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見たまま、感じたまま、思ったまま

(2)大文字

大 文 字
 
作詞 作曲 歌 豊田勇造


ハミング
「さあもういっぺん」表ジャケ 

大文字も、勇造さんを代表する歌である。
ちなみに、うちの奥さんが一番好きな歌である。
1976年のファーストアルバムに収録され、以来ライブでも数多く唄われ、ライブアルバムにも何度か収録されている。

この歌の状況はこうだ。
70年前後、京都で大文字の送り火をバックに「幻夜祭」というフリーコンサートが催された。メインは頭脳警察、ウエストロードブルースバンドなどのロック、ブルースバンドであった。しかし、大文字の火が点灯されるその瞬間から邦楽の家元を呼んで、笛1本で異質のノリを持ってこようと言うのが主催者の狙いであった。

ところが時間が来ても家元が来ない。で、勇造さんに打診があり、彼はやりますときっぱり言ってステージに登った。満員のタダノリの客は、もっと景気よくやれと言うことだろう。罵声が嵐のように飛んできた。石ころや空き缶も飛んできた。しかし勇造さんは唄うのを止めなかった。
彼は、自分の歌の力で聴衆を鎮めれるはず、またそうでなければ歌に力があるとは言えない。そう信じて歌い続けた。その時の様子を唄った歌である。

しかし、そういう状況を知らなくても(現に、うちの妻は知らない)、この歌は人の胸を打つのだ。
それは恐らく、そのリフレインによるのだろう。
彼が「さあ、もういっぺん!」と唄う時、それは彼だけの事実を唄っているのだが、聞く人は心の中でその各々の「さあ、もういっぺん」を、それが生活のこもごもであれ、仕事であれ、恋愛であれ、自分自身の「さあもういっぺん」をシンクロさせているのだ。
そんな時、歌に力があると思う。

ちなみに、サビに出てくる蜂鳥とは、勇造さんの愛用のギター、ギブソンハミングバードのピックガードに描かれている、鳥の絵である。


ライトが照らす 男のひたいは
汗と涙と あざけりで汚れ
あと20分のフィニッシュまでに
一発決めねばならない定め

男の背中で 大の字に山が燃える
男の手の中の 蜂鳥よブンブン飛べ
さあ もういっぺん さあ もういっぺん 
火の消える前に
さあ もういっぺん さあ もういっぺん
火の消える前に

期待はずされた ただ見の客は
うつむきかげんに 縛り首の縄をない
砂を浴びせる 男たちに混じって
手を振る女に さつきの花を見た


男の背中で 大の字に山が燃える
男の手の中の 蜂鳥よブンブン飛べ
さあ もういっぺん さあ もういっぺん
火の消える前に
さあ もういっぺん さあ もういっぺん 
火の消える前に

石で打たれた ことがあるなら
砂の代わりに 未来を投げてくれとは
口には出すまい 舞台の上からは
自分で選んだ道を進め


男の背中で 大の字に山が燃える
男の手の中の 蜂鳥よブンブン飛べ
さあ もういっぺん さあ もういっぺん 
火の消える前に
さあ もういっぺん さあ もういっぺん 
火の消える前に

さあ もういっぺん さあ もういっぺん 
火の消える前に
さあ もういっぺん さあ もういっぺん 
火の消える前に



大文字 収録アルバム

「さあもういっぺん」VP*5006
「ホールドオン」VP*5007
「振り返るには早すぎる」 HUMM05~07

大文字
「さあもういっぺん」裏ジャケ 


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