ここ数日フィンテックの玉井社長のブログを改めて読み直して、自分なりに頭を整理していたら(下のメモ参照)、本日、MSCB償還およびそれに代わる日興からのブリッジ・ローンに関するIRが出てきました。
IRが出てきたので、下記のメモはMSCBの行方の見通しについてはあまり意味がなくなりましたが、参考までに(せっかくまとめたんで、自分の備忘録という意味が強いです)。
こう見てみると、フィンテックにとってMSCBは、まさに来年度のチャンスを取り込むためと、信用がつくまでのブリッジ・ファイナンスだったのだという見方ができるのかもしれませんね。
最後に、「玉井のキモチ」を読み直してみての感想を。
1つが、彼の話していることの一貫性。 人材の育成、組織の整備など。
もう1つ、恐らく、定性的な観点からですが、少なくとも今年の11月の段階で、業績トータルでの下方修正の可能性は低いのでは、と思いました。
理由の1つは、9月末あたりからの株価の軟調さは不吉な兆しだとしても、彼の経営課題に対する関心が年初来一貫している状況から考えると、別に10月の玉井社長のブログでの発言は、11月の業績の下方修正の複線というよりも、前々からの発言の焼き直しであるという解釈を文脈からしたからです。
理由のもう1つは、玉井社長のバランス感覚と、同社にとっての中期計画の意味合いに関するコメントからです。
昨年の私のブログでのメモ(個人投資家向け説明会)では、「業績予想の数字に対する考え方と中期計画について、業績予想は、投資家の指標となるもので、対外的に約束していたものを破りたくない。何かあるかもしれないが、それでも達成できる数字を出している」とおっしゃっていました。そこを信じた判断です(ひどい企業だと、株価上げることを狙って、根拠の薄い中期計画を出してみたり、あるいは出したあとのその実績との乖離について説明を怠っているが、フィンテックはそういう輩とは違うと自分は見ている)。
ここらへんは、受注残と会社計画との間でどれだけ乖離があり、ハードルが高いかどうかかといった計数的な判断ではありません(有価証券報告書を見てもわかるように、受注高と受注残の記述はない)。
したがって、客観性は乏しいところで、私の玉井社長の信頼に依存しているところがあるので、当てにならないかもしれません。独り言と聞き流してください(投資判断は自分の責任でおねがいします)。
さて、市場では中期計画の業績の下方修正リスクはあるものの(私は、少なくとも11月には「ない」ほうに賭けていますが)、MSCBの転換に関する不安はなくなったんで、少しは反騰するでしょうか。
不動産流動化にもお金が流れてきているし、GCAも上場したし、誤解されてあがらないかなあ(笑)。
*自分の認識違いの点があるかもしれませんので、そこはお気をつけください。
===玉井のキモチを再通読して、自分の頭を整理するためのメモ===
<経営方針に関する事項>
○ 経営の方針に、ブレがない。まだ立ち上げの段階で、「2年目は、同社にとってのコア・コンピタンスである人材やその組織体制を鍛える」と言い続けている ←読み直して改めて感心した点
「もう一つ、新興企業の命題は「数字」だけではないと考えます。中身!組織や人材の育成倫理感増進を含めた会社の中身を、大企業に負けないものにしないと、いつか無理が出て失速する。 中身がスカスカで数字だけ成長していてもだめですね。成長力を維持しつつ内部の組織体制も密度の濃いものにしなくてはならない。だから新興企業は本物と偽物に分かれていくのだと考えます。そこの所をよく見ていていただきたい」(2月)
「2年目以降のたった「+1」だけれども「大きな」成長につながる「人」を磨きつつ100を目指したい」(5月)
「一年前と比較しまして、「ゼロからの立ち上げ」という基本的な考えは変っておりません。(中略)フィンテックは「じっくり手作り派」ですね。既存のビジネスモデルが行き詰ってしまえば他業種へのMA戦略をとらざるを得ないのでしょうが、当社の場合はまだまだ、現状路線の延長線上に展開余地がありますので上場2年目もそこにリソースを投入し相乗効果を持って早期の事業立ち上げを計りたいと思います」(6月)
「「直近の課題」は多いですが、その一つとして実効性を伴うガバナンス体制・グループコンプライアンス体制の整備強化に取り組んでおります。(中略)また、拡大する投資銀行業務はつい「創り屋」になってしまい、大事な顧客との関係を希薄にさせてしまう傾向があります。「ええもんを創っとけばほっといても売れるワイ」方式はだめ。「きめ細かい神経質なまでの営業力」の強化も大きな課題です」(6月)
○ 9月の組織改変で、営業体制の強化を図った。その効果は乞うご期待
「本日より組織を変革し人事制度を見直し、新体制となりました。幹部・若手連中の中に核となる人材が育ち、その核を基点にした人材の大規模な拡充がスタートします」(9月)
<中期計画に関する予想>
○ 経営方針に関する今までのブログの文脈から捉えると、10月の下記のブログの発言は、別に、昨年示した中期計画の下方修正を暗示しているとはいえないのでは?
玉井社長の昨年の個人投資家向けの説明でのニュアンスからすれば、「巡航速度」とは、一度社外に発表した成長計画を下回るものではないのでは?
「新興企業にとって数字だけを伸ばすのはある意味簡単。中身が伴っていなければ必ず失速する。永続成長のためには中身を充足し足腰を鍛えつつ巡航速度を意識する。急いではいけない」(10月)
「業績予想の数字に対する考え方と中期計画について、業績予想は、投資家の指標となるもので、対外的に約束していたものを破りたくない。何かあるかもしれないが、それでも達成できる数字を出している。毎年、中期計画は、更新したい」(個人投資家向け説明会2005年11月東京)
http://plaza.rakuten.co.jp/marco72/diary/200512010000/
○ 市場が大幅な中期計画の上方修正の期待をすることを牽制している側面があると思われる
<ファイナンスに関する事項>
○ 玉井社長の株主に対する判断基準は、「財務力」(プリンシパル・ファイナンスする資金およびそれの調達力など)と「株主価値の希薄化」
「(7月のMSCBの償還は)「財務力強化」と「株主価値の希薄化」、この二つのバランスを見ての決断です」(7月)
○ 残りのMSCBは、GSによって株式に転換されるか、フィンテックがコールオプションを活用して200億円(+1%の手数料)を返済することになるが、現在の株価状況と希薄化によるインパクト(転換価格が18万円で9%程度の希薄化と試算)、そして、玉井社長の判断基準を考えると、フィンテックが200億円を返済するシナリオに傾く可能性が高いのでは?
→ 本当にそうなった!(10月6日)
○ そうなると来期のプリンシパル・ファイナンスの業績のインパクトであるが、それは、銀行からどれだけ借り入れができるのか次第と思われる。また、そこを当然玉井氏は理解している模様。
ある意味、不動産のブリッジ・ファイナンスのために、フィンテックはMSCBでブリッジ・ファイナンスして、信用がついた段階で、銀行からの借り入れに切り替える流れなのか?
→銀行ではなく、証券会社(日興シティ)からブリッジ・ローンしてしのいだ。今後も、銀行からの借り入れ枠の拡大などを示唆したIRが発表(10月6日)
「最悪の場合の償還資金はプリンシパル投融資残高の犠牲によって可能となるが、この犠牲を「時間」が銀行信用枠の増加などの形で予防し、また、癒してくれるはずである」(7月)