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Maryam's HP 日記

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Hiro Maryam

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2017年01月17日
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カテゴリ:Short stories
『確かに其処は川原なのに、川は見えず見渡す限り川原が続く。
三途川原の六丁目あたりだったからだろうか。』



白い舌の三つに割れた先をちょろちょろさせ、朱い雀がそういった。

雀は今まで、鈴鳴らすように一体どれだけ嘘ついてきたのか、大方閻魔に舌の先を引き裂かれたのだろう....

そしてめまぐるしく動き始めた三つの舌先がこう、風に伝えたのだった。



『顔中髭だらけにしたカウボーイ姿の男は薄く色褪せたブルーの瞳だけが、
その髭面に似合わず、怯えた少年のような眼差し放ってた。
真っ黒な濃い産毛のような髭が顔中覆ってたのは、その表情を見られ心を悟られまいとしていたからか。黒に近い濃いグレーの上着とズボンを身に着け、髭面も一緒に全身真っ黒に見えた。


その上着の左の胸には黄金の太陽のバッチだけが怯えた瞳と対照的に強い輝き放ってた。よく見ると金の太陽のすぐ横には薄桃色のバラが蕾のままで、咲き誇る力なく頭垂れてた。

男は保安官の星バッチより上階級の、太陽の印に大得意。それは放浪癖ある彼の望みで憧れだった。


彼には知る由もない、こよなく自由愛するその男の魂には黄金バッチより、砂漠の可憐な薔薇ふさわしく、薔薇胸に挿し踊る術をこそ心得ているということを。

薔薇は黄金の太陽の熱の激しさに、そのみずみずしい美しさをその内に湛えおくことができないでいることを。

灼熱の太陽はやがて男が身に付けた衣服をも徐々に徐々に、黒く変色させ焦がしゆくだろう。


男は笑み浮かべ自分とよく似た少年の背を追っていた。
呼びかければ声が届くであろうに、声も出さず、ただ口角をあげ薄ら嗤い浮かべながら、
少年の背を白みがかった瞳で追いかけてた。』







***********



昨日の朝 髭に顔が覆われたカウボーイの夢を見ました。

印象深いキャラクターで、夢覚書のかわりに一風変わったおはなしにしてみました。


太陽の光と熱が強すぎたら薔薇も植物も、
太陽の庇護で生きているものもすべて枯れていきます。

太陽は強すぎ、近すぎたら危険な存在となります。

太陽が己の中にあるのならコントロールできるだろうし、せっかくの美しい薔薇を枯らすこともないでしょう。

そんなイメージを重ねて書きました。

カウボーイ、太陽、薔薇、朱雀の象意は皆様で想像を広げてください。


夏に掲載したらもっと良かったかも知れませんが....






昨日の夕陽







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Last updated  2017年01月18日 02時13分04秒
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