アメリカ英語 

You ain't seen nothing yet♪なんて歌でも出てくるぐらい、こっちの英語はいい加減である。

自分の英語を棚に上げておいて、敢えて続けるが、未だに、びっくりしてしまう。

わたしが、紙の上で正解をしていればいい試験勉強から、本格的に発音の練習をしだしたのは、大学になってからである。

各国からの外人講師の英語に、はじめはクラスメートと宿題や小テストの範囲 のような連絡事項すら、
「今60ページって言ったん?それとも16ページ??」などと助けを求め合っていたが、
帰国子女でも有名私立高出身でもないわたしは、訊いてばかりいるほうだった。

しかもイギリス人の講師のせいで、ブルルに絶対からかわれる発音の単語も今でもある。
もう「スケジュール」を「シェジュール」と言ったりは流石にしないが、例えば

  got gotten, forgot forgotten系の発音が、どうしても「ガット」よりも「ゴット」に近くなる。

  sure, there, here系の発音が、「rrr」というより「アー」に近い発音になる。

どれも、結構良く使う単語なので、そのイギリス訛りがポンと出る度に、飽きもせずブルルは大笑い。
間違ってはいないので、直されないが、何度も大袈裟に真似をされる。

ブルルがジョージア出身で、アメリカで初めに住んだのがシャーロットだったから、
わたしの英語には南部訛りも入っている。
ブルルママなんかは、スカーレット=オハラを地で行っている。

南部に居た時に習った単語は、当然南部訛りになってしまう。
アメリカで初めて聞いた単語を日本語に訳せないように。

例えば、この間日本に帰った時に妹とJ・LOの話をしていて、全く通じなかった。「ジェイ=ロー」とカタカナ発音したのに、だ。
「あー、ジェニロペね!」と大笑いをされたが、「ナヌッ?」と思ってしまった。

話をアメリカ人の英語に戻すと、
わたしにしてみたら、アメリカ人の英語の方が「だらけている」。

そこそこ教養のある人でさえ、電話をとって、
「Who are you holding for?」

電話が有ったよ、と言えば
「From who?」

「For whom are you holding?」
「From whom?」
じゃないの?? なんだかこっちの自信が無くなる。

友達(アメリカ人)に「whom」っていう単語を使う人に出会ったのは、ブル子がはじめてだ、と言われた事も有る。

だって、関係代名詞って、みんな必死で勉強したじゃん・・・。あれって、要らなかったの??

あと、「エスプレッソ」を「エクスプレッソ」って言ったり、
アルファベットだけを使って暮らしてきた人たちが、なんでこんな間違いを?と思う事は多々有る。

それから、副詞関係。
 「Drive carefull.」とか、とことん「ly」を飛ばす。
 「You did good.」というのもよく聞く。

 「Drive carefully.」
 「You did well.」
じゃないのか?? 本気で悩む事がある。

それからそれから!(もういいって?)最初に登場したダブルネガティブ。
ここまで酷いのは流石に日常的には聞かないが、
 
 「I ain't telling no lies.」でもちょっと考えてしまうのに、
 「She don't know nothing about nobody.」となると、トリプルネガティブ?嫌がらせか??

なんだか、折角(?)必死で(??)勉強してきたのに、
スラングではなくてそういう間違った英語まで理解出来るようにならないといけないなんて、
ひどい、詐欺だ、なんて思う。

日本に行く外人もきっとそういう気持ちになるのかもしれないが、
「間違った日本語」って、そんなに日本に蔓延しているものだろうか?してるかな・・・。

そうそう、スラングも避けては通れまい。
覚えたては、ブルルの真似をして一生懸命(!)使ったものだった。勿論マイルドなのだけ。
そういうことで、「英語にこなれた感じ」を演出出来るものと勘違いして・・・。

しかし、スラングの種類によっては、人格を疑われる事もある。時と場所を選ぶのだ。

今もしわたしがブルルに
「What the hell were you thinking?」なんて言ったら、ブルルはびっくりして、
おそらく一体何事だ?と思いつつも取り敢えず、即、謝るであろう。

確かに、「ハク」が付く、ということは言える。
が、もっと迫力のある「F」言葉については、なんだか自分でも無理をしているようで笑っちゃうので、
特に喧嘩をしている時はわたしは使わない。

でも言われっぱなしじゃ悔しいので少ーしずつ取り入れているが、
それでも将来子供が出来た時にそんな言葉が家庭内を飛び交っていたら教育に悪いし、
出来るだけそれに頼らずに自己表現をしたい、というのが個人的には理想である。

こんな風にイロイロ言語学的に考えて腹を立てているのはわたしだけだろうか?




© Rakuten Group, Inc.