結構使えるイコライザー、『MXR M109 6 Band Graphic EQ』
ギターの音色は、その素材やPUの特性の影響を受けます。モデルや個体によって、ピークとなる周波数や各周波数帯のレベルが異なり、同じような外観のギターでも、随分と音色が異なります。周波数特性を変化させる機構として、ギターやアンプ、エフェクターにはトーン・コントロールを備えていることが多いですが、より明示的に周波数特性を変化させたいなら『イコライザー』が不可欠です。『イコライザー』と一口に言っても、調整する周波数帯を変更できる『パラメトリック・イコライザー』もありますが、予め周波数帯が固定されている『グラフィック・イコライザー』が扱いやすいでしょう。 『MXR M109 6 Band Graphic EQ』は、100Hz、200Hz、400Hz、800Hz,、1.6kHz、3.2kHzの幅にして1オクターブ分、6つの周波数帯を±18dBの幅で調整出来る『グラフィック・イコライザー』です。6.4kHz帯の調整も可能な定番の『BOSS GE-7』と比較すると調整幅は少し狭いですが、周波数帯自体は同じ理屈で決定されているようです。 画数は数体に対応した6つのスライダーが配置されており、中心位置が±0dBの状態です。『BOSS GE-7』のようにマスター・ボリュームを備えていないため、イコライジングした後で全体のレベルを調整するといったことは出来ません。 入力コネクタが、右側面の凄く高い位置にあります。理由は分かりませんが『MXR』のエフェクターでも異例の配置。この位置ならば他のエフェクターとコネクタが干渉しないのでペダルボードのスペース節約の役立ちます。出力用のコネクタも高い位置にあり、下の方には9V ACアダプタ用の電源コネクタが配置されています。個人的には電源コネクタの位置は上面が良かったけど・・・。裏側は凄くシンプル。ゴツゴツとした質感と相まって、質実剛健な感じです。電源はセンターマイナス9VのACアダプターだけでなく、勿論、9V電池でも動作します。ただし、電池交換の際には4本のネジを外して裏蓋を開ける必要があり、使い勝手は悪いです。イコライザーをONにするとスライダーのツマミに内蔵されているLEDが赤く光ります。暗い場所でも視認性が高いので、曲間に設定を変えたい場合には便利でしょう。『MXR M109 6 Band Graphic EQ』は、ゲインの増減幅が±18dBと他の製品と比べて広いと言った長所もありますが、何よりも音質への影響が少ない点が一番の魅力でしょう。EQをフラットな状態にしてオンにすると、僅かにゲインは上がりますが、音質の変化は少なく元のトーンが維持されます。マスター・ボリュームが無いという短所もありますが、それを補うのに十分な長所ではないでしょうか。デモ動画もアップしましたので参考にして下さい。 ・[DEMO] MXR M109 6 Band Graphic EQ