郊外鉄道で羅湖駅へ移動、そこから小さい川を徒歩で越え、未知の国・中国に入域。 そこで見た光景は、今でも忘れられません。これまで20回ほど、陸路の国境越えをしてきましたが、当時の香港・中国間ほど、強烈なカルチャーショックを受けた国境越えは、他に例を見ません。 香港は隅から隅まで都会でしたが、そこから中国(深圳)に渡ると、何もない。やたらデカい駅(深圳駅)と、わずかな建物があるだけで、その他は土埃の舞う大地のみ。そこに夥しい数の人民が働いたり、無為にボケーッと過ごしたりしていました。 深圳から広州まで、いかにも大陸風の、濃い緑色のゴツい電車で移動したのですが、147kmに及ぶその車中は、見渡す限り亜熱帯の田園風景。水牛が田を耕し、野良に出る人、人、人の群れ・・・ただそれだけが印象的でした。 あれから22年経った今、同じ区間を電車に乗ったら、当時の面影は微塵もありません。驚くべきことに、 香港から広州まで、すべてが「都市」で埋め尽くされていた・・・ 今では田園など、ほとんど残っていません。中高層の住宅、工場、巨大な公共施設・・・徹底的に都市化された風景が、180kmも延々と続く。その密度は、「東海道ベルト地帯」なんてものじゃない。ほとんど、「首都圏」の密度なのです。 香港~広州にかけての地域は、「世界の工場」と言われますが、同時に、東京・首都圏をしのぐ世界最大の都市圏なのかもしれません。単純計算すると、 香港 700万人 深圳市 1200万人 東莞市 700万人 広州市 1100万人 ----------- 合計 3700万人 一方、日本の首都圏は、 東京都 1300万人 神奈川県 900万人 埼玉県 700万人 千葉県 600万人 ----------- 合計 3500万人 恐るべきことです。わずか20年という短期間に、何という変わりようでしょう? 「(中国は)経済発展が速すぎる!」、「変化が大きすぎる!」・・・深圳・香港で働く会社の同僚は、こう嘆いていました。彼曰く、あまりに急速な経済成長は、社会的インパクトが大きすぎて、多くの人々を生活苦と不安に陥れてしまうのだと・・・。 確かに、いま中国の庶民を直撃している深刻な問題は、いくつもあります。 ・物価高 (とにかく、物凄い勢いで物価が上がる。給料が多少あがっても、全然足りない) ・不動産バブル (中国人の9割が到底買えない水準まで、上がってしまっているようです) ・就職難 (大学を出ても、就職できない) 躍進が続き、世界第二位の経済大国になった中国ですが、貧富格差、環境汚染、汚職など、社会的ひずみが大きいのも事実。中国人の親友は、「チャイニーズ・ドリームの時代はすでに終わった」と断言するほどです。その理由をきくと、 ・いま、中国の若い世代は、どう頑張っても、親世代ほど豊かになれない。大学出ても就職できないし、できても家が買えない。買えたところで、ローンの負担がむちゃくちゃ重い。奴隷のような暮らししかできない。 ・数年前までは、「頑張れば社会上昇できる」という気分が、中国全体に満ち満ちていた。でも今では、貧富格差が固定してしまって、「頑張っても豊かになれない」と諦める者が、あまりにも増えすぎた。 ・中国の経済構造が複雑化した。数年前までは、何をしてもそれなりに儲かったが、今では相当頭を使って、運にも恵まれないと利益を上げられない。 隣国も、なかなか悩み深い事情を抱えているようですね。 [エッセイ集]カテゴリの最新記事
中国は共産党主導で強権的に政策を発動出来ますからね。
実際、土地が全て国有なのを利用した強行インフラ整備や、 それに順ずるモノが殆どであり、 農地等のクズ土地を商業地に転用するだけで差益が出ますので、 それらでインフラ整備の費用を捻出する麻薬パターンです。 当然、インフレの副作用を伴いますが、 バブれば政府の見入りも大きくなりますので止められません。鬱積した不満が爆発する日も近いのではないでしょうか。(2010年12月28日 06時47分08秒)
取締られ役0123さん
>農地等のクズ土地を商業地に転用するだけで差益が出ますので、 >それらでインフラ整備の費用を捻出する麻薬パターンです。 本当にその通りですよね。 タダ同然に土地を収用して、インフラ整備して、バブリーな土地値で払い下げるから、儲かって仕方ない。もうやめられませんよね。 だから、遠からぬ将来、中国は今の日本をはるかに超える、過剰設備問題に悩むことになると思います。あとデフレと、超少子高齢化問題も・・。(2010年12月28日 18時26分53秒)
共産党独裁体制下での経済成長はこれまで人類が経験しなかったパターンなので、先が全然読めません。
僕は、上海万博が開幕した時点で、好材料出尽くしで一旦調整が入るかと思い、中国株ファンドをすべて売却しました。 世界各地で華僑が成功していることから考えると、長期的に見れば中国はまだまだ潜在能力があると思うのですが、中期的には民主化に向けての混乱があるような気が素人ながらしています。 中国株に関心があるのですが、何かお勧めの銘柄はありますか? インドにいる間は売買しないと思いますが、保有株のバランスから考えて小売など個人消費関連の企業を考えています。 (2010年12月28日 21時12分03秒)
junshi.yaginumaさん
>世界各地で華僑が成功していることから考えると、長期的に見れば中国はまだまだ潜在能力があると思うのですが、中期的には民主化に向けての混乱があるような気が素人ながらしています。 内陸部という、人口数億の巨大なフロンティアを抱える中国は、発展余地はまだ大きいでしょうね。 私もやぎぬまさん同様、中期的(短期でも、長期でもなく)な混乱を予想していますが、それは民主化というより、インフレ、貧富格差とか、不動産高騰による生活苦がトリガーになると思います。 >中国株に関心があるのですが、何かお勧めの銘柄はありますか? すみません。あまり知識がないもので・・・ 内需系(できれば西部内陸省)の小売業銘柄が良さそうではありますが。(2010年12月29日 01時23分39秒) │<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |