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テーマ:辛口映画批評(354)
カテゴリ:試写会
客入りは8~9割ほど。映画上映前にサプライズゲストとして崔洋一監督とアクション監督を務めた谷垣健治さんの舞台挨拶があった。「ジョン・レノン/パワー・トゥ・ザ・ピープル」のBGMが流れ会場からは自然と手拍子が鳴り出して崔監督が舞台に登壇した。当日は全国で最後の試写会だとの事で崔監督は異常にハイテンションである。当日は本当に舞台挨拶も予定していなかったのか舞台にスポットライトも当てられていない中、饒舌な崔監督は10分程しゃべり通した。
カムイ外伝: 通常版 【DVD】 映画の話 鉄の意志を持ち、見事な剣の腕前を持つ忍者カムイ(松山ケンイチ)は、おきてにがんじがらめにされた忍びの世界に閉口してそこから抜け出す。かつての仲間、大頭(イーキン・チェン)やミクモ(芦名星)はそんな彼を裏切り者とみなし、執拗(しつよう)にその後を追う。ある日、漁師の半兵衛(小林薫)を助けたことでカムイはその家族に歓迎されるが……。 映画の感想 私は原作を未読の為に比較は出来ないが、この手の作品は「アクションを取るか、ドラマを取るか」二つの選択がされると思う。本作はオープニングこそ小気味良いアクションシーンが勢い良く描かれるが物語の中盤辺りからドラマに走ってしまい、マッタリとした展開になりスピード感が失速してしまうのが駄目だ。 以下ネタばれあり 物語冒頭に小雪演じるスガルの殺陣(たて)が出てくるが、もう小雪がダメダメである。忍者という設定なのにがたいはデカイは、腰は引けてるは、動作が遅いといい所無しである。元々この役は菊池凛子がキャスティングされていたが、怪我のために降板してしまった曰く付の役であり、ピンチヒッターとしてキャスティングされ準備期間が無かったのかもしれないが、身のこなしがまったく出来ていないのは忍者役として致命傷である。 対する主人公カムイを演じる松山ケンイチは頑張っている。スタントも使っていると思われるが身のこなしも素早く難しい役を好演している。物語前半は「これでもか!」と言わんばかりに、漫画チックなアクションが満載でCGクオリティも高い。アクションシーンに引きの絵を多用した絵作りがアクションをわかり易くしているのも良い。ただ登場人物の人物設定がいささか判りづらく、抜忍となったカムイと追っ手の関係も初見ではよく判らなく、この辺は原作ファン向けなのかもしれない。そんな追っ手ミクモを演じていたのが「シルク」の芦名星だったと公式HPで知り、彼女のあまりの変貌ぶりにビックリである。 映画前半は快調に展開するがカムイが半兵衛と出会い、海で鮫の大群に襲われる所をピークにして、その後、半兵衛一家と共に島に辿り着く辺りから物語は急速に失速してしまう。それにしても本作の面白い所はデジタル処理で海が異常に青々としている。この色使いは漫画の実写版らしく非常に効果的である。そしてCGで作られた鮫のクオリティは素晴らしい。それと鮫肌の質感や動き方がリアルである。この技術で「ジョーズ」のリメイクを作れば相当な迫力が出るはずだ。 半兵衛の娘サヤカを演じるのは松山ケンイチとは日本テレビ「セクシーボイスアンドロボ」でも共演した大後寿々花だ。サヤカがカムイに恋した事で事態は悪い方向になる訳でサヤカに恋する吉人の嫉妬と、カムイと半兵衛一家を救った伊藤英明演じる不動が仕掛ける負のたくらみで映画は大団円を迎える。 映画全体を見ると万人向けのエンタメ作品とは言いがたい仕上がりだ。小さな世界観を得意とする崔監督には本作は不向きだったように感じる。しかし原作や松山ケンイチファンの方には面白く見れるだろう。私には物足りない作品であったが映画終了後の拍手を聞くと多くの観客は満足度は高かったようだ。 映画「カムイ外伝」関連商品 ◆メール便は送料無料◆ 【初回仕様】 倖田來未/Alive / Physical thing [CDのみ/カムイ外伝 主題歌] 【オリコンチャート調査店】 ■2009/9/16発売■RZCD-46369 カムイ外伝 【23%OFF!】映画 カムイ外伝 ドキュメント 松山ケンイチ≒カムイ(DVD) ≪模造刀≫映画「カムイ外伝」(松山ケンイチ)カムイモデル史上最高の忍者コミック(原作:白土三平) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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