|
テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:ブロガー試写会
今回は「Yahoo!映画/ユーザーレビュアー」を招いた試写会だ。客入りは8割ほど。映画上映後には細野ひで晃監督招いて観客とのティーチインが行われた。
エントリーでポイント5~9倍!12月21日14時まで 【スペシャるプライス】 【初回仕様!】 鈍獣 プレミアム・エディション(DVD) ◆30%OFF! 映画の話 殺しても死なない鈍感な男、凸やん(浅野忠信)。とある事情により彼の殺害を目論む、自分のことしか考えない、別の意味で鈍感な彼の幼なじみたち。しかし、何度殺しても、凸やんは戻ってくる上に、いっさい彼らを疑おうとしない。そんな凸やんの、一途に友だちを求めるピュアな鈍感さが、徐々に幼なじみたちの心を変えていく――。 映画の感想 映画の要となる凸川の人物像が理解できず、最期まで作品世界に入れませんでした。本作は宮藤官九郎の伝説の舞台劇を映画化した作品であるが、私はオリジナルは未見なので比較は出来ない。しかし本作を見て思って事は「宮藤官九郎・脚本作品は自分には合わない」と言う事だ。私は「真夜中の弥次さん喜多さん」「少年メリケンサック」といった“純度100%”の宮藤官九郎・監督&脚本作品は全然OKであるが、本作のように他の演出家のフィルターを通り、その演出家の作家性が上乗せされてしまうと途端に拒否反応が出てしまう。 映画は04年の舞台劇を映画化という事で、役者の演技も何処か舞台的なハイテンション演技で暑苦しい。特に凸川を演じる浅野忠信の上手すぎる鈍感演技が見ていて登場人物達と同じ様にイライラしてくる。丁度、私が初めて浅野忠信を映画で見た「四姉妹物語」の時の演技を思い出してしまった。本作は一応主人公は浅野忠信になるのだが、彼の殺害を目論む北村一輝、ユースケ・サンタマリア、南野陽子、佐津川愛美、そして失踪した凸川を探しに来た編集者・静を演じる真木よう子ら全てが主人公のようなアンサンブル劇である。映画の舞台はホストクラブ店内で薬物殺人と言う事は、95年埼玉県本庄市で起きた「トリカブト保険金連続殺人事件」が物語のベースになったのかも? 以下ネタばれ注意 本作のポイントは凸川の超鈍感ぶりであるが、彼の性格的な鈍感は一応理解できたつもりであるが、何をしても死なない不死身ぶりにはまったく理解不可能であった。映画中盤から凸川はネズミ駆除剤入りのドリンクを飲まされるのだが、この演出も下手だ。例えば「たまたまペットがドリンクを飲んでしまい死んでしまう」という様な映像的なアプローチがあれば、駆除剤の威力が観客に確認出来たのに、そんな気の効いた演出は本作には皆無である。 凸川の不死身ぶりは、ホラー映画キャラクターのジェイソンやフレディ、ブギーマンならホラー映画と割り切れるが、本作はその答えも出さずに映画は幕を閉じてしまう。この凸川の不死身ぶりには観客を納得させる理由付けが欲しかった。そして一見、本作の主人公と思われた静も物語が進むうちにドンドン蚊帳の外に追いやられてしまう展開も不満だ。 この映画は多分、舞台で威力が最大限発揮される作品で、観客は舞台の外で起こっている事を想像しながら楽しむ様に作られている。例えば、殺したはずの凸川が復活してホストクラブに戻ってくる件がバッサリ無かったりで、せっかくの映画的解釈が十二分に発揮できる美味しい部分を放棄しているのは頂けない。この辺は「SAW」シリーズの様にラストに種明かしみたいな映像を怒涛の如く挿入するなど出来たはずだ。映画的解釈と言えば登場人物の少年期をアニメーションを使い表現しているのだが、このアニメが中々良く出来ている。いっその事、全編アニメにした方がよりダークでブラックな世界観を構築できたかもしれない。 映画「鈍獣」の関連商品 鈍獣 鈍獣 (CD)ゆずグレン/two友【通常盤:CD】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.12.21 13:47:17
コメント(0) | コメントを書く
[ブロガー試写会] カテゴリの最新記事
|
|