カテゴリ:棚から牡丹餅でフランス語翻訳者
1997年 (9年目)
フランスでは、何もしないと(失業など)手厚い待遇を受けられますが、事業を展開するとなると、「踏んだり蹴ったり」です。 とにかく、役所という役所とモメるのです。県庁・市役所・衛生局・労働監督局・職安・社会保険局・失業保険局・税務署・・・。 分からないことがあって電話をしても、答えが得られる保証はありません。答えを得ても、それが正しいとは限りません。回答が間違っていても、役所の責任は問えません。Nul ne peut ignorer la loi. 市民たるもの法律は知ってなくてはならないのです ! それから、電話ではダメです。文書で質問して文書で回答してもらわないといけません。それも、予め調べて、答えが想像できる状態でなければダメです。結論を書いて、「これで良いでしょう?」という文書にするのがベストなのです。 諸税の減額をお願いする時も、ただ「お願い」するだけではダメです。「もっともらしい理由」と「自分が適切と判断する課税率」を書いた上で、「税額の再計算」まで行えば、「それでよろしいです」という文書が戻ってきます。それは違いますよ、これぐらいの減額しか出来ませんよ、という返事を、役所は書きません。面倒ですから(笑)。 こういうことを繰り返すうちに、専門用語や言回しを徐々に覚えたわけです。それでも当時は、まともな文章を書くことはできませんでした。「語彙があること」と「文章を書くこと」は違うのです。ネイティブのチェックを受けると「真っ赤」になりました。 つづく フランス語翻訳を生業にしています お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年04月09日 18時50分03秒
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