Manachan's World－東京下町日記

昨日は、天気の良い土曜日。
自分が子供の頃、５歳から７歳にかけて住んでいた、文京区小石川界隈を歩いてきました。


今回の表題は、

「もし柏の田舎者が、東京の文京区に住んだら･･･」
～もしドラじゃなくて、もしカシ～


３０年以上前、今よりずっと田舎だった千葉県柏市から、この地に移り住み、カルチャーショックを受けながら暮らした、

昔も今も、「家族で住みたい街ナンバーワン」と呼ばれる文京区のブランド価値について、私の視点から語っていきたいと思います。


家族で住んだマンション
小石川五丁目、茗荷谷の駅から歩いて５分くらい



久堅公園
マンションから、坂道を下ってすぐ下。ここでよく遊びました。



福寿幼稚園
柏から越してきてすぐ、この幼稚園に通いました。



窪町小学校
１年生から、２年生の一学期まで、通っていました。



どれも、子供時代と、何一つ変わっていませんでした。
唯一、変わったことといえば、自分の背が伸びて、公園が小さく感じられたこと位･･･


文京区は、東京の山手線内側エリアとしては珍しく、緑の多い住宅地として知られていますが、

当時、子供だった私は、この地を「コンクリートジャングル」だと感じていました。

当時の柏は、今と比べて、人口が３分の１ほどしかおらず、まさに発展途上。野原も森もいっぱいあり、山猿のようなライフスタイルが可能でした。

その地から、文京区へ来た私は、都会の、人工物で満ち満れた世界に驚きました。いくら緑が整備されても、「コンクリート」の方がインパクト強かったのです。

だいいち、文京区の子供たちが、なぜスーパーでカブトムシを買うのかが、理解できませんでしたし（柏では、雑木林でとるものです･･･）

天気の良い日でさえ、男の子が、外遊びよりも、メンコみたいな室内遊びばかりやってるのも、不思議でした。

私が通った窪町小学校。名門校だそうで、全国の教育ママから熱い視線を受けているようですが、校庭が狭くて、運動会さえ自前でできない。そんな環境で過ごす都会の子供たちを、私は可哀相だと感じていました。

大人視点では、誰がどうみても、文京区の方が上でしょうが、子供視点では、「柏の方がいい」と思いましたね。

結局、文京区での暮らしは、２年半だけで、その後、柏に帰って、男の子も女の子も先生も、広い校庭で、真っ黒に日焼けするまで、ドッジボールに興ずる･･･そんな環境に戻れたことが、嬉しかったです。


しかし、柏でも年々都市化が進み、いつの間にか、人工物に溢れ、表面的には文京区と変わらなくなってきました。

要は、どちらも「コンクリートジャングル」になり、同じ土俵で比較できるようになったので、今度は、都市景観とか、そこで暮らす人々のライフスタイル、みたいな方面に目がいきはじめました。その視点でみると、


成熟した街・文京区の良さがが、分かってきました。


小石川で、一番ハイソっぽいエリアといえば、四丁目。播磨坂のあるあたり。
自慢のサクラ並木が、高々と茂り、気持ちの良い木陰をつくっていました。
フランス料理店、ベーカリーなどが似合う、おしゃれな街並みです。


播磨坂の街並み






３０年以上経っても、何ひとつ変わらないのです。

すでに完成された都市環境がそこにあり、誰も変えたいとは思わない。
皆が、環境を守り、自分のスタイルを貫いて生きていくなかで、街路樹だけが伸びて、さらに成熟の度合いを強めていく。

それが、「ファミリーで住みたい街ナンバーワン」といわれる、文京区のブランドを支えているのかと思います(文京区の魅力レポート)。


文京区というのは、他に例を見ない、ユニークなところです

・東京２３区で唯一、区内の全域が、山手線の内側にすっぽり収まる
・区内に、JRの駅が一つもなく、繁華街がない
・商業エリアも少なく、区内ほぼ全てが、良質住宅街で占められている
・文教施設の充実度が日本一！


要は、「都心」なのに、「緑の多い閑静な住宅地」であり、「教育レベル高い」、「盛り場もない」・・・そんな環境に惹かれる、高学歴志向のファミリーが、全国から集まってくるところなんですね。


「教育の森」公園
千葉県あたりで、こんな名前つけると、ギャグだと思うけど、文京区が同じことやると、サマになる･･･不思議だ。



窪町東公園
坂道を利用した、回遊式庭園みたいな設計が楽しい公園。



しかし、いくら外からきた人が住みたがっても、

区内はほぼ開発し尽くされ、空き地もほぼない。しかも、住宅地の環境は完成されすぎて、誰も、いまの環境を変えたがらない。お屋敷街にマンションなど建てようものなら、反対運動がすごい。

そこで、マンション開発されるのは、街道沿い。区内を縦断する、春日通り、千川通り、音羽通り、川越街道あたりに限られます。

というわけで、文京区ブランドに惹かれて流入してきた新住民は、実は区内のホンモノのブランドエリアに住めず、多くは街道沿いのマンション暮らしをする･･･ことになります(文京区のマンション購入事情)。


音羽通りのマンション群
街道沿いはマンション開発ラッシュで、東京の他地域と変わらない。



「サントク」スーパーマーケット
マンション買って、流入してきたファミリー御用達のスーパー



そんな文京区に住みたいか・・・私の答えは、「良さは認めるけど、NO！」です。

街が完成されすぎて、変化に乏しすぎることが、私にとっては退屈

だからです。郊外(東京からみれば田舎)とはいえ、大きな繁華街を持ち、新陳代謝の盛んな柏の街で育った私にとって、「街が目にみえて、変化・進化を続ける」ことは、満足度を高める大きな要素なのです。

要は、「都会の洗練」と「街の変化・新陳代謝」の両方ある街が理想なのです。その観点でいえば、東京で一番住みたい、理想の街は･･･「神楽坂」ですね。


にぎわう神楽坂の街