頭フル回転
先月から、国立がんセンターの、がんの再発に関する情報について考える研究班に参加させていただいています。昨年の春から務めている患者・市民パネルの中でこの研究班に協力する人を募集していて、自分の2度の再発体験が何かの役に立てばと応募したところ、ありがたいことに選んでいただきました。ここ1ヶ月の間に2回国立がんセンターまで行って、会議に参加してきました。そして来週には3回目の会議があります。がんが再発した人にとってどんな情報が必要か?をがん体験者と専門家が一緒に話し合い、形を作っていくのが目標です。患者メンバーは、ほとんどが再発体験者か再発の不安を抱えた人。部位も性別も年齢もバラバラで、それぞれがそれぞれの治療や苦労を経験しています。それでも今は会議に出られるくらい元気で、想いも情熱も強い人ばかりです。私はいつも皆さんに圧倒されるばかりで、会議に出ると借りてきた猫になってしまいます専門家メンバーは、がんセンター(研究所)の研究員さんや、がんセンター(病院)の医師、他の病院や大学の先生・看護師さんなど。すごいメンバーです。両者がごちゃ混ぜに集まって、どんな情報が必要か?を話し合うんですが、これがすご~く難しく、なかなか話がまとまりません。再発=すぐに死ではない、再発しても前向きに生きられる、という希望的なものを盛り込みたいという意見もあり。やみくもに希望ばかりを持たせるのではなく、しっかり現実を伝えて死との向き合い方まで盛り込むべきという意見もあり。再発に対する考え方もバラバラです。どの意見もごもっともで、会議に出ている間に自分の意見が何なのかわからなくなってしまいます特にこの班に参加している患者メンバーは、再発したけど今は元気な人がほとんどなので、再発しても生きられる!と考えている人が多いです。私自身も、2度再発したけれどもうすぐ3年を迎えるので、このまま完治して生きられるんじゃないか?という期待も出てきています。でも、前回の会議の中で医師による説明があって、原則的には、初発のがんは完治する可能性があるけど、一度でも再発をした場合は完治はあり得ないそうです(がんの部位やタイプによっては再発しても完治する場合もありますが)。だから初発と再発は全然違う、必要な情報も違ってくるとのこと。それを聞いているうちに、自分の置かれた状況はけっこう深刻なんだと実感して、ぞぞ~っとしてしまいましたやはり専門家の意見はシビアです。一方で、シビアな現実を患者さんに伝えなくてはならない心労も大変なものだというお医者さんの本音も聞けました。毎回知る事・考える事がいっぱいで、頭の中がフル回転になります自分の再発が発覚したときの事を思い出して、そのときどんな情報が欲しかったのか?と考えると。やっぱり、普通に生きて生活できる希望が欲しかったような気がします。そして生きる前提で学校や就職をどうしたらいいのかが知りたかったです。でも、私の場合は今こうして復活できているから良かったけれど、もっと深刻な状態で再発が見つかった人の場合には別の情報が必要なのかもしれません。再発のパターンは人それぞれ過ぎて、みんなに対応できる情報を作ろうと思ったらものすごいボリュームになってしまうんじゃないか?などと考えているうちにわけがわからなくなってしまうので、とりあえず「自分の場合だったら」の意見を出すことに専念しようと思います。次の会議も熱くなりそうです。自分なりの考えを伝えて、少しでも役立つ情報ができるように頑張りたいと思います。