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旅のノート★むかつく話
その3・TGVの予約

 カルカッソンヌの駅の窓口。
 「明日のパリ行きのTGVを予約したい」というと、係員は、かちゃかちゃとコンピュータを操作し始めた。これでどうだ?、と打ち出したディスプレイ画面を見せてくれたのだが、その列車は、思いもよらなかったモンペリエ経由(TGVはカルカッソンヌは通らないから、途中で乗り換えになる)。つまり、TGVはTGVでも、リヨンを通ってパリ・リヨン駅に着く、南東路線の方だ。
 いや、べつにモンペリエ経由でもいいのだが、出発が11時とちょっと早いし、リヨン駅に着くところが気に入らない(この理由は別の機会にお話します)。パリ到着時刻が早い(午後6時)という利点はあるけれど。
 そこで、「トゥールーズ経由の方がいいのだが」と言うと、係員はうるさそうに頷いて切符を打ち出した。喫煙、禁煙の別も聞かずに、だ。打ち出し終わると、ほら、これでいいだろう、といわんばかりに、切符を投げつけるようにしてよこした。感じ悪ーい!

 ホテルに戻ってから、切符を取り出してみたところ、とんでもない事実に気がついた。
 普通なら、車両番号と指定座席の番号が打ってあるところに何の記載もなく、下の方に小さくなにやら書いてある。

place2

 これって、もしかして……
 辞書を持っていないから確かめようがないが、うろ覚えの記憶によると、これは、席が空いていれば座れるという意味の、立ち席承知の券だった!
 これじゃ、全然予約になってないじゃないの!パリまで7時間も立ちっぱなしだなんて、冗談じゃないよ。あんの、くそ親父。

 もちろん、私はすぐに駅に向かった。
 座席が予約できてないのに、20フランの予約料を取るなんて、信じられない(立ち席承知の券は、予約料はいらないはずだ。そうガイドブックに書いてあった)。一丁、文句を言ってやろうと、頭の中でフランス語を組み立てながら。
 だが、勢い込んで駅に着いてみると、窓口はすでに閉まっていた。その日が土曜日であることをすっかり忘れていたのだ。もー、これだから田舎の駅は!

(その4へ続く)

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