香港島で保護した「モンブラン 251」?
先日、香港へ仕事に出かけた時、時間がかなり余ったのでちょっと「中環(Central)」へ遠征してきました。香港島の「中環」の周辺には、私が知っているだけでも、万年筆専門店が3店あります。「中環」と言えば、金融関連やその他オフィスビルが立ち並ぶ香港経済の中心地。しかし、こんな場所にも万年筆店があり、意外や値段もリーズナブル。地下鉄「中環駅」のCの出口を出て、「徳輔道中(Des Voeux Road)」を「上環(Sheung Wan)駅」方向へ1駅分歩いて行くと、3つのお店が回れます。と言う事で「中環駅」から「上環駅」方向へ歩いてみました。最も「中環駅」寄りの「華佑金筆行(Winner Pens Collection)」は、「Man Yee Arcade」と言うショッピングセンターの1F、つまり2階にあります。・華佑金筆行(Winner Pens Collection)Man Yee Arcade, Shop 110, 68 Des Voeux Road, Centralショッピングセンターの中にあるので、3店中でも一番綺麗なお店で、店は狭いのですが、上手くショーウインドウを活用しており、商品自体は見やすいです。しかも値段は安く、「中環」のお店とは思えません。実は、気になるものを見つけたのですが、先に別の店を見ることにしました。さらに歩いてゆくと、「合昌名筆専門店(Hop Cheong Pens&Lighters Co.)」と言う如何にも香港らしい凄く狭くて小汚いお店があります。小さなお店ですが、路面店なので見つけやすいはずです。・合昌名筆専門店(Hop Cheong Pens&Lighters Co.)G/F., 111 Des Voeux Road, Central店の規模の割りには商品数が多く、商品が所狭しと並んでいるので、よく目を凝らしてお宝を見つけないといけません。殆どが新品ですが、僅かに中古品も置いています。値札のある商品と値札のない商品があり、外国人には、この制度、微妙かもしれません。基本的に価格が安いお店なんですが、値札のない商品に限って、聞くとちょっと値段が高いような気が・・・。ちなみにモンブランのヘミングウェイが置いてあったのですが、値札が無かったので聞くと、HK$29,800(約346,000円)でした。最近は、オークションでも一時期ほど高値が付かなくなっているようなので、店舗販売としても、うーん、微妙ですかね。最後は、「上環」になりますが、「廣蘭金筆行(Kwong Lan Pen Company)」と言うお店。ここは、住所こそ「徳輔道中(Des Voeux Road)」になってますが、実際には入居しているビルが「徳輔道中(Des Voeux Road)」沿いにあるだけで、見つけるには路地に入る必要があります。とは言え、路面店なので見つけやすいはずです。・廣蘭金筆行(Kwong Lan Pen Company)Shop A6, 285 Des Voeux Road, Central店は、小汚い感じではないんですが、何となく活気に欠けますね。(笑)私にとっては、3店の中で、一番興味のないお店なんですが、貴重なものも沢山有ります。絶対に見ておいた方が良いでしょう。3店、じっくり見たので、元の道を戻り「華佑金筆行(Winner Pens Collection)」で目を付けていたものを無事、保護しました。箱、説明書なし、(純正でない)ペンケース付きで売られていたモンブランの古いノック式シャープペンシルのデッドストックです。値段は、HK$490(約5,700円)。シャープペンなんて安物しか持ってなかったので、丁度良い買い物でした。以下、かっこ付けて「ペンシル」と呼ばせて頂きます。本当は、ペンシルを買うなら、ペリカンのK400にしようと思っていたのですが、こいつを見つけてしまったので・・・。見た目で70年代の普及モデルの系統と分かったのですが、購入した時点では、正体不明でした。レシートでは、モデルナンバーは「291」となっています。軸には、「Made in Germany」のシールが貼られたまま。クリップに付けられたラベルには、6000円?6,000円のものが、HK$490(約5,700円)なのでお得感はありませんが、古いモンブランの製品は、全般的に人気があるので、こんなものでしょう。どうも、日本市場向けのストックが香港に流れてきたみたいです。長さ、約136mmの細身のノック式のペンシル。現行のマイスターシュテュックと比べると、高級感がありませんね。このペンシル、レシート上では「291」のモデルナンバー付いていたのですが、そんなモデルあったんでしょうか?私が調べた範囲では、見た目は「251」にそっくりです。 クリップ周りのデザインは、70年代に投入された3桁モデルそのもの。デザインからして、70年代から90年代初頭まで売られていた普及モデルの何れかではないかと思うのですが、やはり「251」に見えます。個人的には、このクリップのデザインは、今1つかと思います。質感は、後継の「ジェネレーション」と大差無いように思いますが、クリップ周りで損をしている気がします。この辺りのデザインも、どう見ても「251」なんですよね。とりあえず「291」は忘れて、「251」と言う事にしておきます。適合する芯は、0.5mm。絶対、「251」ですよね。と自分に言い聞かせる。しかし、リング上の刻印は「MONTBLANC」、「GERMANY」のみで型番は入っていません。万年筆と同じルールなら、70年代半ばあたりから、リング上のモデルナンバーの刻印が無くなると思うので、多分、70年代半ば以降の生産なんでしょう。内部の機構はこんな風になってます。モンブランだからと言って、凄い機構が入っているわけではないのですが、この一見安っぽく見えるノック式機構が、私には使い易いです。多分、兄弟モデルにあたる万年筆の「221」(手前)と並べてみました。このペンシルが「251」なら、「221」と同系列のはずです。気になるのは製造時期。70年代の3桁モデルは、息の長いモデルもあるので、90年代前半くらいまでは、可能性があります。でも、「251」がいつまで販売されていたかは知りません。調べたところ、80年代半ばまでは存在していて、その時の定価が5,000円でした。しかし、それ以降の販売状況や定価などは分かりません。基本的に時代が進むにつれ値上がりしているので、6,000円と言う事は、80年代半ば以降の製造と言う事になります。あくまで、これが「251」であった場合ですが・・・。こいつの正体が分かる方、ご教示下さい。