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テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:試写会
今回の試写会は産経新聞主催で映画上映前に、元財務大臣の塩川正十郎さんとフジテレビアナウンサー・黒岩祐治さんを招いて「メディアと政治」と言う題材のトークショーが行われた。しかし、このトークショーが曲者だった。まず本編上映前に「フロスト×ニクソン」の予告編を流すわ、司会者があらすじをしゃべるわ、塩ジイが映画のオチまでしゃべってしまった。いくら実話を基にしているにしても、主催者の無神経ぶりには頭を抱えてしまう。客入りは9割ほど、観客の年齢層は非常に高い。
【23%OFF!】フロスト×ニクソン(DVD) 【発売日お届け!2009年8月21日発売】 映画の話 1974年8月9日、第37代アメリカ合衆国大統領リチャード・ニクソン(フランク・ランジェラ)が、ウォーターゲート事件の汚名にまみれて辞職。その光景をテレビで見ていたトーク番組の人気司会者デビッド・フロスト(マイケル・シーン)は、ニクソンに対する単独インタビューを企画。ニクソンの代理人にコンタクトを取る。 映画の感想 うーん、これは困った。映画はニクソン元大統領が任期中に起こした“ウォーターゲート事件”や“ベトナム戦争”などの大罪を人気司会者デビッド・フロストがインタビューを行い、ニクソン本人の口から事件の真相を炙り出そうとする物語なのだが、その外堀となるニクソンの犯した大罪の説明が無い。作り手は「観客が事件の概要は理解している」と言う前提で作られているので、事件を知らない観客には「何のことやら?」と物語の蚊帳の外へ置いてきぼりになってしまう。したがって本作はニクソン政権をリアルタイムで理解している人や、“ウォーターゲート事件”に詳しい人、アメリカの歴史に詳しい人にはお勧めするが、それ以外の人にはまったくお勧め出来ない。それでも見たい方ニクソンが任期を勤めた69年~74年の歴史を入念に調査しての鑑賞をお勧めする。 映画はニクソンへインタビューと言う名の“対決(舌戦)”を行うフロスト陣営と、それを受けるニクソン陣営の様子にくわえ、関係者(役を演じた役者が本人になりきり)のインタビューが挿入される構成で、ほぼフェイクドキュメンタリーと言える構成だ。 メインとなるフロストとニクソンの一対一のインタビューであるのだが、最初は元大統領の貫禄と話術にタジタジのフロストが、インタビューの回を重ねる事で相手の弱点を付く事になるのだが、どうも私はこのフロストという人物に感情移入できなかった。司会者と言う仕事柄なのか感情を表に出さないタイプの人物で、いつもヒョウヒョウとしていて人間らしさを感じられなかった。これだけの大役を受けてプレッシャーで押しつぶされるような人物だったら映画として面白かったかも? フロストに対するニクソンを演じるフランク・ランジェラの演技も、リアルタイムでニクソンを知らない世代が見て似ているのか似てないのか判断できない。私が初めてフランク・ランジェラを知ったのは「ドラキュラ」(79年)であり、それ以降の彼の出演作にはそれほど関心はなかった為に、今回のニクソン役は「ドラキュラ」以来のはまり役なのかもしれない。 それにしても、いま何故時代はニクソンを求めているのだろうか?先日、試写会で見た「ウォッチメン」の世界でもニクソン大統領が5期も任期を勤めているパラレル・ワールドだった。私が推測するところニクソンが任期を勤めた69年~74年の混沌としたアメリカと現在のアメリカの空気が似ているのかもしれない。その時代を作り出した張本人であるニクソンをアメリカは反面教師として見ているのだろう。 映画「フロスト×ニクソン」の関連商品 50%OFF[新品][DVD]大統領の陰謀 「ALL THE PRESIDENT'S MEN」 オリジナル・サウンドトラック『フロスト×ニクソン』/ハンス・ジマー[CD] 5000円以上のお買物で送料無料!(海外・離島除く)《中古DVD》リチャード・ニクソン暗殺を企てた男 ニクソン(DVD) ◆20%OFF! BBC 世界に衝撃を与えた日-10-~ケネディ大統領暗殺事件とニクソン大統領の辞任~/ドキュメント[DVD] パラマウントサマーフェス!パラマウント ホーム エンタテインメント フォレスト・ガンプ 一期一会 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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