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テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:試写会
客入りは8割ほど。
ザ・スピリット 特別版 映画の話 殺された後で謎の復活を遂げ、愛する街セントラル・シティを守るために犯罪者たちと戦う仮面のヒーロー、スピリット(ガブリエル・マクト)。ある夜、怪しげな取引の通報を受けて現場に向かった彼は、宿敵オクトパス(サミュエル・L・ジャクソン)と死闘を繰り広げる。後日、現場にかつての恋人がいたことを知ったスピリットは動揺し……。 映画の感想 「これは駄目だ」映画は真面目なんだかふざけているのかさっぱり判らない展開で、完全に観客無視の自己満足映画と言えるだろう。監督は「シン・シティ」「300」の原作者フランク・ミラーだ。「シン・シティ」はロバート・ロドリゲスとの共同監督だったので今回が単独初監督作品だ。原作は40年代に新聞に掲載された4コマ漫画なので、フランク・ミラーは監督に徹している。 映画は「シン・シティ」と共通する色を落としたモノクロに近いグラフィック・ノベルズ風ののっぺりとした絵作りで、カメラアングルも漫画を意識した斜めアングルや、40年代漫画を意識した影を多用した絵作りであるが、流石に15分も見れば飽きてしまう。オープニングはダニー・エルマン作曲「バットマン」のテーマ曲にそっくりのゴシック調の音楽に乗せて“スピリット”の登場となるが、敵対するサミュエル・L・ジャクソン演じる“オクトパス”の登場で早くも雲行きが悪くなる。硬派なアメコミと思っていた世界観をオクトパスとその子分達がぶち壊しだし、ハイテンションなサミュエル・L・ジャクソンの演技とクールな絵作りとのギャップが激しく笑えない。主人公のモノローグで進行するハードボイルとタッチの語り口も空回り気味であり古い。 映画はいわゆるアメコミヒーロー物であるが、本作はやたらとセクシーな美女が絡んでくるので大人の観客に向けて作られている事が容易にわかる。エヴァ・メンデス、スカーレット・ヨハンソンなどハリウッド屈指の美女達を揃えてみたが、スカーレット・ヨハンソンは無駄使いのように感じる。他にもセクシーな美女達がスピリットを取巻き、スピリットの原動力は美しい女達と言うのが本作のポイントなのだろう。映画後半はスピリットの不死身な体の秘密など核心に迫るが無駄な演出が多く、日本文化を意識した“切腹”や、ナチスをパロディにした寺山修司もビックリなぶっ飛び演出には失笑してしまった。 映画全体はまったりとした展開に終始していて、アメコミヒーローの活躍を期待する観客にはまったくお勧め出来ない作品だ。何と言っても映画としてリズム感が無く、演出の切れも非常に悪い。そして主役に魅力を感じないのは致命傷である。そう考えると「シン・シティ」はやっぱりロドリゲスの演出力が優れていたおかげだったと改めて感じさせられた。続編も視野に入れた幕切れであるが本作だけで止めておいたほうが良いだろう。 映画「ザ・スピリット」の関連商品 ザ・スピリット ムービー 7インチ アクションフィギュア/ザ・スピリット ザ・スピリット ムービー 7インチ アクションフィギュア/プラスター オブ パリズ ザ・スピリット ムービー 7インチ アクションフィギュア/サンド・サレフ 【2009年1月発売予定】The Spirit ロトバスト:The Spirit(ザ・スピリット)【メズコ】 【2009年1月発売予定】The Spirit DXアクションフィギュア:The Spirit(ザ・スピリット)【メズコ】 HOTTOYS Movie Masterpiece The Spirit THE SPIRIT予約商品ホットトイズ THE PPIRIT ザ・スピリット 1/6フィギュア ホットトイズ ムービーマスターピース 1/6 ザ・スピリット シルケン・フロス【6月予約】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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