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テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:試写会
映画の話 ロサンゼルス市警のトム・ラドロー刑事(キアヌ・リーヴス)は、かつてのパートナーを目の前で殺されたあげく、その犯人を取り逃がしてしまう。ところが、単なる殺人では終わらず、事件の裏には巨悪の陰謀が隠されていた。ラドローは踏みにじられたプライドを懸け、後戻りできない“エリア”に足を踏み入れる決意をするが……。 映画の感想 男臭い骨太なドラマで引き込まれた。お正月公開の『地球が静止する日』のクラトゥとは一転、人間臭い暴れん坊キャラをキアヌ・リーブスが好演している。しかし、役作りなのか精悍さが無く顔が浮腫んで見える。 以下ネタばれ注意 映画の出足は多くを語らず物語が進行して、観客は何が起きているのか判らないまま見て行くと事実が見えてくる仕組みが上手い。しかし警察って組織はあーも単独で動けるものなのだろうか?物語の中ではフォレスト・ウィテカー演じる上司が後始末をしているという設定であるが、かなり無理のある設定である。 映画の主題は“もみ消し”体質の黒い警察組織の中で、キアヌ演じる一匹狼の刑事ラドローの暴走から何者かの陰謀にはまり落ちていくと言うプロットは面白い。「もがけばもがくほど深みにはまっていく」パターンで、中盤に反目する刑事ディスカントとバディになる辺りも面白く思ったが、バディの登場で「もしや?」と思った嫌な予感は的中してしまう。このバディの関係も刑事が勝手に個人で判断してバディになってしまうのも安易であるように思ってしまった。 まぁ映画は紆余曲折を経て真実にたどり着く訳で、刑事としてラドローが突きつけられる選択は『ダーティーハリー』一作目のハリー・キャラハン刑事の最後の選択を思い出してしまうが、そこは昔とは違い“長いものには巻かれろ”的な解釈が現代的である。ラドローの監視役ビッグスを演じたヒュー・ローリーがいい味を出して物語を引き締めていた。難点を挙げると過去の出来事や背景が物語のキーポイントとなるのに、過去の出来事を全て台詞のみで語られるので頭に入ってこないのは駄目だ。この辺は映像でフォローがあれば映画に奥行きが出たと思われ残念であった。 映画「フェイクシティ ある男のルール」関連商品 キアヌ・リーヴス キアヌ・リーヴス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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