私は、うっかりすると、山手線を行きたい方向とは逆回りに乗ってしまう女である。
おまけに地図が読めない。というより、平面的な地図を、実際の空間に当てはめることができないのだ。
だから、当然、道に迷う。
☆ リバプール。
「ビートルズシティ」を目指し、張り切って歩きだす。ところが、ちゃんと地図を見ながら歩いているのに、行けども行けども見つからない。しまいには工場のような所に迷いこんでしまう。
通りがかりのおじさんに聞いたら、全く逆方向に歩いてた。おまけに、このおじさんに教わったとおりに行ったら、「ビートルズシティ」ではなく、「キャバーンクラブ」に出た。
ま、いいけどね。どうせ行くつもりだったんだから。
☆ ロンドン、パディントン駅裏。
自分のホテルがわからなくなった。だってぇ……似たような建物ばかりなんだもん。
☆ ヨーク。
トラベラーズチェックを現金化したくて、街の地図に載っていたアメックスを探したが、どこにもなかった。
☆ パリ。
モンパルナスのメトロ駅から地上へ出るのに、ふつうに歩けば2分とかからないところを、出口を間違えて、地下通路の中をぐるぐる回り。
永遠に出られないんじゃないかと思った。
☆ パリ、魔のリヨン駅。
何度行っても、なぜか、国鉄駅からメトロの駅にどうしても出られない。
☆ パリ、なぜか苦手なRER
リュクサンブール公園に行こうとして、アベス駅からメトロに乗り、サン・ミッシェルでRERのB線に乗り換え。電車に乗ってからしばらくして、なんとなく不安になった私。ドアの上の表示を見ると、なんとそれはC線。
ベルサイユに行ってどうする。
☆ 一番ひどいのが、これ。
エディンバラからウィンダーミアまで、ごく普通に行けば3時間で着くところを、降りる駅を間違えて、10時間もかかってしまった(その他にもいくつか原因が重なっているのだが、長くなるので、その話はまた別の機会に)。
などなど、数え上げればきりがない。幸いにして、飛行機を乗り間違ったことは、まだないけど。ロンドンに行くはずが、着いてみたらアフリカだったなんてことになったら、たいへんだもん。いや、アフリカやインドならともかく、着いたところが北朝鮮だったら、帰れなくなっちゃう。
私の場合、地図を見ると、かえって道に迷いやすい。適当に歩き、列車なども適当に乗ったほうが、ちゃんと目的地につくことが多い。
なぜだ?
思うに、私には、空間の認識能力が欠けているんじゃなかろうか?
これは、父親の遺伝だと思う。あの人、ドライブに行って道に迷わなかったことって、ただの一度もないもん。
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