老舗のクリップ式チューナー『KORG PitchHawk-G(AW-3G)』
先日『Planet Waves NS Micro Headstock Tuner PW-CT-12』というクリップ式のチューナーを紹介しましたが、実際使ってみると思いの外、クリップ式チューナーが便利だったので、もう1つ別の製品を買うことにしました。 今回購入したものは、チューナー・メーカーとしても老舗として知られる『KORG』の『PitchHawk-G(AW-3G)』です。この製品、かなり高機能なのですが『反応が遅い』など評判が今1つで、そのせいかネットでは2千円を切って売られている場合も少なくありません。革製のピックケースが付属し、お買い得感はあるのですが、オマケで勝負するようになっちゃ・・・。 重畳は32gと『PW-CT-12』と比較すると3倍重くなっていますが、情報量の多い大型の液晶ディスプレを備えています。また、前面にボタンが集中しており操作性も優れています。可動式のアームは伸縮しかしませんが、ディスプレイ部分が360度回転し、上下左右の角度も可能ですので向きの調整に関しては柔軟性があります。ディスプレイ部分を回転させ上下を入れ替えられるので、ヘッドの裏側に取り付けることも可能です。このチューナーは、都度、取り付けて使うことを前提としているようで、このようにコンパクトに折り畳め、持ち運びを考慮した設計になっています。ただし、折り畳みに関しては中途半端な感じですね。ヘッドに確り固定出来ないためズレやすく、移動中に可動部分が破損する可能性も高いので、ギターに取り付けたままにしないほうが良いでしょう。電池式ですが、入手し易い『CR2032』が使われています。また、電池交換も簡単に出来るように設計されています。取り付け部分はクリップ式になっており、着脱は楽ですがヘッドに確り固定されるわけではありません。少し力が加わると動いてズレてしまいます。クリップ部分が嵩張るため、ラチェット式の『Planet Waves NS Micro Headstock Tuner PW-CT-12』のように弦の下に滑り込ませて固定することは出来ません。ヘッドにはペグや弦があり意外にスペースが少ないため、取り付け位置は制限されてしまいます。最近流行りのカラー液晶ではなくモノクロ液晶ですがバックライトが優れており、暗い場所での視認性は悪くありません。チューナーとしての性能はクリップ式としては高機能で、436~445Hzの範囲でキャリブレーションが可能で、精度は±1セントとなっています。実際に使って見ましたが精度に関しては全く問題ありません。『ギター』・『ベース』・『クロマチック』の3つのモードを備えており、フラット・チューニングやカポ・チューニングもサポートしています。しかし『ギター』モードは、ピッキングに対する反応がやや悪く、12fのハーモニクスに反応しません。汎用性が高い『クロマチック』モードに切り替えると反応が良くなり、ハーモニクスを使ったチューニングも可能となりますが、このモードは、フラット・チューニングやカポ・チューニングをサポートしていません。 起動が早く、音名の表示時間も長いため使い易いのですが、『ギター』モードでの反応の悪さやハーモニクスへの対応については不満が残ります。また、組み合わせるギターや取り付け場所によっては、ピッキングするとチューナー自体が振動し、音を立てるということもあります。『クロマチック』モードで使えば、問題の多くは解決するのですが、それだと『PitchHawk-G』を使う意味がなくなります。このチューナーは、クリップ式の高性能なチューナーと言った印象で、『Planet Waves NS Micro Headstock Tuner PW-CT-12』のような面白さはありません。『PitchHawk-G』を使ってチューニングした際の動画もアップしましたので、参考にして下さい。・[DEMO] KORG PitchHawk-G Clip-On Tuner(AW-3G)