|
カテゴリ:マスコミ試写
東映本社試写室にて『大帝の剣』を鑑賞した。
映画の話 ときは江戸。驚異の力を秘める地球外金属「オリハルコン」から作られた三種の神器のひとつ“大帝の剣”を背負い旅をする大男の源九郎。彼は亡き祖父から「三種の神器を全て集め本来持つべき者に届けよ」という遺言を受けていた。途中、豊臣の生き残りである姫・舞と佐助に出会い共に旅を続ける源九郎だが、神器を狙う宇宙人と妖怪忍者軍団・土蜘蛛衆が彼らの前に立ちはだかる。 夢枕獏の原作を堤幸彦が監督、主演は阿部寛。「TRICK」の監督と主演のコンビで製作されたハイパーSF時代劇とでも呼ぶべきか。映画は、江守徹の重厚なナレーションで映画の舞台背景が語られるが言っている事はハチャメチャ。そしてオープニングから『スターウォーズ』ばりの宇宙船どおしの戦いに続き、舞台は江戸になり阿部寛演じる万減九朗(よろずげんくろう)の登場。三種の神器の一つの大剣を背負った大男という阿部寛の体格を最大限生かした役どころだ。とにかく設定が無茶苦茶で、回想シーンで減九朗の少年時代が出てくるのだが、お父さんは黒人で少年時代の減九朗は黒人と日本人のハーフの男の子と思われる少年が演じていて、現在の姿が阿部寛である。それにしても、阿部寛という役者はここ何年で目覚しく大成したものだ。私が始めて映画で阿部寛を見たのは、1987年の南野陽子主演の「はいからさんが通る」だ。ヒロインの相手役で「デカイだけで役者としては大成しないな。」と言う印象だったのだが、「TRICK」辺りからメキメキと力を付けて、「はいからさんが通る」から丁度20年目で同じ東映作品で堂々主演であり、阿部寛本人も感無量であるに違いない。 減九朗は、宇宙人に乗り移られたら舞姫と、その世話役の佐助と共にオリハルコンを求めて旅をするのだが、その前に立ちは下がるのは徳川から指令された怪人集団【土蜘蛛衆】だった。 この土蜘蛛衆の大親分の破顔坊を演じるのは竹内力だ。素顔で出てくるのは、ホンの一瞬で後は顔全体をマスクを被り、本人の顔は目と口だけのなのにマスクの顔が竹内力だと直ぐに判るのが凄い。それにしても竹内力も面白い役者人生を歩んだ男だ。1986年の大林宣彦監督の『彼のオートバイ、彼女の島』で二枚目スターとしてデビューしたはずだったのに、いつの間にか”Vシネの帝王”を君臨し、ヤクザ物からコメディ迄こなす個性派俳優と変貌していた。そんな阿部と竹内、二人とも1964年生まれで、デビューもほぼ同時期、違う道を歩みながら(私の記憶が正しければ)初共演で初対決、これだけでも見る価値ありの作品だ。 映画の感想 うーん、かなり微妙。かなりスケールの大きい話なのに、そんな事を微塵も感じさせない映画で、いちおう笑いのシーンも数々用意されているのだが、大爆笑と言うのは無かった。クスクス笑い止まりである。これは見る人の主観によって変わるのかもしれないが、堤監督作品に共通していえる事で堤監督ファンの方々は、そこがまた良いのかもしれない。映画は支離滅裂で話も判った様な判らないような話なので、出てくる映像を楽しむべき作品であり、宇宙人に寄生されたマタギを演じた遠藤憲一が怪人のメイクと「あららら」と言うセリフだけだったり、六平直政も凄いメイクに変な奇声をあげる役だったり、杉本彩と阿部寛の温泉での素っ裸の一騎打ちなど奇想天外な映像のオンパレードである。 時が経ち、何時か近い未来に同じ東映作品の「宇宙からのメッセージ」みたいにカルト作品として語り継がれる作品なのかもしれない。 映画「大帝の剣」の関連商品はコチラをクリック。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[マスコミ試写] カテゴリの最新記事
|
|